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『世界に反応する演技』演技ワークショップ・テキスト公開。

2021年、新年おめでとうございます☆
昨年はこのnote版『でびノート☆彡』、なんと6万6000ビューを突破しました。「映画ドラマの演技のディテール」に関するこんなにマニアックなブログをこんなにたくさんの方々に読んでいただけるとは・・・励みになりました。今年も頑張りまーす。

さて『でびノート☆彡』新年第1弾は、先日12月の12&13日に開催した演技ワークショップ「世界に反応する演技」についてレポート、そしてそのWS前半1時間半分の座学パートで参加者に配布した「映画の演技法に関する門外不出のテキスト」を公開したいと思います。

今回のWSテーマは「世界に反応する演技」。


映画『ジョーカー』でホアキン・フェニックスが演じた、また『ミッドナイトスワン』で草彅剛や服部樹咲が演じた、あの「社会との軋轢のディテール」溢れる演技・・・。 映画がリアルな社会問題描写抜きに語れない時代である今、まさに時代の最前線の演技法だと言えるでしょう・・・この新しい演技法の技術を座学で解説して、さらに実際に体験してみようというワークショップでした。

さて当日、参加者の俳優さんたちに配ったテキストが以下になります。
<内容>
❶ 映画の演技の歴史1950〜2020
❷ 関係性の時代における台詞とは。
❸「相手に反応する」はなぜこんなにも難しいのか。
❹「世界に反応する演技」とはどんな仕組みの演技法なのか?
❺ 役の人と一体化するためのエクササイズ。
かなりの長文になります(笑)。
途中から有料になりますが、お年玉価格の150円です(笑)。WSどころか外出すらもはばかられるこの2021年のお正月に、お家でWS気分で楽しんでいただけると嬉しいです。では、はじまりはじまり。

ws世界に反応するとは

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演技WS『世界に反応する演技』 

2020/12/12+13 小林でび

2019年の映画『ジョーカー』でのホアキン・フェニックスの演技は衝撃的でした。 「主人公アーサーが少年のような心で世界に接しようとするのですが、その世界から拒絶されてショックを受ける」というシーンの連続なのですが、この時のホアキンの「世界に反応する演技」が観客の心に刺さりまくるんです。

この「世界に反応する演技」について説明する前に、そこに至るまでの映画の作劇法と演技法の関係の歴史について説明しましょう。

■■■映画の作劇法と演技法の関係の歴史■■■

❶〜1950年代
【ドラマ】善と悪、純情と非情のぶつかり合いによる作劇
【演技法】象徴的な演技(ヒロイン・悪役・ヒーロー)
❷60〜70年代
【ドラマ】感情と感情のぶつかり合いによる作劇
【演技法】迫真の感情の演技(メソード)
❸80〜90年代
【ドラマ】キャラとキャラのぶつかり合いによる作劇
【演技法】キャラクター演技

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