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姿勢にあわせたデスクをつくる

2020年の振り返りとして、下半期にプライベートで最も熱を入れていた作業部屋作りについて書いてみます。

今回のデスクづくりの特徴は、デスク天板に窪み加工をしたことです。そんなこだわりを紹介しつつ、壁・床・棚・窓と賃貸でDIYできそうな部分はだいたいやってみたので、そちらも後半に書こうと思います。

これまでのデスク環境

2年前にもデスクをDIYしており、自作デスクは今回で2回目です。以前の作業環境はこんな感じでした。

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・120cm x 60cm の天板 (マルトクでオーダー)
FLEXISPOTの電動昇降脚
・椅子はスツール (Pirkka Chair)
・MacBook Proと外部ディスプレイ1枚の作業スタイル

コロナ禍以前は、8畳のワンルームに住み、オフィスやカフェで仕事する生活でした。家で作業するのは短時間だったので、「ワンルームに馴染むデスク環境」というのが当時の設計思想でした。デスクを小さめにしたり、ゴテゴテしたオフィスチェアを避けスツールを使ったりと気を使っていました。

ただ、2020年はオフィスも無くすことになり、いまや仕事の9割は在宅です。当初の設計思想からは外れ、家で長時間デスクに向き合うことが増えました。

それにあわせて、オフィスチェア、Webカメラ、マイク、スピーカー、2枚目のディスプレイ、とモノがどんどん増える。ケーブルの数も増え、当初はすっきりしていたデスクも、あっという間に狭く使いづらくなってしまいました…。

引越しをして納戸を手に入れた

その後、夏に少し広めの家 (賃貸) に引越したことで、「2畳の納戸」を手に入れました。間取り図上はDENと表記してある、窓付きの物置部屋です。この物置部屋を「理想の作業部屋にするぞ」と意気込んだことから、今回のDIYが始まります。

余談ですが、この引越しは予想外のトラブルがあり、一時的に家を失い、ホームレス・ワーケーションと称して日本を漂うことになりました😇

後傾姿勢用デスクをつくる

今回のテーマは、「姿勢にあわせたデスクをつくる」ことです。僕自身、平均身長よりも小柄なこともあり、市販のオフィスデスクとチェアの組み合せは身体のどこかに無理がかかり、腰痛や肩痛に悩まされてきました…。

そのため、デスクや椅子の高さ、ディスプレイの位置にはこだわりがあります。身長や座高によって、最適な高さは人それぞれ。自分の身体に合わせて、細かく位置調整するために、電動昇降デスクやディスプレイアームを愛用してきました。

働き方が変わる中で、オフィスチェアを買ったのは今年の大きな変化でした。奮発してハーマンミラーのエンボディチェアを買ったのですが、エンボディチェアは、背もたれに寄りかかって座ることを想定した、「後傾姿勢用の椅子」です。

こちらのブログが分かりやすいのですが、正しい後傾姿勢をとると、腕とキーボードの位置は次のどちらかになります。

1. 腕を椅子の肘掛けに起き、キーボードをデスクの手前に寄せる
2. 腕をデスクに起き、キーボードをデスクの奥に寄せる

どちらがいいのかは、自身の座高や肘掛けの形状にもよるかなと思うのですが、僕の場合は後者のスタイルがフィットします。ただ、「後傾姿勢かつ腕をデスクに置くスタイル」だと、どうしてもお腹が天板の縁に干渉してしまう問題がありました。

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旧天板では青部分が身体と干渉していた

そこで今回のDIYでは、「後傾姿勢時にお腹と天板が干渉する問題」の解決と、新しい部屋にぴったりサイズなデスクをつくることにしました。

ちなみに、この旧天板 (チーク材) も気に入っていたので、今回はリビングのローテーブルとして生まれ変わってもらうことにしました。こういう柔軟さもDIYの良さ。

天板の中央に「窪み」を入れたい

後傾姿勢用のデスクとしては、オカムラのクルーズ&アトラスハーマンミラーのエンベロップデスクがあります。いずれも天板の中央に窪みを入れることで、「後傾姿勢時にお腹と天板が干渉する問題」を解決しているようです。

DIYにおいて、天板に窪みをどう入れるか。自分でくり抜くか…?とも考えましたが、精度良くできる自信も無いし、できるだけ楽したい。

色々考えた末、いつもお世話になっているマルトクショップには「丸穴あけ加工」オプションがあることを思い出しました。このオプションは、木材の端部分に穴をあける「切り欠き」もオーダーできます。今回はこれを応用することにしました。

方針が決まったので、あとは寸法を決めて設計するだけ。1mm = 1pxとしてFigmaで雑に作図。窪みの大きさは、エンベロップデスクのサイズ感を参考にしました。

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後傾姿勢について語っておいてアレですが、青い部分は「あぐらゾーン」です。僕の場合、集中してコードを書いてると、あぐらをかいてしまう癖があります😅

今回デスクの脚に使うFLEXISPOTは電動昇降のため、バッテリー等が入る大きな柱が中央にあります。あぐら時に膝と柱が干渉するのも気になっていたため、その点も考慮するようにしました。

