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映画で英語学習「ガタカ/Gattaca」自分らしく生きるとは?①

自分はほかの人と比べて劣っている人間なのか?

そんな切ない疑問を誰しもが持っているのではないでしょうか?

現代社会は、ダイバーシティ(Diversity=多様性)を広く認めるべきという考え方が広がり、みんな違ってみんないい、人間の優劣など測ることはできないとされていますが、本音の部分や、または無意識の部分はそうでもないのかもしれません。

自分から見て違っている人を排除するDiscriminationが過去だとすると、現代はDiversityの時代。では未来はどうなるのでしょうか?

今日ご紹介する映画は、近未来の世界が舞台。科学の発展により、思いもよらないDiscriminationが存在する世界になっていた。遺伝子の操作、それにより人間の優劣が判断される……という恐ろしいお話です。

もしも生まれつきあなたの優劣が判断されたとしたら、どうでしょう?出自がすべて。努力ではどうしようもない。そんな恐ろしいことが当たり前だったら?

今日は映画を通して、人の価値とは何かという、とても起きなテーマを考えたいと思います。

ガタカ

近未来の「人生」を描いたSF映画「ガタカ」をご紹介します。

SF映画は、昔から有名なものからマニアックなものまで色々とありますが、「ガタカ」は、当時NASAの科学者たちにより「これまでで最も正確に描かれたSF映画」に選出されたそうです。

「ガタカ」の舞台となる近未来は、遺伝子で人間のランク付けされる、つまり遺伝子による人種隔離が行われている社会です。そんな社会で、生まれつき下層階級にランク付けされた主人公が、何とかして上層階級に入り込もうと、文字通り血肉を削ってまでも「壮絶な努力」を重ねるサスペンス映画です。

一度しかない人生をどう生きるのか、それをどんな犠牲を払っても追求しようとする男と、優秀な血を持ちつつそれを生かすことのできない運命に押しつぶされる男の尊厳を描く、美しくも切ない映画です。

作品データ

原題:Gattaca(1997)
監督/脚本:Andrew Niccol
キャスト
ヴィンセント/ジェロム:Etahn Hawke
アイリーン:Uma Thurman
ジェロム/ユージーン:Jude Law

あらすじ

人間の価値が遺伝子の良し悪しで決定されている近未来。下層階級にランク付けされているヴィンセントは、清掃員として研究所で働いている。本来であれば宇宙飛行士になりたい、自分にはその素養があるはずだと野心を抱くヴィンセントは、自らに課せられた抗うことのできない理不尽な運命を変えようと、とある上層階級の男に成りすますという無謀な計画を密かに企てる。


心に残るセリフ

Vincent: [narrating] I belonged to a new underclass, no longer determined by social status or the color of your skin. No, we now have discrimination down to a science.
(IMDB)

ヴィンセント:下層に属してた。社会的地位や皮膚の色で決まるんじゃない。違う。今や科学で差別するんだ。

Vincent: Blood has no nationality.
(IMDB)

ヴィンセント:血には国籍はない

Vincent: [voiceover] For someone who was never meant for this world, I must confess I'm suddenly having a hard time leaving it. Of course, they say every atom in our bodies was once part of a star. Maybe I'm not leaving... maybe I'm going home. 
(IMDB)

ヴィンセント:この世界に、いてはいけないはずの自分なのに、白状すると、急にこの世界を去りがたいと感じる。もちろん、ぼくたちの体の原子は、かつて星屑だったんだ。だから去るのではないのかもしれない。故郷に帰るのかもしれない。

学習単語

belong=(動詞)属する
underclass=(名詞)下層
determine=(動詞)決定する
status=(名詞)地位
discrimination=(名詞)差別
science=(名詞)科学
blood=(名詞)血
nationality=(名詞)国籍
confess=(動詞)白状する
suddenly=(副詞)突然に
atom=(名詞)原子

鑑賞レベル

英語難易度★★★★☆
言語・暴力・性★★★★☆
おすすめ度★★★★★

おまけ

ジュード・ロウ演ずる上層階級の男ジェロームは、アイデンティティをヴィンセントに譲り、ユージーンと名を変えます。彼の名前ユージーン(Eugene)の語源は、ギリシャ語で「良い生まれ」という意味だそうです。その言葉から作られた英単語Eugenic=優生学は、遺伝によってより良い種族を作ってゆくという学問。この映画のテーマになっています。



英語を習得したい、上手くなりたいというのは多くの人の普遍的な希望ですよね。こうすればいいよと言葉で表現することのむつかしさをかみしめています。楽しくて自然に英語が身に付いていくような、そんなコンテンツの発信を目指しています。