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2021年大相撲三月場所寺沢さんまとめ

【勝手にまとめられてしまっている人について】

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寺沢 樹(てらさわ いつき)本名同じ
西幕下18枚目(2020年三月場所)

1995年(H7)6月22日生まれ
新潟県佐渡市出身
金沢市立工業高校→東洋大学(若隆景関の1コ下)
高砂部屋(大関朝乃山関の付け人として鳴らす?)
身長183cm 体重126kg
自己最高位 西幕下4枚目
初土俵 H30(2018)春場所
得意 突き押し(と書かれている)
一度だけ十両との一番で大銀杏を結って出てきたことがある

【ここまでのあらすじ】

きっかけは、昨年9月の幕下優勝だったか(決まった日は仕事してたが、インタビューでたいへん盛り上がっていらっしゃった)、11月千秋楽の大銀杏だったか、1月の北の若様との取り直しだったか、その後続いた大関の「天使の羽」代理だったか。気がつけばすっかりてらさわーるどに吸い込まれていた。最近は、羊を数える代わりに、いつかつくであろう四股名を妄想しながら眠っている。四股名のどこかにトキが入ったらいいなと思っている。ウサギって、トって読むよなあとか。

今場所は、幕下優勝から2場所上位での負け越しを経ての西幕下18枚目。この位置ではなんとか…と願いながら迎えた。

いつか現地で見たいと思いつつ叶わず数場所を経たわたくし、ようやく、今場所、7-8日目を観ることにしていた。

1(2日目=3/15)●海乃島(0-1)

たぶん初日が日曜で、なにかをはじめてもなんとかなると思ったからなのか、初日相撲を取るひとを見てそんな気持ちになったのか、一番ごとに、その前に1枚ずつ願掛けみたいにして絵を描こうという無謀な取り組みを、1番相撲の前に急に思い立った。ATC(2.5×3.5インチ。てのりサイズ)7枚ならなんとかなるだろうと思ったかといえば否定はしない。

わたしは相撲をしばらく見ていなかったので、幕下の方々もあまりよくわからなかった。殊に、今場所当たる方々はそうだった。

この東西18枚目対決はスピードスターカモーンな感じだったが、その出足とスピードと技とすっかり相手が圧倒していった感じに見えた。この一番でまんまと海乃島カッケーとなったわたくしは、その後もいろいろ気にかけてみた。海乃島さんは場所中にお誕生日も迎え、そして7番相撲で勝ち越した(この相撲カッケーかったなあ。ずぶねり!)。ということは、また東西お揃いか?

2(4日目=3/17)●つる林(0-2)

※つる林のつるは雨かんむりに鶴(機種依存文字)

現在高砂部屋勢は幕下に7名いる。取組は「そのときの相星」「部屋が違う」で組まれるというのはだいたい把握しているはずだったが、特定の一人が同じ部屋のひととばかり当たるということには思いを致していなかった。今場所は「つる林三部作」と「北青鵬三部作」が誕生した。全般的に押し込まれて土俵際に行ってまわりこんだが及ばず、だった記憶がある。リアルタイムでは会議中だった。

先場所から黒いのが7つ並んでしまったではないか…縦線が3本顔に書かれた。ちょうど場所前くらいに、シゴトバでホワイトデーにいただいたものの中に、ロイズの平たく丸いチョコレートがあって「あ、ここで必要なのは白いやつだ」と思い至った。白いやつしか要らぬ。寺沢しか勝たん(用法これでええのか)。

あ、そうだ。この頃に「取材を受ける大関朝乃山を見守る付け人」という、協会恒例のついーとがあったのだが、そこにその姿がないことにいろいろ物思うところはあったということを付記しておく。

3(6日目=3/19)○若隆元(1-2)

いよいよ、国技館に向けて空を飛ぶ日がやってきた。3番相撲が空を飛ぶ日のほうにあたったのは幸いであった。荷物をこしらえているのか絵を描いているのかよくわからん状況で、ちょと頭を小さめに描いて気分転換を図る3番相撲前日であった(しかしええ体つきになってきたなあ)。

