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サンライズ瀬戸で行く、しまなみ海道サイクリング旅 〜 輪行・車内探索 編 〜

2022年のイベント「サイクリングしまなみ」で橋から見下ろす瀬戸内の絶景に魅了されて、今回は3回目の訪問です。

しまなみ海道は尾道から今治まで約70kmのルート。ロードバイク初心者でも1日かけてのんびり片道なら走り切れる距離です。往復140kmとなると、それなりに体力とスピードが必要になるので、中級者以上でないとさすがに難しくなってきます。

観光も兼ねたポタリングを楽しみたい私としては、片道一択。
この時に検討事項になるのが、宿泊用の荷物をロードバイクにパッキングして走るのか、ホテルなどに預けるのかの選択です。

過去2回の訪問では福山駅周辺に宿泊して、ホテルに荷物を預けて尾道〜今治を走り、今治から電車またはフェリーで再び福山駅まで戻っていました。

千葉や北海道で何度か自転車旅を経験し、宿泊荷物を最小限に抑えた2〜4日のサイクリングに手応えもできてきたので、今回は国内唯一の寝台列車「サンライズ瀬戸」で輪行して四国に入り、しまなみ海道を今治から尾道に抜けて福山駅から帰京するというルートを試してみました。

サンライズ瀬戸・出雲のチケット予約戦

サンライズ瀬戸・出雲のチケットは、現在とても人気があるようです。
乗車日1ヶ月前の朝10時から、JR西日本のe5489サイトでオンライン予約が可能になるのですが、あっという間に完売してしまいます。
事前にネットで輪行体験者の情報を集めたところ、輪行袋に入れたロードバイクを持ち込むには、シングルかシングルツイン、デラックスなどの個室を予約する必要があり、それよりも狭くなるソロや座敷席(ノビノビ座席)では難しいということでした。

2023年10月7日(土)の出発を予定していたので、9月7日の朝10時少し前にオンライン予約サイトをスマホで開いてスタンバイ。ブラウザのオートフィル機能も利用してサクッとシングル個室を予約したつもりが、決済に進む直前に満席・売り切れになってしまいました。
慌てて最初のページに戻ると、奇跡的にシングルツインは「予約可」の表示。
価格が上がり、さらに1人で2席占有することを考えて一瞬ためらったのですが、移動計画を優先してシングルツインを選択し、今度は決済までスムーズに完了させました。

ところが、予約メールに記載された席表示が何かおかしい。
そういえば決済額も事前想定より安かった。

予約確認メールの一部:「A席」ってなんだ?

席選択時になにが起きたのかわかりませんが、ノビノビ座席での予約となっていました。慌ててタップをミスしたのか、そもそも人気のツインに空きがあるはずもなく見間違えたのか・・・謎です。

ノビノビ座席は幅90cm弱、奥行きは200cmくらい。大きめのスーツケースを持ち込んで足元に置くことはできる程度の座敷席スペースです。
ノビノビ座席でもデッキにロードバイクを置かせてもらって輪行したという体験談があったのと、座席にスーツケースを持ち込んでいる画像から、最悪の場合はロードバイクを座席に持ち込んで自分は自転車の隙間で寝ればいい、プライバシーのない座敷席だからむしろ眠れないかもと判断して、輪行を敢行しました。

サンライズ瀬戸 乗車へ

停車時間や発車の合図はほかの在来線と特に変わりません。停車した車両をのんびり眺めるような暇もなく、アナウンスにせき立てられるように車内へ。

サンライズ瀬戸には、車内販売はなく自販機が置いてあるだけ。その自販機もあまりドリンクの種類はなく、売り切れがちということで、飲み物は少し多めに持ち込みました。

輪行袋はデッキに

イタズラ防止と、揺れによる転倒防止に、ワイヤーキーでデッキの手すりと固定させてもらいました。
デッキは決して広いというわけではなかったので、他に大きな荷物を置いている人がいたら、少し離れた車両のデッキに置ける場所を探すことになったかと思います。

座席に持ち込むという選択肢は、座席内のスペースよりも通路の狭さを考えて断念しました。
人ひとり通るのがやっとのところを、輪行袋を担いでいくのは、なかなかに勇気がいります。

