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テックタッチでのプロダクトマネージャー pre-MBA インターンまとめ

こんにちは、@sh_tatsuno と申します。元々データエンジニアを数年間経験していたのですが、思い切ってこの度、会社を辞めて夏からアメリカのMBAに行くことになりました。
今回は、渡米前に経験したインターンについての経験をシェアできればと思います。
※ ブログの中身についてはインターン先のテックタッチの広報にレビュー・許可取得済みで、問題がないことを確認しています

インターンを知ったきっかけ

元々、技術的な部分はいくらか理解があるものの、ソフトウェアエンジニアとは違う、サービスの方向性や戦略・設計を考えるような仕事はそこまで経験がありませんでした。以前から、スタートアップや起業などに興味はあったこともあり、一度どのようにプロダクトを作るのか・考えるのかというビジネスサイド(プロダクトマネジメント的な)の部分を体験してみたいと思っていました。そんな中、コロンビアビジネススクールのイベントでテックタッチCEOのnakaさんにお会いしました。

そこで、テックタッチのTLP(Techtouch Leaderhip Program)のお話を伺ったり、CTOのJunさんと話してみて面白そうだなと思い、プロダクトマネージャー(PdM)のロールとして、2ヶ月間インターンでお世話になることになりました。

テックタッチとは何か

簡単にプロダクトの概要を説明します。テックタッチは、企業がテクノロジーを使いこなし事業や働き方を変革するための、デジタルトランスフォーメーションプラットフォーム(DXP)です。

もうちょっと具体的に言うと、特定のSaaSやサービスに対して、ガイド機能や自動再生機能を提供し、ツールに慣れていないユーザーの教育や操作サポートを行っています。具体的に気になる方は、上記のホームページも参照してみてください。

インターンの概要・やったこと

自分は上述の通り、「今回のインターンでプロダクトマネジメントの部分やスタートアップの雰囲気を経験してみたかった」というのと、前職の経験でデータエンジニア系の職をやっていたこともあり、自分のスキルや志向性を加味した結果、データ解析機能やデータに関連した機能に関するプロダクトの設計や開発方針などの策定を役割として行いました。

会社方針としては、公開されている範囲で言うと、こちらの③解析に該当するチームです。

だいたいやったこととしては主に以下の4つです。

  1. システムのアクセス解析機能①の仕様策定 → 開発中

  2. GDPR対応機能の設計及び検証 → 開発中

  3. アクセス解析機能②の仕様策定調査 → 結果として先送り

  4. インターン外のイベントの参加

アクセス解析機能に関しては実装中だったり結果的に先送りしたものもあり、まだリリースしていないこともあるので、①・②というような少しぼかした書き方をしています。

解析機能①の仕様策定・主にユーザーの利用用途や戦略部分のフォロー

 まず、解析機能①についてです。この機能は元々二つの機能を別々に開発する想定でしたが、結果的に検討を進めていった結果一つの機能に統合することになりました。自分は下記のようなことを行いました。

  • 「そもそもこの機能をなぜ作るのか、顧客にとって何が嬉しいのか」の言語化

  • 競合調査やそれらとの比較

  • それらを踏まえて、テックタッチでどのような機能が必要か(結果としての機能統合の提案)

こちらに関しては、途中からチームのデザインスプリントを行い、詳細のカスタマージャーニーや仕様を詰めていこうということで、自分のたたき台も利用し、みんなで議論をしながらプロトタイプの設計などを行なっていきました。

GDPR対応機能の設計及び検証

テックタッチで、今後、個人情報保護に対応したCookie同意機能/サービスとの連携などの検討などを行なっており、そのためにEUの個人データ保護規則 GDPRGeneral Data Protection Regulation)に対応した機能を検討することになりました。

その中で、自分は機能の調査・仕様・検証から設計部分まで一貫して任せていただきました。

  1. 機能の目的整理

  2. 世の中のGDPR規制の調査

  3. 世の中の同意ソリューションの分類の実際の導入状況の調査

  4. 同意ソリューションの整理並びに実際のプロトタイプ作成と動作検証

  5. 実際のアルゴリズム・データフローの設計

機能の目的整理

GDPRに関連する機能に関して、なぜ今回気にするか、またそれがどのように今後のテックタッチの展望に繋がるかと言った点を改めて整理しました。

世の中のGDPR規制の調査

GDPRの原文や、それに対する日本の解釈なども参考にして、現在のGDPRで求められているものを整理し、どのような要件が必要なのか、どういった点を気にしているのかというところをまとめました。

