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ハーフケリー(ケリー基準・ケリーの公式 part2)

ケリーの公式に関する記事へのアクセスが良いです。あまり書いてあるウェブページが少ないからでしょうか。続きを書きます。

ケリーの法則の2倍を賭けると、どんな期待値でも、必ずマイナスになります。
以前の記事では、微分方程式と述べましたが、グラフを示せば、理解していただけると思います。

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このグラフは、最適資金量(オプティマルF)を頂点として、投下資金割合をずらしたときの収益額をプロットしたものです。

もし、実際に正の期待値を持つ手法を持っていれば、自分で描いてみてください。
当然、投下資金割合が0のとき、収益は0となり、それより投下資金量を増やしても減らしても同様に収益額は減っていきます。

このグラフのとおり、最適資金量(オプティマルF)は左右対称の放物線を描きますので、オプティマルFの2倍の額を賭けるとオプティマルFがどんな割合であっても、収益額は、マイナス圏に落ち込みます。

トレードは不確実

トレードとは、不確実なものです。

過去のトレードと今後のトレードでは異なる期待値になっているかもしれません。
全く想像もしない出来事が起きる可能性もあります。

そうなると当然、最適資金量も変化します。


最適資金量は、過去のデータが積み重なり続けることにより、常にフラクタルな状態にあり、次にエントリーするトレードの最適資金量を予見することはできても、私達には正確に当てることはできません。不確実性ゲームにおける期待値とは神の領域のようなもので、どれほどコンピュータ技術が発達しても、私達人間の手に余るものでしょう。

上のグラフのとおり最適資金量の2倍を超えた資金量で賭けた場合、その取引からは収益を生まなくなります。

そこで、「ケリーの公式で導かれた最適資金量の半分を賭ける」という考えが生まれました。

これを「ハーフケリー」といいます。

ハーフケリー

ハーフケリーは、株式投資以外の多くの不完全情報ゲームでも使われています。(ポーカーとか、競馬とか、FXとかですね。)

これならば、過去の実績値の半分程度のFでしかなくなったとしても正の期待値を確保できます。
ケリーサイズの半分をBETしたときの収益額は、上のグラフのx軸の0とFの中間地点を見返して貰えばわかりますが、おおよそケリーサイズの3/4となります。


このことは、「ハーフケリーによる投資は、リスクはケリーサイズの半分になるが、収益額はケリーサイズの3/4にとどまる。」ことを示唆しています。

これは安全性と資産増加率を飛躍的に拡大させるための極めて重要なコンセプトです。

でも、ハーフケリーよりも、もっと簡便な手法として、正の期待値を持つ取引を前提として、現物株取引においては、1回につき、総資産の10%しか賭けないというやり方もあります。


現物株取引において、オプティマルFが10%を下回ることはほとんどありませんから、この手法であれば、正の期待値を持つ取引が、ポジションサイズを理由に期待値がマイナスに転落することはめったにありません。

著名なトレーダーであるBNFですらテレビ出演時のインタビューで川沿いに佇みながら「夢は損しないことです。」と言っています。

大成功したトレーダーにとって、損失とはそれくらい日常のことであり、長期的に成功したトレーダーは例外なくマイナス方向のリスクについて、極めて保守的に考え、ポジションを構築しているものです。

様々なパラレルワールドが存在するかもしれない事象空間において、皆さんがそれぞれどのようなルートで今という現実に行き着いたかわかりませんが、ともすればエントロピーが増大しがちな株という不完全情報ゲームの中に生きるトレーダーという共通の職業についた我々にとって、ハーフケリーの概念はエントロピーの増大を極めて抑制し毎日に単調性をもたらす一つの大切な薬となってくれるはずです。

それでは 今日もハッピーな一日を dghjでした。

【おまけの格言】

トレードは、不確実なものなのだから、今すぐハーフケリーサイズによるトレードを実行しよう!
ーぼく

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