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〜ワインテイスティングノートP34.〜 シャトー酒折 デラウェア 2020

産地 山梨県甲府市酒折町/日本
品種 Delaware
容量 750ml
アルコール度数 7.5%
希望小売価格 ¥1540(税込)

2020年は歴史に残るほどの天候に恵まれない年でした。
萌芽から開花の時期は気温も安定し、適度な降水量もあり、良好な状況でしたが、開花、結実から果粒肥大時期にあたる6月、7月は天候不順に見舞われ、降水量は通年の4倍、日照量は通年の3分の1で、以降の葡萄の生育に大きく影響しました。特に、甲府のデラウェアに関しては糖度が上昇しきれない状態で晩腐病の蔓延を招き、選果作業に多大な労力が必要となり、また穂坂のデラウェアについても、病果は甲府と比べ少なかったものの、糖度が上昇すると病果の蔓延が予測され、早期の収穫となり、十分な糖度を得ることはできませんでした。
糖度が低く、腐敗果の多い状況であったため、除梗破砕時の亜硫酸添加は多めに添加し、搾汁の時間を短時間で行うことで果汁の汚染が起こらないよう細心の注意を払いました。
また、果汁の清澄、澱引きも通年よりも強めに行い、きれいな果汁を得るため努力しました。そして補糖をおこないましたが、補糖後の糖度は約16°で、アルコール分の低いワインとなりました。
そのため、発酵期間中に果実の持つ香りを十分に引き出すことが重要であると考え、酵母VL-1を使用し、発酵の初期段階では早めの増殖を促進するが、安定期にはできるだけ低温(14℃~13℃ )にして、栄養源管理を行い還元臭の発生に注意しながら、ゆっくりと発酵させることで果実の香りを引き出し、酸味と甘味のバランスの取れた時点で発酵を停止させることを2020年の目標としました。
結果的には通年、発酵スタート時の糖度は20°で約9日間の発酵期間ですが、今年はスタート時の糖度が16°で通年と同様の9日間の発酵期間となり、アルコール分は7.5%となりました。
(データはワイナリーHPより抜粋)(写真は合同12社試飲会にて)

以下分析。

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1.前提

提供温度10℃程度。
抜栓は当日。

2.外観

グリーンがかった淡いイエロー。

3.香り

ブドウの香り、それも皮の厚めな濃縮した甘さのブドウを連想する香り。
フルーツ以外には土を連想させるワイルドさを感じる。

4.味わい

アタックはフルーティーでクリア。
透明感を連想するピュアな果実、穏やかな酸。

5.楽しみ方の提案

料理とのマリアージュ
提供温度8〜10°C
平目など淡白な白身魚の薄造りを塩とオリーブオイルで
提供温度それ以上
焼き鳥を塩で

6.雑談(感想)

個人的に日本ワインのデラウェアは好きです。
このワインはその中でも比較的クリアな味わいでした。
ワイナリーの情報によるとかなり天候不良に悩まされたヴィンテージだったということでしたが醸造技術でうまくカバーして個人的には好きな味わいでした。
日常の宅飲みも可能な味わいと価格だと思います。

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山田正道

シェフ、ソムリエ、SAKE Diploma、出張料理人として活動。
現在は主に西麻布の紹介制のBARとオンラインワインショップを運営しています。
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