見出し画像

SNSを運用する上でのターゲットは「最初の1人」を意識する

「マーケティングではターゲット設定が重要」なんてことは良く耳にすることでしょう。

ターゲット戦略は、いわば「買っていただく、情報を届けるお客様を決めること」で、SNS集客だけでなく、あらゆるビジネスの起点とも言えます。

しかし、実際のところ多くのマーケティング担当者が、ターゲット設定は意識しているものの、それを「絞り込む」ことができていません。「絞り込む」ということは、みずから市場を狭くする行為でもあるので、抵抗があるのも無理はありませんね。

しかし、あいまいなターゲティングでは誰にもメッセージが届きません。「絞り込む」ことへの抵抗感をグッとこらえて「お客様になり得る最初の1人」をイメージし、その人を絶対に満足させる流れとコンテンツをつくってみてください。

そもそもなぜターゲットを絞り込む必要があるのか

前述したとおり、ターゲットを絞り込むという行為は市場を狭くするととらえることもできます。
市場を狭くする=買い手を少なくするということなので、ターゲットを絞り込むことに抵抗があるのも無理はありません。

しかし、マーケティング活動においては、常にリソースの制限があります。
人材だったりお金みたいな経営資源のことですね。

極端に言うと、ターゲットをまったく絞らず全国民に売りたい場合、それに必要な予算はとんでもない金額になってしまいます。

それに、莫大な資金を投入して多くの顧客を獲得したとしても、今度は在庫やサービス提供の人員不足といった問題が発生します。

限りある資源を活用して最大限の利益を得るにはマーケティング活動を戦略的に行う必要があるわけで、戦略的というのは「やらないことを決めること」です。

ターゲットを絞り込むことで投資費用対効果が最大化される

どのような商材でも「この人は買ってくれそう」というコアなターゲットが必ずいます。

例えば高額の進学塾だったら、まず地域によるターゲティングがありますし、その中でも教育熱心で年収の高い世帯はサービスを利用してくれる可能性は高いです。

これをわざわざ全国放送のCMで流す必要は無いわけです。
強みを説明するときも「どんな子でも楽しく通えて成績アップします!」なんて言われるより「厳しいけど1年で偏差値を5上げて難関の〇〇高へ合格させます」みたいに言われたほうが刺さるわけですよね。

このようにターゲットを絞り込んでいくと、同額の広告費を使うとしても伝わり方がまったく異なります。

先ほど例にあげた教育熱心な世帯が1名か塾に通うようになれば、口コミによってさらに入塾希望者は増えます。

働く側である講師の目線でもメリットがあります。
「どのような生徒にも対応」とした場合、勉強が苦手な生徒にも得意な生徒にも同じ教え方をするわけにはいかないですよね。

それに対し、難関校の突破に特化した集客をすると、宿題の量を多くしたり、授業で取り扱う問題を難題に絞ることができるので効率よく準備をすることができ、指導方針にも一貫性が生まれます。

このようにしてターゲットを絞り込むことにより、金銭的なリソースだけでなく人的なリソースも最適化することができ、投資費用対効果が最大化されていくというわけです。

これはSNS運用の場においてはさらに顕著で、ユーザーの興味関心に最適化されるSNSにおいてはユーザーの絞り込みはエンゲージメント率の向上=インプレッションの向上につながる、というわけです。

自社の商品やサービスを購入する「最初の1人」がコアターゲットとなる

前項でお話したコアターゲットとは、自社の商品やサービスにドンピシャとなるニーズや悩みをもった1人のユーザーです。
「この商品・サービスをまっ先に買ってくれる人はこの人だ!」という人をイメージすると考えやすいでしょう。

先ほどと同様、高額の進学塾をイメージしてみます。

この塾に通ってくれそうなひとつのご家庭を、できるだけ鮮明に想像してみましょう。
例えば、以下のようなイメージではいかがでしょうか。

2022年9月10日

私は49歳の専業主婦。
息子が埼玉県の越谷市立中央中学校の2年生。
部活は吹奏楽部で学校の成績は評定4.7、模試の偏差値は60。

息子には就職に困らないよう大学まで進学してほしい。
大学の学費を考えるとお金の不安もあるから、自宅から自転車で通える越ヶ谷高校に通ってほしい。
評定は問題なさそうだけど模試の偏差値がぜんぜん足りてない・・・。

