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ギャンブラーの誤謬の誤謬
今日はギャンブラーの誤謬(ごびゅう)の誤謬について話します。
コイン投げゲームで、連続して10回「表」が出た。だから、次こそ「ウラ」が出るだろうと考えるのは間違いです。
これは、「ギャンブラーの誤謬」といわれています。
コイン投げゲームで「ウラ」が出る事象は、毎回、それぞれ独立した事象です。
だから、11回目に「ウラ」が出る確率は、あくまで1/2に過ぎません。
もっとも、10回連続して「表」が出る確率は、2の10乗で、1/1024でもあります。
けれども、11回目に「表」が出る確率は、やはり1/2なのだと、数学では教わります。
株式投資にこの論理を持ち込み、株価の上下は常に1/2だから10日連続して上昇したとしても、翌日、上昇する確率はあくまで1/2だとか、どんな株でも、翌日上昇する確率はあくまで1/2という理論もありますが、株式投資は、コイントスや、サイコロを転がす教科書的なあそびとは異なります。
例えば、サイコロを転がすゲームにおいて、6が4回連続で発生したら、その確率は、1/6^4=1/1296です。
このとき、株式投資では、サイコロ自体が歪んでいる可能性を疑ってかかったほうがいいです。
特定の状況下において、過去30回中、25回がプラスの取引となり、1回あたりの期待値が+5%の事象があったとします。
このとき、次の取引がプラスで終わる確率は、プラスかマイナスかの2択でいうところの50%でないことは分かりますでしょ?
また、過去30回中、25回がマイナスの取引となり、1回辺りの損失率が-3%の事象があったとします。
このときも同じく、次の取引がプラスで終わる確率は、プラスかマイナスかの2択でいうところの50%にはならないですよね?
このような場面において、「次の取引がプラスとなるかマイナスとなるかについては50%だ。」という主張は、「プラス」と「マイナス」という言語的要素で判断しており、現実の事象からまったく離れた「言語」の議論になっていることに気づいて欲しいんです。
株式投資において、特定の状況下において、過去30回中、25回がプラスの取引となり、1回あたりの期待値が+5%の事象があったら、それは、「期待値が+5%取れる歪んだサイコロを転がしている」と考え、今後もその取引を継続すれば+5の期待値を得られ続けるのだと、むしろ積極的に取引するんです。
では、いかにして歪んだサイコロを見つけるか。
中にはサイコロを歪ませることを生業とする者もいるようですが、やっぱり、サイコロを触り、色々な角度からよく眺め、どこかに歪んだところがないかを丹念に調べ、無数のサイコロの中から歪んだサイコロを見つけることが株式投資の大原則です。
それでは 今日もハッピーな一日を dghjでした。
【おまけの格言】
科学の世界は、いうまでもなく、すみからすみまでが合理的なものであり、わずかでも神秘的なものや異常なものなど、はいりこむ余地はない。
-安部公房(作家)
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