おはようにゃんこ15:神の贈り物
毎度「にゃんこシリーズ」でお馴染みのさくら猫、モモちゃんと福ちゃんはこの寒さの中、無事に暮らしているだろうかと案じつつ、市内にある公園を目指す。
2匹とも姿が見えない。
それぞれ朝の縄張り巡回にでも出かけているのだろう。
案ずるには及ばない。
元気な証拠だ。
戻ってくるまでの間、丘の上にある花壇を散策。
この時期花はまだ咲いていない。
風もなく静まり返った園内のベンチに座り猫に習い日向ぼっこに興ずる。
そろそろ戻ってくる頃かと思いきや、そこで巡回中のモモちゃんとばったり出会う。
「にゃ、にゃ、にゃ、にゃ!」
歩調に合わせて小さな声で鳴きながら走り寄ってくる。
この鳴き声を日本語に翻訳すると、
《わ~い、きた、きた、チュールがきた~!》となる。
「おお、そうかい、そうかい、元気そうやね、ヨカッタ、ヨカッタ」
モモちゃんの毛はすっかりもこもこ、ふさふさ、つやつやだ。
顔の表情も、眼力も、冬になって一段と逞しくなったように見える。
カリカリとチュールを食べ、落ち着いたところで恒例の撮影タイム。
食べ終わるとすぐどこかへ行ってしまう猫が多い。
しかしモモちゃんは別。
目の前でいろいろなポーズをとってくれる。
腹を見せてゴロンとしたり、遠くを見つめたり、後ろ姿で坐り、振り返ってカメラをじっと見つめたりする。
まるでモデル撮影会みたいだ。
10分ほど撮り続けたところで終了。
すると撮影は終了と知ったのか、モモちゃんはやおら立ち上がり、再び森の中へと消えていった。
😻😸😹
丘を降りていつもの定位置まで戻ると、今度は福ちゃんが枯れ葉の吹き溜まりの上で毛繕い中。
カメラを構えていると、すっくと立ち上がり、いつものようにこちらに向かって黙々と歩み寄ってくる。
この時の心理を日本語に変換すると、
《わ~い、きたきた、待ってましたよ大好きチュ〜ル》となる。
「はいはい、元気そうやね、ヨカッタ、ヨカッタ」
福ちゃんもまた、もこもこ、ふさふさ、つやつやだ。
羊ほどではないが、指を差し入れると毛の中はほんのり暖かい。
これなら寒くはないだろう。
ベンチに並んで座っていた福ちゃん、カリカリとチュールを食べ終わると、そそくさ枯れ葉の吹き溜まりへと戻っていく。
ツンデレも相変わらずだ。
それを追いかけ、ここでも再びモデル猫撮影タイム。
福ちゃんも目の前でいろいろなポーズをとってくれる。
至近距離でカメラを向けてもまったく動じない。
慣れたものだ。
撮影が一段落すると、軽やかな足取りで再び寒い森の奥へと消えていった。
😺😹😽
ところで昨年の初夏に撮ったモモちゃんの写真と、現在のものとを見比べると、その毛の生え方の違いが一目瞭然である。
この被毛によって、一日の過ごし方が他の季節とさほど変わらないように見える。
寒さを気にせず野山を駆け巡っている。
いったい何を探しているのだろう。
薄暗い森の中でも自由闊達に動き回り、太い木の幹に登ったりもする。
好奇心旺盛に野外生活を謳歌しているようだ。
猫のアンダーコートは神の贈り物。
神は決して外猫を見捨てたりはしない。
そう考えると、人間もまた一人一人に、目には見えない贈り物が神から与えられているのではないかと思う。
この世に生きるとは、様々な困難な状況に直面することを通じて、自分の内側にある宝を探し当てるゲームのようなものかもしれない。
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猫を捨てるのはもうやめよう
番外編
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