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ミャンマー人はなぜ、一枚岩になって軍に対抗できるのか

ganasサポーターズクラブはきのう、ganasの記者による「タイ側のミャンマー活動家取材報告会」を内部イベントとして開きました。記者が2月に取材したタイ側の国境の町メーソットに逃れたミャンマー活動家たちが何を考え、何をしているのか、というのが内容。

報告会で取り上げたのは、ジャーナリストやNGOのスタッフら5人の活動家。詳細はここでは省きますが、全員がこぞって「あんな過去(軍政時代)に戻りたくない」と強い口調で繰り返したそうです。

その言葉の裏には何があるのか。記者の報告をもとにそれをganasサポーターズクラブ(ミャンマー関係者もおられますので)の中で考えてみました。

ちなみにシリアにしても、ベネズエラにしても、反政府運動でここまで一枚岩になっていません。海外へ出る難民の数を比べても、600万人前後(国内避難民を除く)を出している両国に対し、ミャンマーは4万6000人と極端に少ない(国内避難民を含めれば45万3000人)。ウクライナではすでに150人万人超が国外に逃れています。

また寄付にしても、ミャンマー人は自分の収入を大きく削ってまでも、国軍へ抗議するために職務をボイコットする運動(CDM)にかかわる人たち(公務員など)にお金を渡します。ganasが開催するチャリティプログラム「英語をしゃべってミャンマー人を救え!」にしても、1週間で完売した「失業したミャンマー女性が手編みした『寄付付きニット帽』」にしても、ミャンマー側のパートナーは収益の数割(数%ではなく)を寄付したいと言ってきます(実際に寄付しています)。

ここまで国民が一致団結して辛抱強く民主化運動を続ける例は他国にあるのでしょうか(ご存知の方はぜひ教えてください)。

ミャンマー国民が一致団結する理由の1つは、国軍の圧政が、われわれ日本人が想像する以上にひどかったということ。拷問など直接被害を受けた“政治犯”だけでなく、一般市民の間でも「軍嫌い」は根深い。

2つめの理由は、アウンサンスーチー氏率いる国民民主連盟(NLD)が政権をとった5年間(厳密に言えば、民政に移管したその前の5年間も)で、ミャンマー人の生活が劇的に良くなったこと。言い換えれば、“パンドラの箱”を開けてしまった(自由や豊かさの素晴らしさを国民が知ってしまった)ということ。

3つめは、国民が強く支持するNLD政権を国軍がクーデターでひっくり返したことで、ビルマ族と、ビルマ族とこれまで敵対してきた少数民族(ミャンマーは多民族国家。公式に認められる民族だけでも135ある)にとって「共通の敵」が生まれたこと。

こう突き詰めていくと、現在の構図はどこかしら、植民地時代に旧宗主国からの独立を目指す運動と似ていませんか。

ミャンマー国民の間ではひょっとすると、国軍の存在は、旧宗主国・英国からの単なる“権力のすげ替え”に過ぎなかったとの思いが強いのかもしれません。つまりミャンマーでいま起きている「春の革命」は、真の独立を意味する闘争。だからこそ彼らは一枚岩になれるのか、とも感じます。国軍からの“独立”を目指して――。

ganasはこれからも、モットーである「行動するメディア」として、ミャンマーの人たちとともに、ミャンマーの民主化を支援していきます。

それはそうと、ganasサポーターズクラブは定期的に、さまざまなテーマで内部イベントを開いています。

今月はこのほか、18日(金)の夜に「ザンビアでの子育て・学校」のお話、25日(金)の夜は「コスタリカのコーヒーを日本で売るビジネス」のお話を予定しています。アフリカで子育てできるか心配、途上国のモノを日本で売りたい、などと考える方にとって参考になりますよね!

この機会に皆さんも、途上国を盛り上げ途上国から学ぶコニュニティ「ganasサポーターズクラブ」に入ってみませんか。間違いなく、自分の世界は広がります。 
https://www.ganas.or.jp/gsc/ 

ganasサポーターズクラブにはまた、ganasが開講する各種プログラムを特別価格で受けられる特典もあります。現在募集中のプログラムはこちら。学びはお得に。

【早割3/18】おっ!と言われる途上国のエッセーを書いてみない? グローバルライター講座「初級コース」(第4期)の受講者募集
https://www.ganas.or.jp/news/20220217gwc/

【早割3/23】「書く力」で集客しよう! 本当に集客できる集客文の書き方ゼミ(第5期)の受講者募集
https://www.ganas.or.jp/news/20220217dm/

【早割4/15】グローバルライター講座(第20期)の受講者募集、「伝わる書き方」と「途上国」を同時に学ぶ!
https://www.ganas.or.jp/news/20220304gwc/

【〆切4/20】途上国を発信するganas記者になろう!『77日記者研修』(第17期)の参加者募集
https://www.ganas.or.jp/news/20220305wt17/


これ以外にも今月末か4月の初めに、5月8日にスタートする「レッスン料でベネズエラ人を救う!『命のスペイン語レッスン』」(第8期)の募集を始める予定です。
https://www.ganas.or.jp/news/20211006espanol/ (4月末に終わる第7期のお知らせ)