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〜ワインテイスティングノートP 33.〜 NV Dans un Premier Temps Extra Brut

産地 Champagne/France
品種 Chardonnay50 Pinot noir30 Meunier20
容量 750ml
アルコール度数 12.0% ドザージュ3g
希望小売価格 ¥7300(税抜)

ドント・グルレはコート・デ・ブランの中心部アヴィーズとその東に隣接するフラヴィニーの間にある小さなワイナリーである。
創立は1986年で現当主アドリアンの両親の結婚がきっかけであった。
父方のドント家はもともとベルギーの農家を起源とし、1960年代にセザンヌのエリアに畑を購入、一方で母方のグルレ家はキュイ-クラマンの出身であった。両家がそれぞれ所有していた1haずつを合わせての2haの規模で当初はスタートしたが、現在は3倍の6haまで成長した。
現在は2012年からワイン造りに携わっているアドリアンが二代目として指揮を執っている。彼は21歳という若さで両親からワイナリーを引き継ぎ、情熱を持った職人気質の友人たちとの交流を通してノウハウを学び、独学で自分のやり方を見つけていった。
こうした知見から導き出された彼のフィロソフィーは、土壌を生かすこと、完熟したブドウを収穫すること、樽を用いて醸造することそしてドサージュを控えめにすることの4つである。
栽培に関しては、両親の代とやり方を変えて初めはビオディナミを導入していたが、以前とは考えが変わったためビオディナミに従うことを徐々に減らしていき、現在は土壌の活性化に焦点を当てブドウ畑を自由に成長させるということに注力している。収穫は他と比べると毎年一番遅いくらいで、その理由はブドウを良く熟した状態で収穫する事でドサージュを抑えても十分な甘みを感じられるようにするためである。
醸造に関しては、両親はステンレスタンクでの醸造を行っていたところアドリアンは樽を導入。
その理由は第一に彼自身がブルゴーニュの大ファンであること、そして樽という自然な素材を使用することが好きだからである。
ステンレスと樽を併用して自然酵母でアルコール発酵を行い、酸が強調されすぎない様にするため全てのキュヴェでMLFを行う。
ブレンド用のリザーブワインはワイナリー設立当初から村毎に分けて継ぎ足しを続けるソレラ方式で保管されている。
またアドリアン自身あまり強い泡が好きではないため、二次発酵時の糖の量を少なめに調整。
通常1リットルあたり24gの糖を入れるところ22~23gに抑えている。
こうすることでガス圧が抑えられ、ワインに溶け込む滑らかな泡が生まれる。
アドリアンのワインは飲み手が期待するような鋭角的な酸やミネラルを犠牲にすることなく、優れたテクスチャーと力強さを兼ね備える複雑で素晴らしい味わいを持つ。
世界の著名テイスターたちも彼のワインを飲むとそのポテンシャルの高さに脱帽している。ワイン・アドヴォケイト誌では「シャンパーニュの未来において極めて重要な役割を担うことがはっきりとしており、それはボトルの中のワインが物語っている」「ワインメーカーとしての彼の今後の進化に期待せずにはいられず、心からお勧めである」ヴィノス誌では「土地と品種の個性を最大限表現するという極めてシンプルな美学を貫く彼のワインは追い求め続ける価値がある」 シャルトーニュ・タイエの当主アレックスも認めるその実力は折り紙付きで、次世代のスターとなること間違いない。
ただ残念なことに年産は全体で50,000本程度であり、アメリカをはじめUKやベルギー、スウェーデンなど各国に輸出されるため日本に入ってくるのはわずかである。見かけたら絶対に抑えておくべきシャンパーニュである。
(データはインポーターより抜粋)(写真は某バーにて)

以下分析。

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1.前提

提供温度10℃程度。
抜栓は当日。

2.外観

レモンイエロー。

3.香り

レモネード、生姜シロップ、ビスケット、全て混ざった香り。

4.味わい

泡はクリーミーで細かい。
最初に蜂蜜漬けの生姜とレモンのような甘味、酸味、旨み。
ここでは旨みと表現したけど、タンニンとは違うもののえぐみというか苦味というかそういった類の要素が感じられてそれがストラクチュアを作っている。
しかし本当に酸が豊かでキレイ。
ここ最近のムルソーみたい。
余韻は長い。

5.楽しみ方の提案

料理とのマリアージュ
提供温度8〜10°C
パルミジャーノチーズ
栗やさつまいもなどホクホクした甘味のあるものにバターをつけて
提供温度それ以上
ホタテのバターソテー
椎茸の出汁の利いたお吸い物

6.雑談(感想)

今のトレンドのスタイルの1つなのかなと飲んでみて思いました。
コートデブラン最近飲む機会が多いですが、美味しいのだらけです〜。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

山田正道

シェフ、ソムリエ、SAKE Diploma、出張料理人として活動。
現在は主に西麻布の紹介制のBARとオンラインワインショップを運営しています。
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