昼過ぎに新千歳空港に向かい、白くて丸いものを調達してから、預ける荷物を整理するべく(靴も冬靴から履き替えた)椅子に座り、荷物の封をしてからスマホを開くと、ちょうど鮮やかな変化からの勝利の瞬間を見た。今場所初めてだったしそんなこんなで久しぶりの勝利だった。内容はさておき(定型文)、弾けそうになりながら荷物を預けに行った。

前述の通り、どっちかの1日で4番相撲を見られるだろうという魂胆で、7-8日目を見るという選択をしていた。宿は両国国技館の向かいに取った。羽田に降り立ち、京急から直通の都営浅草線で浅草橋乗り換え…と思っていたら、気がついたら蔵前だった。浅草線の路線図がわからないなりに、浅草に着いた時点でやっちまったと思った。本所吾妻橋で降りて、天気はよかったので(暗かったけど)そこからゆっくり歩いて両国を目指しながら、道中のセブンイレブンでチケットを発券した。このセブン、暗くてわからなかったが、高砂部屋の最寄りらしい。いつか稽古を見たい。

いろいろ不安はあったが、無事に両国に着いて投宿。

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お、明日ですか……この日は普通に見られたAbemaで見逃し配信を確認して寝た。

4(7日目=3/20)○吉井(2-2)

※よしいのよしは下が長い土に口のよし

朝起きて、国技館ビューの宿の一室で1枚。昨日、Abemaで見た、取組終わって控えに残る(その前に横切って奥の控えに座るひとを待ちながら)折に、ふと「ふぅー」とほっと一息つくところを描いた。

こんなロケーションだ。机がちっちゃい。

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入場前に両国を散策した。ほんとうに久しぶりの安美でちゃんこのランチをいただいたら、ちょうど相撲甚句の「島づくし」が流れていて、露骨に気持ちが盛り上がった。

ドキドキしながら国技館へ。7日目の席は西の椅子S(初)。二階からかぶりつき。こんなビュー。もちろん初めて撮るしゃしん。いつものPENTAX KPと70-200mmF2.8。300mmがほしいかなと思いつつ、実際には200すら遣っていない(180くらいが多い)ので、自分のスタイルがよくわからない。

時栄さんが見てるー(違)顔が見えるほうが吉井さん17歳。

寺沢さんの後ろ姿ええんよなあ。特に首から腰にかけて。

わたしの席からは決定的な瞬間は背中から感じるばかりだったが、見ていて気持ちよくなる相撲だった。十両土俵入りの2番前だったので、勝って控えに残って次の一番が終わったら颯爽と去っていった。ちょうど東方の朝興貴さんと同時に去っていった。

8日目結びまで見て帰路へ。大関の結果については触れない。今でも触れない。この日は北の富士さんが「霧馬山」を「霧ヶ峰」と言ってお祭りだったらしいが()。そして、7日目から、突然Abemaの見逃しが有料会員限定コンテンツになった。この日はAbemaを見ずに、しゃしんを眺めて寝た。

ええ、はい、帰路についてから割を見て青くなりましたわ。青くなったので、機内でしゃしんを見ながら線画を描いた。

5(9日目=3/22)●濱豊(2-3)

この日のことはあまりにも眠くてよく覚えていないのだが、なんだか時間が無い割にじゅわっといい感じに色が置かさった(北海道弁)。もしかすると今場所の7枚のうちでいちばんすきかもしれない。

仕方がないのでAbemaのプレミアムを申し込んで(まだ無料期間)見逃し配信を見た。前に出たが、いなされた。あとがない3敗目(3場所連続この時点での2-3)。

この日の対戦相手の濱豊さんは、先場所6勝でジャンプアップしたひとだが、同じ部屋に弟(濱ノ海さん)がいて、同じ日に同じ高砂部屋の朝阪神さんと対戦していた。この同部屋兄弟対決(?)は6日目の大波兄弟以来で、やっぱりお兄さんと対戦するのは寺沢さんの役回りだったのである。

6(12日目=3/25)○塚原(3-3)

3敗ってドキドキするよなあ。ふと頭に浮かんだひとことをツイートに載せてしまった。繰り返します。

あとがないならつくるしかない

その作り方がどうであるか。どんな引き出し方をするのであるか。連敗を止めた3番相撲のようなアレなのだろうか。いや、どうだろう。

対戦相手の塚原さんは割とよく見たことあるひと。合同稽古の動画で塩持って立っていたのが第一印象(そこ?)。そしてこの日の行司は木村勘九郎さん。存分にその味わいを堪能した。

