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7日間ブックカバーチャレンジ まとめ

#おうちですごそう の名前の元に、FaceBook上で様々なバトンが回っています。
バトン、チャレンジなどの名前で呼ばれていますが、内容としては
・指名された人は、指定されたテーマで投稿する
・他の人にも同じことをお願いする(バトンを渡す)
ということなので、いわゆるチェーンメールに近い性質です。ただ、在宅で時間に余裕があるせいなのか、他人とのコミュニケーションツールが少なくなっているせいなのか、意外に受け入れる人が多いようです。

その中でも7日間ブックカバーチャレンジは、比較的長く、色んな人に伝播しているようです。FaceBookには元々読書メモをアップする人もいるので、親和性が良いのでしょう。

そんな訳で、私のところにもバトンが回ってきたのですが、少し前に「人生を変えた本」を選んだばかり。

ただ、それでも選書するのは楽しいので、変化球気味の7冊+αをピックアップしました。

Day1: ピュリツァー賞 受賞写真 全記録 第2版

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カメラが趣味になり、撮影技法のテキストや写真集にも興味が出てきたのですが、報道写真はまた別格。
写真の力はもちろんのこと、撮影にあたったカメラマンの判断や時代背景など、1点1点考えさせられます。

Day2: 偶然の科学

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人々の「常識」や「直感」が誤りに陥る状況と例を、心理学と社会科学的分析や実験の結果を引いて説明してくれています。読み物としても面白いのだけど、今見返すと行動経済学のキーワードがまとまっていて良いかも。

関連する本としては、制度設計が人の行動に影響を及ぼす事例について、統計的な分析と合わせてもっと読みたい場合は、「ヤバい経済学」。
行動変容を促す制度設計と社会実験の例については「その問題、経済学で解決できます。」
さらに因果推論の考え方と、分析手法をきちんと学ぶのであれば「「原因と結果」の経済学」でしょうか。
どれを選ぼうか少し迷ったのですが、他の方との重複回避する意味でこちらをチョイス。

Day3:カイエ・ソバージュ 人類最古の哲学

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世界各地の神話に表れる人々の生活や思想を読み解いていく本。
人がどのように自然の恵み・脅威と向き合って社会を作ってきたのか、歴史的に振り返る意味でも面白いです。

同様に、自然の事物との関わり方の歴史としては、「殺人・呪術・医薬―毒とくすりの文化史」も非常に面白いのですが、実家においてきて手元にないのとタイトルがちょっと怪しすぎるのでこちらで…。

Day4:人体はこうしてつくられる―ひとつの細胞から始まったわたしたち

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表紙が苦手な人もいるだろうな、暴投になるかな、と思いつつも、良い本なのです。

DNAって、一般には「設計図」として説明されるのだけど、多くの人がイメージする、全体像から部分のパーツへと構造がかっちり決められた設計図とは違うという指摘が面白い。

言われてみれば、確かに高校の生物で胚の一部を移植したら隣合う組織に本来とは違う器官が作られていったりすることは習っているのだけど、言葉のイメージって大きい…。

発生の流れはもちろん、感覚器や記憶、免疫のメカニズムなども解説されていて、非常に面白いです。

Day5:日本文学を読む・日本の面影 (新潮選書)

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Day3〜4が社会科学、自然科学だったので、人文科学を。

文学の読解というと、なんとなく情緒に浸っているだけで客観的でないような先入観を持ってしまったりしたものです。(私も一応、文学部出身ですが…)

文化背景や作家が目指していた文学表現の違いを踏まえた解説によって、作家の特徴がものすごくクリアかつ高い解像度を持って浮かんできます。

なにより、著者、ドナルド・キーンの日本語の語彙の豊かさと言葉選びに、日本語の魅力を再度知らされる本です。

Day6:巷説百物語 シリーズ

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京極夏彦の小説に高校時代ドハマりして、受験勉強のために通ってたはずの図書館で借りてきては、ほぼ徹夜で読んでたのが思い出です。

同じ著者の「京極堂シリーズ」が戦後を舞台にして虚構を崩すことによる事件解決を図るのに対して、こちらは幕末を舞台に虚構を生み出すことによって事件に決着をつけるという、逆のアプローチが取られます。
どちらも大好きなのですが、仕掛けの鮮やかさもあって巷説百物語シリーズの方が好きです。

暗くグロテスクな部分もありますが、ストーリーテリングの力を作品、作中の仕掛けから二重に楽しめるシリーズです。
登場人物の口上に独特のリズムがあり、読んでると口調がうつります。特におぎんさん(笑)

Day7:ジ・アート・オブ・シン・ゴジラ

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映画「シン・ゴジラ」の公式設定資料集です。
美術造形や、そのために行った首相官邸や自衛隊施設などのリサーチ、撮影技法などなど、とにかく大ボリュームで見ていて飽きないです!

ここ最近、専門家知識の緊急時政策活用の文脈でよくタイトルを聞くようになったのですが、その点は別に分析されている方々にお任せします。

映画は割と脚本重視で見る傾向にあるのですが、「ロード・オブ・ザ・リング」の付録映像で衣装・小物美術へのこだわりや、ミニチュア撮影とCGの組み合わせによる映像作りを知って以来、特撮にも少し興味があります。

この「シン・ゴジラ」もCGを駆使しつつ、破壊される建物などではミニチュアを使用していたり、カメラも最新のものから小型カメラ、閉所ではなんとiPhoneまで利用して撮影したりしていたそうです。
首相官邸に飾る絵について、有名作家の模写で済ませようとしたら権利関係が複雑になるということでストップがかかってしまい本物を借りることになったとか、裏話も多々。

Amazonのリンクを貼るために検索したら、まさかのKindle版がありました。
かなり嵩張りますが、これは紙の方がおすすめです。

おまけ

おすすめ本ではあるのですが、「変化球」テーマのため、7冊から外れてしまったものをこちらに公開しておきます。
ヘボながら、ミラーレス一眼を持ち出して試行錯誤しながらブックカバーの撮影をしてしまっていたりするので、その供養のためにも…。

「ソラリスの陽のもとに」スタニスワフ・レム

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「自分の感受性くらい」茨木のり子

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