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宮地嶽神社に桜咲く



 福岡県福津市の宮地嶽神社みやじだけじんじゃでは早くも寒緋桜かんひざくらが開花した。ここは福岡有数の桜の名所。寒緋桜の他にも吉野桜・八重桜・山桜等々計約2000本が植栽されている。その中で本殿に一番近い場所にあるこの樹が毎年必ず一番最初に咲き始めることから、「開運桜」の愛称で親しまれている。
今年の開花は1月19日。おととい2月1日に参拝した時には1~2分咲きといったところだった。1年前にもこの樹の写真をnoteに投稿したが、その時と比べるとやや遅くなっている。先日の寒波の影響だろうか。これから4月までの間、この神社の広い境内ではいろいろな種類の桜が咲き続けることになる。



話は飛ぶが、森の樹々たち同士は地中で、様々な言語を使いコミュニケーションを取っているということが最近の生態学研究で明らかになった。
森について30年間研究し続けている生態学者スザンヌ・シマード氏の研究によれば、木々の根には特有の構造を持った「菌根」という共生体が存在し、この菌根によってコンピュータネットワークのようなものが形成されているとのこと。木々は炭素・窒素・リン・水・防御信号・アレル化物質・ホルモンなどを言葉として「会話」をすることができるのだ。さらに同種の樹木だけではなく異なる樹木間でもコミュニケーションを図る。
「親木」は、自分の子孫である稚樹を識別し、炭素を分け与えてその生存率を高めることで、自分の遺伝子を確実に後世に伝えようとする。また親木は生き続けるための教訓を稚樹に伝授したりもする。或いはまた、生存競争だけでなく種の異なる樹に対しても「お手伝いしましょうか?」「誰かが私の上に布をかぶせて日陰になっているので少し炭素を分けてくれませんか?」といったような会話による協力関係も存在しているとのことである。
https://www.youtube.com/watch?v=Un2yBgIAxYs&t=85s



先日梅の花の記事にも書いたが、植物たちは開花時期を日照時間と気温の変化に応じて決めているとのことだが、こうした地中での会話によって互いに影響し合っているような気もする。宮地嶽の桜たちはこの開運桜の開花を知って、「今度は私たちの番だね」などとお喋りしていることだろう。遠い未来においては、こうした木々の会話翻訳機なるものが存在し、森林の再生に役立っているかもしれない。

noteというネットワークの世界においても、こうして桜の便りを春の風に乗るように届けることができる。
季節の移ろいを伝える風のとおり道のようなものかと思う。






福津市 宮地嶽神社





















風のとおり道
~「となりのトトロ」より~ -
Luminous






How trees talk to each other
Suzanne Simard

スザンヌ・シマード講演:
森で交わされる木々の会話

(日本語字幕付き)




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