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中国に戻ってまだ1ヶ月なのにさっそくコロナの洗礼を受けた…

思えば3年間、ひたすら逃げ続けていたのに…

そういえばコロナについて初めて中国でうわさを聞いたのが2019年12月ごろだったか。
武漢の方で発生したとは聞いていたが自分が住んでいる所はずいぶん遠くだったし
まぁすぐに収まるだろう…と勝手に思っていた。

しばらくして私が住んでいる街でも「上空からヘリで消毒薬を撒いているらしい」
なんていううわさも聞こえてきて、まだあの時の私はおかしくて笑っていた。
ところがついに自分が住んでいるコミュニティ(小区)の道向かいにあるコミュニティ
の入り口が突然閉鎖されなんとも不気味な雰囲気が漂い始めたのだった。
「ん?なんかヤバい感じ??」

結局2020年2月に一度日本へ帰ることにし、2週間もすればまた戻れるだろうと
何の根拠もなく予定を立て、何の片付けもせず、洗濯物も干したまま日本へ帰り
たった2週間の滞在予定がまさかの3年間に及んだのである。
今冷静に振り返ると何であんなにも楽観的だったのか自分に聞いてみたい。


上海駅で初めて防護服を着た人たちを見かけ事態の深刻さを少し悟った


それからの日本での滞在期間は徹底した感染対策で抵抗し続けていた。
仕事は全て在宅だったので人との接触はほぼなし。
田舎に住んでいたこともあり移動は全て自家用車、人も少なく感染リスクも低かったのが良かったのだと思う。

そして2023年4月ようやく準備が整い、念願かなって中国へ戻れることとなった。
中国では2022年12月の感染爆発以降、感染はおさまっているとはいえ、やはりリスクはある。もちろん渡航前にワクチンも打ってはいたが、感染することも想定してバファリンを持参して行った。

「もう自分たちは無敵だ!」…?
そんな雰囲気にのまれた結末

中国での生活が再開し、待ちに待ったこの時を迎えて私もちょっと浮き足立っていた。
街中ではマスクをする人しない人、半分ずつぐらいだが地下鉄やバスでもしない人はしない。
何となく「一度コロナに感染した自分達は無敵だ」という雰囲気も感じなくはない。
私もその雰囲気に根拠のない安心感を少し感じていた。(またもや根拠のない話)

そしてついに!やってきた。
ある日の夕方何となく喉がイガイガし始め、YouTubeで探した動画を見ながら
ツボ押しなんかを試して何とかイガイガを解消しようとしていた。
コロナにツボ押しで対抗。今思えば笑える話だ。

しかし事態は笑えない方向へ。その夜から喉の痛みがひどくなり朝も不快な痛みで目覚めた。「え?まさか?」と慌てて熱を測ると37.4度。
「あぁ、よかった。大したことない」
しかし念のため購入してあった抗原検査キットですぐに検査した。
「なんだ!陰性か〜。よかった、よかった。」

中国のオンラインモール「淘宝タオバオ」で25回分750円ほど


喉は痛いけど飲み込めるし、食欲もあるし、疲れてたんだな。
ちょっと寒気はするけど最近は気温差激しくて朝は冷えるからな。
ん?なんか身体が…熱い??

38.9度。あれ?
ネットで調べると症状が十分出てから検査しないと正確には測れない。とある。
結局バファリンで熱を下げ、翌日まで検査を待つことに。その日は悪寒→高熱→バファリン→汗びっしょり→悪寒→高熱…を繰り返した。
そして翌朝、もちろん陽性である。

中国流に倣って闘う

こうなったら闘うしかない。
友人が持って来てくれた中国の漢方薬が頼りだ。
この薬、実は初対面ではなかった。
何ヶ月も前、まさに中国で感染爆発が起きていた頃中国人学生が見せてくれたことがあった。
「先生、これを飲めば大丈夫です」
私は正直、え?漢方?と思ったのだったが、まさに今その漢方にすがるしかない状況なのだ。
漢方薬なので2種類飲んでも大丈夫だし、バファリンも併用できる。
(種類によっては飲み合わせの悪いものもあるので要注意)
というわけで症状を改善する(に違いない)漢方と、症状を緩和するバファリンとで三日間続いた高熱と闘った。

カプセルの強力な漢方(左)とお湯で溶いて飲む漢方(中央)、右はのど飴


このことが中国人の友人たちに知れるとみんな次々と心配してメッセージをくれるのだが、なにせ中国語である。返信ももちろん中国語。
熱にうなされながら必死に辞書を引き何とか答える。
とっても親切な1人の友人は、自分もさっき病院へ行ったきたばかりで咳止めの薬をもらったので今からうちへ持って行くという。
彼女の好意は本当にありがたいが彼女自身も病人で、しかも自分に処方された薬を私にくれようというのである。
これは止めなければ!と必死で中国語で説得し何とか納得してもらえた。
ありがたく受け止めつつ辞退する、という難易度の高い中国語をフラフラになりながら考える。たぶんとても不自然な言い方だっただろうが彼女には通じたようだ。

そんなやり取りの最後にみんなが決まって言うのはあの決めゼリフだ。
“你要多喝热水”
とにかく湯を飲め、という。
いや、コロナにお湯って…と思ったがやはりここは「郷に入れば郷に従え」で
熱いお湯をちびちびと飲んで過ごした。
後で気づいたが私のように喉の痛みや咳がひどい時は冷たいもの厳禁、温かいものを飲むと良いという。言うこと聞いておいてよかった!

1週間ほどはベッドを離れられずなかなかじれったい日々ではあったが
日に日に回復してついに明日から仕事も再開だ。

と思ったらつい先ほど例の親切な友人からやはりあの咳止めの薬が届いた。
「ちょっと苦いけど、効くから」

氯化铵棕色口服溶液(直訳:塩化アンモニウムの茶色い内服液)

……ちょっとじゃない、苦すぎるっ!しかもそれを激甘シロップでごまかそうとして
めまいがするような味だ。

でも彼女の親切には本当に感謝しかない。とにかく早く元気にならなければ!

元気にさえなれば…私も当分は無敵なんじゃないだろうか。



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