中1から塾には通っているおかげのこの成績を取ることができたんだろうけれど、息子は学校の成績はいいからといって少し気が緩んでいる気がする。

受験勉強も「部活が終わったら頑張る」とは言っているものの、吹奏楽部は引退が他の運動部と比べて遅いし、このままじゃいけない気がする。
もっと今のうちから受験を視野に入れた勉強を教えてくれる塾はないだろうか・・・。

どうでしょう。
お客様になり得るユーザーが少し具体的にイメージできたんじゃないでしょうか。

どうでしょう。
お客様になり得るユーザーが少し具体的にイメージできたんじゃないでしょうか。

このような悩みを持ったユーザーの場合、例えば「中学2年の9月から始める越ヶ谷高校・北越谷高校対策コース」みたいな受講コースが記載されたチラシがポストに入っていると、思わず問い合わせするんじゃないでしょうか。

このように、「この商品・サービスをまっ先に買ってくれる人はこの人だ!」という人をイメージすると、コアターゲットが考えやすくなります。

このコアターゲットが興味を持ち、共感してくれそうなコンテンツをSNSで投稿することで、コアターゲットがファンとなり商品・サービスの購入へとつながります。

コアターゲットと戦略ターゲット

コアターゲットは、自社の商品・サービスに対して共感してくれる可能性が高いユーザーなので取りこぼしなく獲得したい層です。

しかし、コアターゲットだけを獲得しても市場が狭いので、事業規模は拡大できません。
そこで狙いたいのが戦略ターゲットです。

戦略ターゲットとは、市場の最大値とコアターゲットの中間にいるユーザー層で、戦略的に「ここは狙わない」という層を削ぎ落としたターゲットになります。
また進学塾で考えてみましょう。

高校受験向けの進学塾の場合、市場となるのは商圏地域の中学校に通う生徒および保護者全員になります。
このうち、コアターゲットと同時に獲得することが難しいユーザー層をイメージしてみましょう。
例えば、以下のようなユーザー層が考えられます。

  • 学校の授業についていくのが精いっぱいな成績下位の生徒

  • 親御様が教育に関して熱心でない

  • 学校進度の学習から大幅に進度が遅れている不登校生

  • 高額な月謝を支払うのが難しい生所得世帯

このようなユーザー層を獲得するには、難関校志望生と教室を分ける必要があったり、月謝の値下げまで検討しなければいけない可能性もあります。

集団授業をベースに授業を設計しているにもかかわらず、個別指導のコースまで準備する必要がありそうですよね。
このようなユーザー層まですべて取り込もうとすると、あらゆるリソースが効率的に活用できないので、あえて狙う必要はないでしょう。

このように、市場全体から「ここは狙わない」という層を削ぎ落としたターゲットのことを「戦略ターゲット」といいます。

戦略ターゲットは、コアターゲットを強く惹きつける商品やサービスを展開すると、コアターゲットほどではないですがよく反応してくれることが多いです。
コアターゲットに次いで、投資費用対効果が高いターゲットとなるので、コアターゲット+戦略ターゲットの獲得によって事業拡大を狙うのがベターです。

まとめ

今回は、コアターゲットをイメージするために「最初の1人をイメージしよう」という話をさせていただきました。

市場を狭めるのは抵抗があるかと思いますが、いかなる場合においてもマーケティングにはリソースの制限がつきものです。
限られたリソースで最大の効果を得るためにも、最初の1人をイメージしたコアターゲットと、狙わないユーザー層を削ぎ落とした戦略ターゲットを中心に獲得するようにしてみてください。
きっと集客から商品・サービス提供に至るまで、変化がみられます。

それではここまで読んでいただきありがとうございました!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?