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2024年3月21日、日本株式市況

祝日明け21日の東京株式市場で日経平均株価は3日続伸し、終値は前営業日比812円06銭(2.03%)高の4万0815円66銭だった。4日に付けた4万0109円を上回り、およそ2週間ぶりに最高値を更新した。19〜20日の米株式市場で主要3指数が上昇した流れを引き継ぎ、主力の値がさ株に買いが入った。日米中銀の金融政策決定会合が無難に通過した安心感も支えとなり、投資家の運用リスクをとる動きが強まった。

20日の米株式市場ではハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数の上昇が目立ち、東京市場でも値がさの東エレクやソフトバンクグループ(SBG)などに買いが波及した米連邦準備理事会(FRB)が同日まで開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)では、年内3回としていた利下げ予想に変化がなかった。一部で利下げ回数が減るとの見方もあったなか、FRBの利下げ期待の継続を支えに株買いの勢いが強まった。日本時間21日午後にはナスダック100株価指数の先物「Eミニ・ナスダック100」が一段高となり、東京市場でもハイテク株などの買いを勢いづけた。

日銀の植田和男総裁が19日の金融政策決定会合後の記者会見で「当面は緩和的な金融環境が継続する」と述べたことも、株式相場の支援材料となった。外国為替市場の円安・ドル高基調はトヨタや日産自など輸出関連株の買いにつながった。

東証株価指数(TOPIX)は5日続伸した。終値は45.24ポイント(1.64%)高の2796.21と、1990年1月以来およそ34年2カ月ぶりの高値をつけた。JPXプライム150指数は5日続伸し、16.26ポイント(1.35%)高の1218.20と算出以来の高値を更新した。

東証プライムの売買代金は概算で5兆9014億円、売買高は22億1465万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1121。値下がりは484、横ばいは51だった。


――――――――――――――――――― 3月21日 (木) ――
◆国内経済
 ・2月貿易収支 (8:50)
24/03/21 08:50 日本 貿易収支[通関べース] 2月
★★ -7,850 億円 -3,794 億円 -17,583 億円(-17,603 億円)

 ・2月白物家電出荷額 (10:00)
 ・2月食品スーパー売上高 (13:00)
 ・2月首都圏マンション市場動向 (14:00)
24/03/21 14:00 日本 首都圏新築分譲マンション (前年比) 2月
★ -27.6 % +56.6 %

 ・2月主要コンビニエンスストア売上高 (14:00)
24/03/21 14:00 日本 コンビニエンスストア売上高 (前年比) 2月
+5.7 % +1.2 %

◆国際経済etc
 ・南アフリカ市場休場

 ・ドイツ3月製造業PMI (17:30)
 ・ドイツ3月サービス業PMI (17:30)
 ・ユーロ圏1月経常収支 (18:00)
 ・ユーロ圏3月製造業PMI (18:00)
 ・ユーロ圏3月サービス業PMI (18:00)

 ★イングランド銀行 (BOE) が政策金利を発表 (21:00)

 ★米国10-12月経常収支 (21:30)
 ・米国新規失業保険申請件数 (21:30)
 ・米国3月フィラデルフィア連銀景況指数 (21:30)
 ・米国3月製造業PMI (22:45)
 ・米国3月サービス業PMI (22:45)
 ★米国2月コンファレンス・ボード景気先行指数 (23:00)
 ・米国2月中古住宅販売件数 (23:00)

 ・スイス中銀が政策金利を発表
 ・トルコ中銀が政策金利を発表
 ・ノルウェー中銀が政策金利を発表

【海外決算】
[米]アクセンチュア<ACN>、ナイキ<NKE>、フェデックス<FDX>、ルルレモン<LULU>/[欧]BMW

◆新規上場、市場変更 など
 ★STG <5858> :東証G上場
 ★トライアルホールディングス <141A> :東証G上場




<6920> レーザーテック 43060 +1340
大幅続伸。注目されたFOMCでは年内3回の利下げ見通しが維持されており、安心感から米国株式市場は上昇、前日にはSOX指数も反発に転じている。さらに、半導体大手のマイクロンが決算発表を行っており、3-5月期の売上高見通しは64-68億ドルとし、市場予想の60億ドル程度を上回る形に。マイクロン株は時間外取引で一時15%の上昇となっており、同社など国内半導体関連株の支援材料につながる。

<3863> 日本紙 1204 +21
大幅続伸。未定としていた配当予想を公表、24年3月期期末配当金は10円としている。2期ぶりの復配となる。来期以降の業績動向なども踏まえて、復配に向けた環境が整ったと判断しているようだ。会社側では従来から復配の可能性を示唆していたことから、サプライズは限定的とみられるものの、第3四半期決算発表時には下方修正を行っていたため、無配継続への懸念が残っていたと考えられる。

<8524> 北洋銀行 458 +22
大幅反発。株主優待制度の導入を発表している。1年以上株式を保有している2500株以上の株主を対象に、3000円相当の優待品を贈呈する。保有期間5年以上では6000円相当となるもよう。優待品は地域振興のための北海道の特産品となるようだ。なお、銀行株は全般、一昨日は日銀決定会合の決算発表を受けて出尽くし感からの売りがやや優勢となっていたが、本日は総じて買い先行の動きになっている。

<8367> 南都銀 3095 +227
大幅続伸。一昨日に業績・配当予想の上方修正を発表している。24年3月期純利益は従来予想の110億円から120億円、前期比2.5倍の水準にまで引き上げ。想定に比べて貸出金利息および役務取引等利益などが上振れ、与信関連費用などが下振れるもよう。業績上振れに伴って期末配当金は従来計画の64円から74円に引き上げ、年間配当金は前期比1円増の114円としている。

<9412> スカパーJ 1049 +90
大幅続伸。米軍との連携拡大に向けた協議を進めると、米倉社長が明らかにしたと伝わっている。衛星を使った宇宙状況監視で協力、今後は安全保障分野を収益の柱に育てていく方針のようだ。先にホワイトハウスで宇宙政策を担当する幹部と面会し意見を交換しているもよう。同社では静止衛星を17基保有し、インド太平洋地域をカバーする静止衛星数では世界最多。同社の衛星を米軍が活用できるようにしていく計画のようだ。

<1375> 雪国まいたけ 1136 +80
大幅反発。業績予想の上方修正を発表。24年3月期営業利益は従来予想の16.2億円から29.6億円にまで引き上げ、一転しての2ケタ増益見通しとしている。適切な単価水準への引き上げが奏効したほか、ユーティリティ関連費用も想定以上に抑制できている。上振れ期待は高かったとみられるが、修正幅は想定以上との見方に。なお、配当金については最終的な確定利益をベースとして増配金額を決定するとしている。

<1815> 鉄建 2832 +252
大幅続伸。一昨日に24年3月期の増配を発表している。期末一括配当の年間配当金は、従来計画の80円から100円に引き上げ。前期比でも20円の増配となる。具体的な資本政策や株主還元方針は「次期中期経営計画」において公表するが、検討内容を踏まえて、今期から株主還元の充実を図っていくとしている。一昨日終値ベースでの配当利回りは3.9%の水準となる。

<5017> 富士石油 464 +80
ストップ高。出光興産が住友化学の保有する同社株を市場外で取得予定と伝わった。これにより、出光興産の出資比率は6.67%から13.22%に上昇し、同社の筆頭株主となる。今回の株式異動に伴う資本関係の強化を踏まえ、出光興産との既存燃料油事業の競争力強化及び2050年のカーボンニュートラル時代を見据えた取り組みの協業深化に関する協議を進めていく。今後の一段の株式取得など再編思惑も先行する形に。



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