ノビノビ座席車輌の通路

車内探索

ノビノビ座席スペース

身長160cmの女性としては十分な広さで、スーツケースも機内持ち込みサイズから40L、50Lくらいなら十分足元に置けそうでした。

窓際のみ左右との仕切り付き
薄い毛布と布が備え付けられてます

床は硬くてカーペットが敷いてあるのみなので、この備え付けの毛布を床に敷いて寝るという人もいるようです。
車内は意外と空調がきいていて、10月初でしたが、そんなに寒いと感じることもありませんでした。
とはいえ、荷物最小限の旅なので、寝ている間の上掛けになりそうなものは持っておらず、この毛布は上掛けとして使いました。

もう一つの備え付けの布は、用途が謎です。

手持ちの手ぬぐいとのサイズ比較

手持ちの手ぬぐいと比較すると、少し小さめ。
手ぬぐいは大体90cm × 35cmなので、80cm × 30cmくらい?
とりあえず手荷物のポーチの上にかけて、枕にしてみました。

その他の設備は、窓側を照らす読書灯と、もう少し広めの明かり。

左は窓付近をスポットで照らす読書灯。右はスペース全体用の明かり。

スペース個別の空調もついてました。こちらは観光バスなどについている送風機みたいな感じです。

隣のスペースとの間にカーテンレールもあったのですが、肝心のカーテンはすべて取り払われてました。メンテナンスや防犯などで課題があったんでしょうかね…?

ノビノビ座席の乗り心地

思った以上に揺れます。
進行方向に対して横を向いた状態で、やや閉塞感がある硬い座席に座っていると、乗り物酔いしそうになりました。
眠れないだろうと思っていましたし、実際眠りは浅かったですが、乗り物酔いを回避するためには、横になっておくのが吉でした。

サンライズ瀬戸は特別な線路を通るわけではなく、普通の在来線と同じ線路を進み、わりと頻繁に停車もします。
駅に停まるたび、窓から眩しい光が差し込むので、寝る時はカーテン必須でした。

シングル個室

人気のシングル個室ですが、車内を少し散歩してみるといくつか空きのままになっていました。朝4時を過ぎて乗客がいなかったので、なにかの理由で乗車できなくなったのかもしれません。
さすがにノビノビ座席よりは快適そう…。

こちらは寝具、枕、部屋着にゴミ袋やスリッパまであって、カプセルホテルみたい
右のスペースに輪行袋を置けそう


乗客は、意外と大阪あたりで降車していったようです。
ずっと貧乏ゆすりしていた隣のおじさんも、気がついたらいなくなっていました。
高松まで乗車していたのは、1割程度だったのではないかと思います。

途中停車駅と車窓からの景色

夜行列車なのでほとんどは暗闇の中、街明かりやイルミネーションが見える程度です。

沿線に詳しい人なら色々見どころがあるのかもしれませんが、素人にもわかりやすいのは2つ。

岡山駅での車両切り離しと、瀬戸大橋からの眺めです。
どちらも車内アナウンスがあり、特に岡山駅では数分停車するので、撮影にホームに出る人も多かったです。
私もついつられて見学。見やすい場所には、すでに多くの人が集まっていて、斜めにのぞく感じになりました。

切り離し作業の最後。後ろ車両の正面開口部を閉じて完了。

高松には朝7:27着!

結果:サンライズ瀬戸ノビノビ座席で輪行はできた

事実として輪行はできました。
ただ、デッキに置くにせよ、シングル個室に持ち込むにせよ、スペース的にはあまり余裕はありません。

輪行の仕方も横型よりも縦型を選んで、できるだけコンパクトにしたほうがよさそうです。
ロードバイクではなく折りたたみ自転車なら、さらにコンパクトなので、座席に持ち込んでいる人もいました。

手荷物としてサドルバックを抱えている人も駅で見かけたので、ロードバイクを現地で借りるというパターンもありなのかもしれません。

ものすごく快適!とは行きませんが、旅の非日常感と、宿泊も兼ねられて早朝から行動できるのが魅力でした。
次はなんとかしてシングル個室を予約したいところです。

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