世の中の同意ソリューションの分類の実際の導入状況の調査

世の中の同意ソリューションに関して、OSSやSaaS形式のものなどに関してのリストアップ・分類を行いました。また、どこがどのような粒度(GDPR対応か、他の法律に対応しているかなど)の同意の仕組みを採用しているかというのをサイトで調査しました。現実的にポチポチやるのは辛かったので、クローラーを作って調査をうまく効率化しました。

同意ソリューションの整理並びに実際のCookie同意ホームページの作成と動作検証

具体的に、今回一つのOSSを利用してCookie同意を搭載したダミーのホームページを作成しました。実際にGithub Pagesでホストしてみて、クッキー同意の機能の検証や、サブドメインをまたがって適切にCookieが保持されているかの部分などの検証を行い、実際のCookie一般の挙動やCookie同意機能に関する仕組みの理解と整理を行いました。

実際のアルゴリズム・データフローの設計

上記の検討をまとめて、最後に本案件で実際にどのようにテックタッチを改修するべきかというアルゴリズムの検討を行いました。実際にCookieをどのようにハンドリングして、どのように同意状況を確認するかといった部分をエンジニアの方とも相談しながら詰めていきました。

解析機能②の仕様策定調査

こちらに関しては、ユーザーから希望があったアクセス解析機能の一機能について検討を行いました。はじめ、競合の機能状況の整理を行い、実際に今回の機能と他の解析機能の棲み分けをマッピングしました。加えて、社内の営業などにもインタビューを複数実施し、実際にどのようなニーズをユーザーが抱えているのか、この機能はそうしたニーズに当てはまるのかといったところを確認しました。
最終的に、「ニーズは全くないわけではないが今のフェーズではない」という結論になり、今回の検討ですぐにこの機能を実装するということは先送りにするということになりました。一方で一部ユーザーから希望が出ていた要件に関しては、Quicksightを使ってSQLを書いて行動ログを加工して、要件を満たすようなデータ集計を行いました。

インターン外のイベントの参加

テックタッチはTLP(Techtouch Leaderhip Program)というプログラムを実施しており、実際に候補生にはさまざまな起業・リーダーシップ育成がされます。
今回はそのプログラムの一環として行われた、テックタッチCFO でMITのビジネススクール(Sloan)卒のdecchoさんによる、ビアゲーム(MITのビジネススクールで有名)の体験に行きました。工場の生産ラインに見立てたようなゲーム(詳細はネタバレなので伏せます)が、それを通してサプライチェーンの大事さや製造業などに関する難しさみたいなものの一端を感じることができました。

実際にできたこと・得られたもの

総合格闘技のような体験

自分は、前職から業務が広めではあったのですが、それでも今回はビジネス職として幅広く多くの経験をさせていただきました。

結局、クローラーやSQLも書いたし、サイトのモックも作ったしOSSも読み込んでアルゴリズム考えるというエンジニアっぽいワークから競合分析、世の中の機能や仕様の調査、また本当にこの機能を作るべきか・さらにどう提供するかどうかという選択に関しての議論、ユーザーインタビューまで振り返ってみるとかなり多くの幅広い業務を行うことができました。

学んだこと

また、プロダクトマネージャーとしての仕事というのを経験して分かることですが、やっぱり仕事は一人ではできないということを痛感しました。テックタッチの仕様やアルゴリズムについては、エンジニアのtakaさんに相談したり、全体方針をjunさんから伺ったり、keitaさんとはデザインに関する話を相談したり、andyさんやmakkyさん・Yoさんにはカスタマーサクセス観点での視点をお伺いすることができました。また、自分が詰まった時や勤務日には、プロダクトマネージャーのshuさんが先輩として、日々の相談や壁打ち、人と繋いでくれたり環境設定のサポートなど全方面を幅広く助けていただきました。もちろん、プロダクトマネージャーとしてやったことはあり、プロダクト全体をあらゆる手段で考える、というところも大きく学んだところですが、それ以上に助け合うsupportiveな文化やスタートアップとしての少し手探り感が残る中でもモチベーション高く前に進んでいくという姿勢がスタートアップを今後考える上で最も学べたことなのではないか、と思っています。

終わりに

短い期間でこうして多様な仕事をしつつも、noteにまとめられるくらいの学びを生むことができたのは、本当にこうしたみなさんのおかげでした。また、こんな内容を書いてますが、正直、ほとんどの取り組みが皆さんのフルフルサポートによるものだったりするので、毎日助けられてばかりでした。
pre-MBAインターン(MBAの前のインターン)というと、そこまでメジャーでないような気もするのですが、個人的にはとても勉強になりました。もしスタートアップに興味がある方は、一度インターンをしてみたいという旨を相談してみたらいかがでしょうか?(ダイレクトマーケティング)

とはいえ、自分もこれからアメリカなのでアメリカ生活楽しみつつ、日本との差みたいなのも見てきたいなと思っています。