それこそ先場所の北の若さんとの中日を彷彿とさせる、もつれた展開になった。立ち合いから攻めて行って引いた塚原さんに乗じて飛び込んでいくようになったが、体がぴょんと飛んで右足か右手かみたいな微妙な状況に。軍配は塚原さんへ。物言い。作戦タイム(ではないんだろうけど…。この日は初めて東方から登場していて、前の一番で北青鵬さんを攻めたけど捕まってしまって(今場所高砂部屋の北青鵬3部作のラスト)惜しくも負け残りの朝興貴さんと、物言い協議の間、なにやら語らうシーンがあった。その前に花道の通路から何やら微笑ましいというか不思議だというかそういうシーンが見られたがそれは措く)。

そして同体取り直し。取り直しの一番は、さっと右に変わって、そこから押し込んだ。NHK実況の吉田アナが「曲者」と表現したのが耳に残った。小走りで花道をあとにしていった背中がやけにはずんで見えた。

……というのを反芻できたのは、家に帰ったあとで、リアルタイムでは「取り直しで勝った!!!!」だけ把握したわけではあるが(もうこのあたりになると、どっちも勝ってという無茶を繰り返しいいたくなる一番が続いているのだが)。どんなふうにこの先を切り拓いていくのだろうか。3-3まで持っていったのだから、もうひとつ積み上げるところを見たい。

で、え、7番相撲は13日目から千秋楽までの間に組まれるわけだが、え、13日目?なの?金曜日に終わるの?急にやってきた7番相撲に、それなりに動揺した。

7(13日目=3/26)○豊翔(4-3)☆勝ち越し

3勝3敗で勝ち越しを賭ける一番にはコレ、という構想はあったが、それをさっさと形にする必要性が生じた。思えば非常に無茶なことを始めたものだ。だけど、ここで実れば、それは観る者冥利に尽きるわけである。マスキングインクを目からビューっと引っ張って寝て、起きてから光を射した。地上波のNHKダイジェストを見た前だったかあとだったか忘れた。

対戦相手の豊翔さんは奄美出身。奄美に始まり奄美で終わる佐渡の人。

とりあえずリアルタイムでは仕事にならないだろうと思ったので、なんとか見られる方向性を模索した。模索したんだがWi-Fiがなくて、結局Abemaにたどり着いたときには勝ったあとでぴょんと飛んでいたところだった。でもよかった。

あとでBSの録画(12,13日目だけある)を紐解くと、張り差しに行っていたんだなと。それは実らなくて押し込まれたけど鋭い回転を見せて背中の目で相手を土俵際に出していたなあと。足の裏を意識したし、動きの鋭さを感じられたし。

思うところがないではないけれど、ああ面白い場所だったなあと(先場所に比べて)思った。少なくとも、何をしたかったんだいったい、というような、先場所の後半に見たような、悔いの残りそうなやつが、今場所は無かった。

勝ち越して終わったからというのはもちろんあるのだろう。寺沢さんってここまで、3回の各段優勝(序ノ口、三段目、幕下)を含めて、大勝ちと負け越ししかなくて、4勝3敗というのは未体験ゾーンだったのだというのを気がついてたけど、(言霊になるので)ことばにせずにいた。やたらほっとした。

予想番付の心得は無いが、おそらく来場所は射程圏内(幕下15枚目以内)に戻る。思い切って、元気で、存分に動き回る、その姿を追える来場所であってほしい。一発の望みをニヤニヤしながら心の奥に秘めながら、あの大物と対戦したらどんな相撲になるだろうとか妄想しながら、あと数週間、絵を描いたりしゃしんを整理したりしながら過ごそう。大関や番付ご近所の部屋の方々とどんな稽古をするのか、一度くらい感じる機会があるといいなあ、とどこかに期待してはみる。現地は怪しげだが、行ければやっぱり7-8日目がいいかな、とか。そんな感じ。

長文お騒がせしました。また来場所(ぇ)。

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