部屋の横幅にジャストフィットさせることを考えた結果、143cm x 85cmと少し変わった形になりました。参考までにマルトクにオーダーした内容はこんな感じです。

🛠サイズ
・厚さ: 25mm
・幅(奥行き): 850mm
・長さ: 1430mm
🛠面取
・面A: 上下R5
・面B: 糸面+磨き
・面C: ボーズ面
・面D: 糸面+磨き
🛠穴あけ加工
・丸穴
 ・x: 715 / y: 850 / 直径: 360mm / 円の両端を半径25mmでコーナー加工
・四角穴1
 ・x1: 62 / x2: 242 / y1: 0 / y2: 12
・四角穴2
 ・x1: 605 / x2: 825 / y1: 0 / y2: 12
🛠塗装
・自然塗料クリアー / 裏面捨て塗り

2代目DIYデスク

今回の天板は、節有りのナラ無垢材を選びました。節有りは無垢材のなかでは比較的安価なことと、奥行きを広くとったので、なるべく硬い材質のものを選びました。板の反りは特に不安だったので、厚さは2.5cmに、反り止めもオーダー。

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ただ、ナラは予想外の硬さ&重さでした…。 本当は天板と脚を、鬼目ナットでネジ止めしたかったものの、硬くて鬼目ナットが入らず…やむなく直接ネジ止め。

今回の肝である「窪み」は、意図通りの仕上がり。単に切り欠きするだけでなく、身体に接する部分にはボーズ面に、窪みの両端はコーナーR加工をオーダーしました。

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ボーズ面は、側面をカマボコ型に丸みをつける加工です。合わせて「窪み」の角にも丸みをつけることで、肌触りが良くなりました。

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塗装はクリア塗装でオーダーしたのですが、触ったときのザラつきが若干気になったので、蜜蝋ワックスで仕上げ。塗るのはお手軽で、質感も目に見えて良くなりました。

あとはディスプレイを設置しつつ完成!ナラ (オーク)は、何にでも合うナチュラルな印象ですが、節が入ると味があって好みです。

奥行きは80cm超にして正解でした。モニターアームを使っているので、横幅以上に奥行きがあることが使い勝手の向上につながっている気がします。視線の移動距離を少なくするため、サブディスプレイは縦置きが好みです。

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配線については、宇野さんの事例を参考に、スリット (四角穴) を開けています。

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これ以上の配線上の工夫は今はしていません。元も子もないですが、MacBook ProをiMacに買い替え、ケーブルの元を断つ方針にしました。M1 iMacが出たら売って買い換えればいいやの気持ちです。これでWebカメラ・マイク・スピーカーが省略でき、すっきり。

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電源タップはエレコムの10口電源タップを、定番の両面テープで天板裏に固定しただけ。配線トレーも検討しましたが、今のところは機材も少ないので、極力シンプルに済ませました。

🛠 その他の賃貸DIY 🛠

はがせる壁紙

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壁紙はRILMのシールタイプにしました。今回の部屋は天井に傾斜があったりと曲者で、シワにならないように貼るのが一連のDIYで一番たいへんでした…。 直線であれば簡単なはず…。

ちなみに棚は、無印の石膏ボードの壁に付けられるタイプの棚です。壁紙のシワ隠しでもあります😇

壁付けの本棚

作業時に本棚を背にすると便利だなと思い、デスクと合わせてDIYしました。

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部屋の凹みに合うように設計。ツラを合わせることの気持ちよさを知る。

家にあったツーバイフォー材をラブリコで固定し、マルトクでオーダーしたアカシアの集成材を棚板にしました。アカシア集成材はリーズナブルで、意外と周りと馴染むので気に入ってます。こちらも蜜蝋ワックスで仕上げました。

クリスマスにAtmoph Windowが届いたので、最近はアイスランドの流氷を眺めています。

ブラインド

作業部屋には光の入り方が調節できるブラインドのほうがいいな、と思ってたので試してみることに。

ただ今回の部屋は、建築基準上は居室では無いため、窓が小さく、既製品は使えそうにありませんでした。かつ、今後引越したとしても使いまわしづらい部分なので、コスパ重視でニトリのオーダーブラインドにしました。

アルミブラインドはオフィス感が出そうで心配でしたが、木目調のモカ色はうまく馴染んでくれました。

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無垢材のフローリング

やってみて満足度が高かったのが無垢材のフローリングです。

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toolboxのはめ込み式のフローリングを使いました。丸ノコで切り、いい感じに並べ、蜜蝋ワックスで仕上げる…2畳の部屋ですら大変でしたが、素足での肌触りが最高になり大満足です。

こちらのnoteをまるっと参考にさせていただきました🙏

試行錯誤はつづく

という感じで、賃貸DIYを出来る限りやってみました。デスクづくりは2回目ということもあり、だいぶ勝手が分かってきた気がします。

最近になって、照明が気になってリボンライトを導入してみたり、ポッドキャストを始めたことで収録環境を整え始めたりと、まだまだ試行錯誤は続きそう…💭 

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