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春のフラワーフェスティバルと蝶の羽化


 北九州市若松区にある市内最大の公園「響灘緑地」では今、春のフラワーフェスティバルが開催されている。この公園には今までに何度も訪れたことがあり、春と秋の薔薇フェスティバルや、熱帯植物園、シャボン玉アートなどの写真を何回かにわたってnoteに投稿したことがある。

春フェスは初めてであり、どんな花が咲いているのか楽しみに出かけてみたが、主にチューリップをメインとして、ネモフィラなどと共に広い花壇いっぱいに植えられていた。

あと一ヶ月もすると春の薔薇フェアが開催される。誰もいない薔薇園に足を踏み入れてみると、早くも数個だけ花が咲いていた。今年のフェアがどんな雰囲気になるのか楽しみである。また同じ敷地にある藤の花も咲き始めていた。周囲に広がる森も新緑だ。早くもここは初夏のムードに包まれている。



今回最も興味深かったのは、温室内で育てられている日本最大級の蝶「オオゴマダラ」。
幼虫、さなぎ、そして羽化した直後の姿を見ることができた。
オオゴマダラの幼虫は黒地に白のラインと赤い点が入る。
それが蛹になると全体が黄金色に輝く。これが実に神秘的で美しい。この黄金色は構造色とのことで、蝶が抜け出た後は透明になる。
しかし羽化した蝶は黄金色ではなく、白と黒。
蝶は、自分がそれまで入っていた蛹にしがみついて、じっとして動かない。飛び立つ準備が整うその時を待っているのだろうか。

幼虫から蛹、そして蝶へと劇的に変容し続ける姿は、命あるものが成長していく過程を見事に体現している。
ニーチェの有名な格言『脱皮しない蛇は滅びる』を思い出した。
人もまた古い殻を脱ぎ捨てることで成長するという意味の言葉だが、個人のみならず、組織や集団においても通用する概念として、世間に広く知れ渡っている。そうは言っても、実際にはとても難しいこと。人には難しいその変容を、こんな小さな生き物が易々とやってのける。昆虫はやはり凄い。

植物や昆虫などの生き物たちの変容のスピードは、いつも想像以上に速く、そしてダイナミックだ。こちらがウサギになっていると、カメにあっという間に追い抜かれていく。おちおちのんびりもしていられない。
春も駆け足で通り過ぎていく。
古い殻を脱ぎ捨て、新たなチャレンジに飛び立とう。



北九州市立「響灘緑地グリーンパーク」


































































































































il porco rosso · Joe Hisaishi





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