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岡潔ゆかりの地を巡る旅

 2024年は岡潔が私の探究の一つの鍵だと思っていた。

 結果としては想像を超えて岡潔と結びついてくる。まず、2月。数学とは無縁な私が参加したフェス。

数学とはどういうものかというと、自らの情緒を外に表現することによって作り出す学問芸術の一つであって、知性の文字板に、欧米人が数学と呼んでいる形式に表現するものである

春宵十話

 情緒という言葉は数学フェスでは使われていなかったように思う。けれど愛に満ちた教育というものを見せられた気がした。
ほどなくして私は、【にじのわママと子どもの育ちラボ 発達講座中級離乳食編】を受講。平日のオンライン+金沢の実習を休みを取得して受講。

私と親しい友人であれば、私が口腔機能についてどれだけ執着しているかを知っていると思う。そこに冷や水を浴びせたのが主催の作業療法士森田綾さん。私のこだわりの機能より情緒・情動が核となることを論理的に時に熱く伝え続けてくださった。

そのタイミングで、子どもへの優しいまなざしが際立つ水彩画作家のyukkoさんとも出会う。

 これらを引っ提げて6月に岡潔ゆかりの地を巡る。

6月の関西の旅は空海、岡潔、千利休を焦点に考えていた。直前になって千利休(堺)と岡潔(橋本)を移動日に組み込みのは無謀に思えてきたので、千利休は泣く泣く諦めることとする。
レンタカーを借りれば可能かとも考えたけど、岡潔巡りは車で近付けるような場所ではなかった。

最初に訪れたのは岡潔数学体験館。
4/6にオープンしたばかり。クラファンを知ったのは募集終了後で支援出来なかったことは残念。


和歌山在住の友人から、不便なとこにあるよとは聞いていた。電車とバスを乗り継ぎGoogleMapではよくわからなくて地元の方に尋ねる。
私は市の総合体育館を想像していたが、小学校の一部を間借りしているというだけのものだった。

でも、これがぴったりなロケーションであることに気づく。駅から宿までタクシーで移動する際に運転手さんにこの体験館のことを聞いてみたが全然知らないと…。
偉大な数学者と数学のおもしろさを散りばめた遊びに小学生が触れられる場というのは素晴らしい。
私が毎日通って本を読んだり遊んでみたい


風貌とは異なり貴重面な文字。ノートを書く際にまず日付けが入っていると案内の方から聞いた。また扇子の裏側まで写真を撮っていいですよ!(展示物は触れられないのだけど案内の方が裏返しにしてくださる)


苦悩も伴ったであろう机が目に留まる。

遊びのコーナーには糸かけ曼荼羅があった。私も一度だけ体験したことがある。高野山にほど近い場所だしちょうど良さげ…


かなりの満足感を得て次の目的地へ向かう。さらにゆかりの地へ。
渡された地図とGoogleMap以外に頼るものはない。筋金入りの方向音痴としては野宿はイヤ!帰って来られるのか?と不安は大きい。
とりあえず逆方向を歩き始めて、山を上がるはずだからおかしいと気づく。案内の方が半時間ぐらいかかると教えてくれた。思わず聞き返す。
半時間…って30分?6時間じゃないよね?岡潔ゆかりの地では単位が違うのかな?
GoogleMapで30分らしいことがわかった。
30分だけど人があまりいない山道。
熊が出たらなんの対策もない。地震は?1人トレッキングは未経験。
あきらめようかと何度か思った。傘はあるけど雨がいまにも降りそう。


岡潔はこの道を通学したのだろうか。

いろんなトラブルを想定しながら、どうにか目的地へ。
かなりの…かなりの達成感。お墓は長い草が生い茂り蛇が出るかもしれない。
いくつかの墓石をグルグル探すも、岡潔とナカさんは見つけられなかった。
そこには大きなこだわりはなかったから調べる力もなく下山を選ぶ。
(ネットに上がっていたから調べられそうだったけど)

【岡先生のお子さんの鯨岡すがねさんにうかがったことがありました。岡先生のお墓はどこにあるのでしょうとお尋ねしたとき、すがねさんは、遺骨を三つに分けて別々のところにおさめたという話をしてくれました。岡先生のお墓は三つあり、ひとつは紀見峠の墓地、もうひとつは五色椿で有名な白毫寺、それから喉仏のようなたいせつな部分は高野山の恵光院におさめたというのでした。】

以上、個人の方のブログより。すがねさんというのは、天才を育てた女房にも登場するご長女ですが脳外科と結婚されて鯨岡に…という親近感。高野山にも行くし、お参りはそれでできるのかな…と。


帰路はすっかり達成者気分で、さらに冒険家も加わる。
昔、冒険ものの物語を読んだことなどが浮かんでくる。
1人トレッキングも楽しいかも…

偉大な偉大な岡潔を巡る旅。
もっともっと変人になりたいとの思いを強くした。

 旅はまだ終わらない。この後すぐに所属する母親アップデートコミュニティの読書会で、この本を読み始める。

レイチェル・カーソンのセンス・オブ・ワンダー。
読書会にこの本を強く推したのが水彩画作家のyukkoさん。そして、訳は森田真生さん。森田さんと言えば、岡潔に魅せられて数学を学び紀見峠…私が歩いた道を通られた方。
兼ねてから好きで著書は愛読していた。

コミュニティでこの世界観を子育て真っ只中のママたちと読める日が来るとは…
アメリカの生物学者が1956年に書いた未完の名著の新訳。後半は森田さんが暮らす京都で2人のお子さんと自然に触れる様子が美しい日本語で描かれている。お子さんたちが感じるワンダーな世界。その寄り添う様にこれが育むということかなとハッとさせられる。

赤ちゃんをさまざまな角度から数年かけて学んできた。子育て経験も教育現場での経験もある。

情緒の中心が実在し、それが身体全体の中心になっているのではないか。その場所はこめかみの奥の方で、大脳皮質から離れた頭の真ん中にある。ここなら両方の神経系統が支配できると考えられる。情緒の中心だけでなく、人そのものの中心がまさしくここにあるといってよいだろう。そうなれば、情緒の中心が発育を支配するのではないか、とりわけ情緒を養う教育は何より大事に考えねばならないのではないか、と思われる

春宵十話

作業療法士の森田さんは、扁桃体を潤すことを強調。yukkoさんの水彩画からは、離乳食に大切なその親子関係がたっぷり感じられた。
yukkoさんはセンス・オブ・ワンダーの世界観を大切にされている。
さらに母親アップデートコミュニティマインドフルネス部部長もっちーからもセロトニンが溢れるような生活…副交感神経有利な状態での子育てについて毎週、読書会を通じて聞いている。

バラバラにキャッチした情報。体験したこと、読んだことが旅によって繋がった。
この先にあるのが、これから私がやりたいと思っていること。
岡潔ゆかりの地を巡る旅はまだ、ゴールに辿り着いていない。

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