『紋霊記』序章「私はナニモノなのだろう」
私が私として私を認識したのはいつのことだったのだろう。
無限にも思えるほどの過去にも思えるし、つい先ほどだったような気もする。はたまた未来の出来事を見ているだけなのかもしれない。胡蝶の夢だったか。蝶が見ている夢かもしれない。何処かで誰かが私を作り出しているだけなのかもしれない。ではそれを作り出している存在の意識とはなんだろうか。連鎖。結び。繋がり。元はなんだろうか。元の中には何があるのだろうか。
そもそも私という存在は何なのだろう。どんな存在なのだろう。この世界にとって私は何