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おすすめAudible英語本:The Silent Patient(サイコセラピスト)

Amazon Audibleは英語学習に有効です。海外渡航がままならない昨今、Lilyは、「ここは海外!」と錯覚するほどに、英語版オーディブルで英語シャワーを浴びています。

今回のおすすめは、ぞわ~っとするサイコスリラー「The Silent Patient」です。直訳すると「沈黙する患者」ですね。怖さが原動力となって、英語でも不思議なほどぐいぐい読み進められる作品です。

夫を殺害して以来、かたくなに口を閉ざし一言も話さないの画家アリシアと、彼女の口を開かせ、真実を聞き出そうとする心理療法士テオの、静かでありながら壮絶な攻防を描くミステリーです。精神病施設を舞台に、少し不気味な雰囲気のドラマが展開します。敵意をあらわにする同僚や、一癖も二癖もある患者たち。アリシアの身辺にも怪しげな人物がわんさか…。

彼女は狂っていたのか、正気だったのか?
そして、なぜ夫を殺さなければならなかったのか?

事件の意外な真相が明らかになったとき、思わず「え~~~っ!?」って声を上げてしまった作品です。

作品データ

原題:The Silent Patient
邦題:サイコセラピスト
著者:Alex Michaelides
書籍出版年:2019
ジャンル:サイコスリラー/ミステリー
ナレーター:Jack Hawkins , Louise Brealey
再生時間: 8 時間 43 分
発音:イギリス英語
英語難易度:★★★★☆
単語レベル:★★★★☆
卑語/暴力/性/薬物:★★★★☆
その他:
精神医学用語がやや多めですが、すべてを正確に知らなくてもストーリーの理解にはさほど支障はありません。前後や周囲の描写でなんとなく意味や状況がわかります。

★の数は、あくまでもLilyの主観です。ご了承の上、ご参照下さい。

おすすめポイント

心理療法士テオの目線と、画家アリシアの日記という体裁で、2つの視点で語られる物語です。Audibleのナレーションは、テオ役とアリシア役の男女2名で進みます。よって、朗読でも頭の切り替えがしやすいです。

イギリスのお話なので、当然2人ともイギリス英語の語りです。私は特にアリシア役の方の声が聴きやすかったです。

余談ですが、私はTOEICなどを受験した経験から、自分はイギリス英語やオーストラリア英語が苦手だということを痛感しているので、この作品は、そういう意味でもいいリスニング教材になりました。

イギリス発音も相まってか、独特の空気感が恐怖心を駆り立てます。また、登場人物の描写も明確で、人物像を頭の中でイメージしやすいです。著者は本職が映画の脚本家ですので、そういった映像的な想像力を駆り立てる描写がお得意なのでしょう。

前半はやや単調なイメージが否めませんが、様々張り巡らされた伏線が後半に生きてきて、一気に読ませます。

あらすじ

画家のアリシアは、ある夜アトリエで、写真家である夫を銃で殺害し、現場で逮捕される。彼女は、以降かたくなに口を閉ざしてしまい、事件の詳細や動機は闇の中。精神病院へと収監される。心理療法士のテオは、彼女の口を開らけられるのは、父親からの心理的虐待という同じ境遇を経験した自分しかいないと、志願して彼女の担当者となる。しかし、彼女の精神はどこか遠くにあるようで、テオのアプローチにも全く反応がない。彼女はどうすれば口を開くのか。

閲覧注意!ココからややネタバレ

(もうちょいストーリーに触れたい方は、恐る恐る読み進めてください)

さて、才能溢れる新進画家だった彼女は、なぜ仲睦まじく暮らしていた優しく理解ある夫を突然殺したのか。しかも、手足を縛り、至近距離から顔面を複数回銃撃するという残忍な手法で。

その心理の秘密を探るべく、彼女の周りの人物を調査するテオだったが、彼自身もまた、個人的に深い問題を抱えていた。妻の不倫に気付いたのだ。対峙すべきか、見て見ぬフリで許すべきか。どう対処してよいのかわからず、うろたえるテオ。

一方アリシアは、事件の前に一冊の日記帳をしたためていて、ある日、とうとうテオにその日記を手渡す。そこには、彼女の義兄や従兄弟、叔母、画廊主など、周囲の人間の不穏な言動と、彼女との間の知られざる関わりが記録されていた。またアリシアは、ある時点から何者かに見張られていることに気付いていた。それが一体誰なのか、目的は何なのかわからず、恐怖に怯えていたのだった。夫に打ち明けるも、幻覚を見ているのでは?と言って取り合ってくれない。徐々に自分でも、現実か幻覚かわからなくなってきたアリシアの不安定な精神状態が、その日記帳に滔々と綴られていたのだった。

さらにカウンセリングを進めていたある日、ついにその時はやってきた。アリシアが口を開いたのだ。彼女はテオに、事件当日の驚くべき詳細を語り始めた。しかし、そこから患者と療法士というアリシアとテオの関係が、意外な展開を見せるのだった。

(ここからがぜん面白くなります!が、本当にネタバレになるのでこの辺で・・・)

著者について

著者は、キプロス系英国人の脚本家アレックス・マイクリーディーズ(1977年生まれ)です。
(経歴を英語で読んで、Cypros=キプロス、Cypriot=キプロス人、という英単語を学習させていただきました)

なんとこれが小説としてはデビュー作ですが、2019年2月に発表されるやいなや、あっという間に100万部を超すベストセラーになったそうです。

この小説は、彼自身が心理療法を学び、療養施設で2年間働いた経験を素材として書かれたとのことです。

脚本を手がけた映画は、「The Devil You Know」など、私は知らない作品ばかりでしたが、もしこの小説が映画化されたら、当然ご自身で脚本を書かれるのでしょうね。

本はこちら

日本語版タイトルは「サイコセラピスト」

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