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6歳の女の子との約束

つい二週間前ぐらい

妹の友達一家が家に遊びにきてた。

俺は隣のリビングに突っ伏していた。

30分後『おーい』と甲高い声で呼びかけてくる女の子が居た。友達一家の次女だった。

『何をしてるの?』と尋ねてきた。

人見知りを悟れるのが恥ずかしいから突っ伏しているよ。とは答えず『寝ているよ』と返した。

その子は申し訳なさそうに奥の部屋に消えた。

その子は年齢の割にというと失礼だが、人懐っこいだけでなぬ、人や状況を見て会話の選択をするらしく、気配りができる子だと俺の母親が言っていた。

元保育士の母親が絶賛するので、俄然興味が湧いた。

納得しているとこちらに来て、今度は俺の手元の違和感に目を配らせ

『ネイルしてるの?』と尋ねた。

『そうだよ、男なのにキツイかな?』

『そんなことないよ、似合ってるよ。男の人でもしてる人いっぱいいるし』『手なんて誰も見てないから気にしない方がいいよ』

気配り力。俺が小1の時なんか仮面ライダーにどうなれるかしか考えていなかった。

心を開いた人見知りの俺は、学校の話や家族の話など、他愛もない会話を振ってみた。


がそんなことよりあの子はネイルが気になっている。

『ネイル屋さんになれば?わたしが大人になったら毎日通うよ』

「マジか、頑張るから来てね」

『シナモンのネイル作れるようになって!チップはどのサイズがいい?』

あの子は完全にネイリストの卵として、俺を捉えている。

しかもよりによってキャラデザインを作るタイプのポップなネイリスト。

軽く冗談で言っただけなのに会話する度に期待が大きく膨らんでいくのを体感した。

皆が帰ってから、布団に入り横になる。

『今から急にネイリスト目指すとなれば学校か?』

『学校って費用どのくらいかかるんだろう』

『男のネイリストって需要あるのか?』

『O型だけど大丈夫だろうか』

と気づいた時には自問自答を繰り返していた。

完全に圧倒された1日だった。まるでペップグアルディオラのポゼッションサッカーのようだった。

大人子供は決して関係なく、心の綺麗な人間は人を惹きつけ魅了する。そうなりたいと思えた。

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