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ラベンダーさんの「フリージア」


 いつも素敵な俳句を投稿されているラベンダーさんが昨夜フリージアの句を詠まれていた。
ラベンダーさんのコメント欄の返信を読ませて頂くと、
「ちょっとドラマっぽく詠んだ妄想句」とのこと。


偶然にも、今朝近所の公園を歩いているとき、遊歩道沿いに立つ大きな樹の根本に、黄色いフリージアが数個咲いている姿を見ていた。
数枚写真を撮り、そして甘い香りを嗅いだ。
その俳句をお借りして、写真とともに投稿させて頂くことにした。


この写真を撮ったフリージアの周囲は落葉と雑草だらけで、他には見当たらず、一株だけポツンと咲いていた。
種がどこからか飛んできて、そこに着地したのだろう。
辺りを見回すと、南方30~40メートル離れた雑草の茂みに、同じ色をした野生化したフリージアの集団が咲いていた。
考えられるとしたら、昨年の初夏に強い南風に乗ってここまで飛んできたということだ。

たまたま一粒の種が偶然この太い樹の幹に当たって着地した。
他の種はそのまま風に乗ってどこか遠くへ飛んで行ってしまった。
たった一粒の種だけがこの地に可憐な花を咲かせた。
そういうことだとしたら、何て粋な運命だろう。

香りは同じ株なのに、花によって強さが違っていた。
最もよい香りはこちらを向いている花。
控え目で、甘く、上品な香りだった。


黄色いフリージアの花言葉は「無邪気」。
薄暗い木陰の、ほとんど人通りのない遊歩道で、ひっそりと無邪気に咲いていた。
人の手に寄らず、自らの運命に身を委ね、風に運ばれ、花を咲かせた。
その姿が愛おしい。
そして逞しいと思う。
その甘い香りは誰もいなくても、誰も見ていなくても、静かに漂い続けるに違いない。


ラベンダーさん、ありがとうございます





きみ去りて残るフリージアの甘き

北野薫衣草





このフリージアが咲いていた周辺で撮影したもの




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