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寛子ちゃんが教えてくれた怒りの正義

「怒り」っていう感情が本当に苦手。
人からの怒りももちろんだけど、自分の中に怒りの感情が生まれることもイヤ。怒っている事自体がつらくなる。

小さい頃、厳しい母に怒られるのが本当に怖かった。
仲が悪かった両親の夫婦喧嘩の怒鳴り声が怖かった。
そして、どうしてあんなに怒るんだろうって不思議でもあった。

そして、いつからか自分の中の「怒り」を封印するようになったんだと思う。

子どもの頃、「怒り」の感情を表に出すことすら悪のように感じて、例えイヤなことをされても笑ってごまかす。
怒ってないふりをする。
もう、怒り方もわからなくなっていたかもしれない。
スーパーで駄々をこねる子を、よくそんなことできるなぁと思って見てた。
言い争うことなんてもちろんできないから、妹たちのケンカも冷静に見てた。

それと同時に、人のことも怒らせないように振る舞う癖もついた。
不穏な空気を察知し、なんとか笑わせようと冗談を言う、おちゃらける。
(まぁその癖のおかげで、後に私のいるグループや会社などの組織内ではもめ事を起こさないって謎のスキルはついたけども。)

小学校4年生のとき、クラスにスゴく強い女の子のリーダー格の子がいて、おとなしくて気の弱そうな転校生をいじめていた。案の定、私は怖くて助けてあげることもできなかったし、見て見ぬふり。
話しかけたりもしてあげられなかったな。
今思い出しても胸がギュッとなる。

ある日、そのいじめられてた子のお母さんが学校に乗り込んで来てリーダーの子に注意をした。
リーダーは後で「子どものケンカに親が出てくるなんて!」みたいなことを言いながらまだ息巻いていた。実際はケンカじゃないんだけどね。
取り巻きが「そうだよねぇ!」と学園もののドラマみたいなわかりやすい同意をする中で、クラスでひとり

「親が自分の子がいじめられてたら、怒るの当たり前じゃない?」

と毅然として言った子がいた。寛子ちゃんだ。
別に反論する風でもなく当たり前のことを言うように。
でも、みんなに聞こえる声で。
当時の私は本当にビックリしたんだよ。
リーダーに刃向かったようなことを口にする事にもだけど、それがド正論だったから。

ほんとそうだよね。寛子ちゃん、かっけー✨✨って。

寛子ちゃんは聡明でまじめだけど、でもおちゃらけたりもするおもしろい面もあって、髪がサラサラのロングで可愛くて女の子らしくて大好きだった。普段穏やかなのにきっぱりと言ったその姿にまぁ惚れ惚れしたよね。

とは言え、そのあとすぐ私が変わったわけではない。
そのあとだってずっと親の顔色をうかがっていたし、大人になってからも人を怒らせないように動き、大抵のことでは怒らない自分を確立していった。

でもね、私のどこか隅っこにあの時の寛子ちゃんはずっといて、悪いことを悪いと感じる心や、よくないことをする人に対する怒りはつぶさないようになった。

大事な人(私自身も含めて)を悲しませたり、裏切ったり理不尽な扱いをする人は許さないよ。
すぐに怒ったりはしないけど、なんでもかんでも許したりはしないよ。
でも溜めて溜めて爆発するタイプだから、厄介ではある。

そうして、私にはバツが2つついたのだった。(えっ?そこ?)

寛子ちゃん、どうしてるかな。
お父さんが転勤族で6年生になるときに引っ越していってしまってから、いつしか連絡取れなくなってしまった。元気にしてるといいな。

(特に最近何かあったとか、オチや教訓はありません。自己紹介の一環です。)


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