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記事一覧
【The Journey Home】38 最終回
ニューデリー空港からエアー・インディアでベルギーへ。ベルギーからヒッチハイクをしてオランダのアムステルダムへ。
時はまだヒッピームーヴメント真っ只中。酒、ドラッグ、フリーセックス・・・
ああ。西側に帰ってきたんだ。
アムステルダムからロンドンへ。そしてニューヨークへ。JFK空港から国内線でマイアミへ。
夏休みにヨーロッパ旅行に出かけた学生が、2年後苦行僧の姿で戻ってきた。そして家族と再会を
The Journey Home 37
シュリーラ・プラブパーダがヴリンダーヴァンを離れて4ヶ月が過ぎ、リチャード君のビザも切れることとなった。
ヴリンダーヴァンから列車でマトゥラーに行き乗り換え、ネパールのカトゥマンドゥへ。カトゥマンドゥのアメリカン・エキスプレスの事務所へ行くと、リチャード君に宛てて飛行機代にするよう父親から350ドルのマネーオーダーが届いていた。インド大使館でニューデリーからベルギー、乗り継ぎでアメリカに向かう飛
【The Journey Home】36
リチャード君、シュリーラ・プラブパーダの朝の講和に向かった。
『すべてのものは、潜在的にスピリチュアルです。
すべてのものは、主のエネルギーです。物質的な意識は、対象と神との関係を忘れるためにあります。精神的な意識は、すべてのものを神との関係において観察し、すべてのものを献身奉仕に利用するためにあります。
このマイクを例にとってみましょう。
マイクを世俗的な熱情の歌を歌うために使えば、物質
【The Journey Home】35
12月のある日の夕方、見たことある姿が目に入った。
アムステルダムとボンベイで出会った、シャーマスンダラだ。彼は背の高いアメリカ人で、シュリーラ・プラブパーダの個人秘書だ。
彼はリチャード君に気がついて、
『あー、リチャード! いや今はなんて呼ばれてるんだい?』
クリシュナ・ダースと呼ぶ人もいます。
『シュリーラ・プラブパーダが君のことを気にしていて、どうしてるんだと聞いてくるよ。』
【The Journey Home】34
リチャード君は、基本的な哲学論争に悩んでいた。神は究極的に人格があるのか無いのか。
非人格主義者は、本来神に人格はなく姿もないが、全ての存在のために一時的に物質的な姿に化身(アバターラ)していると説く。解脱すれば魂は一時的な個性をなくし、全てに遍満する精神体、神に溶け込む。
一方、神は至高人格神であり、神の精神体は永遠であり、知性と慈愛に満ちていると説くヨーギーもいる。解脱すれば神の王国に行き
君も魂、僕も魂、みんなハッピー 100-007
【100日チャレンジ】007
『バガヴァッド・ギーター』を勉強してます。
ギーターは、仕事の結果を神(クリシュナ)に捧げなさいと言います。
社会奉仕とかボランティアとかをしろということではありません(してもいいけど)。
第一。自分が身体でなく魂だと気付くこと。
自分の幸せを考える。自分が必要としていることは自分に与えなければなりません。人はいきなり聖者にはなれませんし、普通の人にとっては
男はつらいよ、好き 100-006
【100日チャレンジ】006
相変わらず、フーテンの寅さん見てます。49回を2回目。
最初の頃はただの暴れん坊で馬鹿でヤクザな感じだったんだけど、真ん中くらいからセイント(聖者)の様相をおびてきて、
とにかく優しい
相手がどう見られるかを考える
相手に惚れるけどリスペクトがある
愛だね〜
後半以降は、寅さんが勝手に岡ぼれして振られるんじゃなく
女性が勝手に惚れて、とにかく頼ったり甘
【The Journey Home】33
その日の夜、リチャード君はシュリーラ・プラブパーダの講演を聴きに寺院へ戻った。
集会が聖歌を歌っている間、ホールの窓の外から鳥たちのコーラスが聞こえる。
シュリーラ・プラブパーダが現れると、静寂が訪れた。
合掌して聴衆に頭を下げ、咳払いをしてマイクに向かって話し始めた。
『生きるための原理原則として、私たちは誰かを愛する一般的傾向があります。人は誰かを愛することなしに生きることはできません
占い師冥利 100-004
【100日チャレンジ】004
チームAIZENというFacebookの非公開グループで、毎日曜日に3択タロット占いをしています。
コメントくれた人に個別にアドバイスもしています。
もう、1年超えましたでしょうか。
だいたい、常連さんのクセとか希望とかわかってきた気がします。
面白い現象があります。
基本、元気付けたいって思ってるんだけど、どうしても暗いやつが出ることがあります。
その
【The Journey Home】32
ある日の朝、リチャード君が細い道を歩いていると、牛が気怠げに寝そべっていた。
牛から顔を上げると、西洋人の僧が腕を振って、リチャード、リチャードと呼んでいる。9ヶ月前、ボンベイのハレークリシュナ祭りで出会った、シュリーラ・プラブパーダの弟子の一人だ。
『君はプラブパーダがヴリンダーヴァンに住んでいたことを知ってるかい?世界中に献身奉仕の文化を広めたので、彼が帰ってくるんだ。プラブパーダは君と会
【100日チャレンジ】001
今日9月9日は重陽の節句。陽が重なる吉兆の日だそうな。まがたまの6、9を思い出して。
たったいま、あなたの志(こころざし)は何ですかと聞かれた。
『夢』は個人的な願望、欲望だそうで。
『志』は社会的な貢献、目標だそうで。
そうだなぁ。
最近ふっと湧いてきたアイデアがありんす。
『百万人を笑顔にすること』
百万人というのが私らしい。
実現できそうで微妙な、頑張らなきゃならないような数
【The Journey Home】31
ある朝の4時半、ラーダ・ラーマン寺院にてリチャード君クリシュナに祈る。
無効なビザでインドを離れると、二度と戻ってこれないでしょう。ここに残っても、逮捕されるのは時間の問題で、ヴリンダーヴァンから永久に追放されるでしょう。あなたの望むことをわたしになさってください。
寺院を離れ狭い道を歩いていると、暗闇から唸り声が。リチャード君、右足のスネを野獣に噛みつかれる。手強いアゴに引っ張られ、地面に投