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風景

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身の回りにある様々な風景を撮った写真は撮影者ではなく、見る人の心を映し出す鏡。
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#海

水面

 風のない響灘は 遥か遠く見渡すかぎり湖のよう 誰の足跡もない砂浜には おびただしい数の 黄や黒や赤や白の貝がらが きれいに形を留めていたり 原形が分からないほどに砕けていたり 繰り返し打ち寄せては 引いていく波にもまれながら やがては波に乗って大海原へと旅立ち 生まれ故郷に舞戻るその時を待つ 囁くような波の音 打ち寄せる柔らかな泡粒 岩場にしがみつく生き物たち 打ち上げられた海藻 太古から移動しつつある岩礁 大陸から渡ってくる涼し気な海風 数十万年もの時の流れを経て 今

今年出会った北九州海景色2022

 北九州市は三方を海に囲まれた九州最北端の都市である。東に周防灘、西に響灘、そして北には本州との境となる関門海峡。昨年からこの地に住み始めて、比較的短時間で海まで出られることを知り、毎月のように行くようになった。それまで暮らしていた東京や滋賀では数時間かけなければ辿り着けなかった。今ではかなり身近な存在となり、天候の様子を見て写真を撮りに行くという楽しみが増えた。 若い頃東京に住んでいた時には鎌倉や逗子、葉山あたりによく出かけたものだ。同い年である桑田佳祐、原由子両氏のサザ

嵐が去ったあとの浜辺

嵐が去ったあとの浜辺に行った 風はまだ強く激しいうねりが続いていた しかしどれほど高く打ち寄せても 波はいつの間にか小さくなって砂に吸い込まれるように消えていく 波は決して小さな砂粒ひとつも奪い去ることができない 嵐が去ったあとの浜辺には やがて可憐な花たちが咲き誇ることだろう 小さな花一輪は繰り返す嵐に負けずに 生き続けるだろう 玄界灘 福岡県遠賀郡芦屋町芦屋海岸

白龍の海

 普段は穏やかな響灘の波も、嵐ともなれば地響きのような唸り声をあげ、もんどりうちながら岩礁に何度も何度も襲いかかる。 まるで海の底から這い上がってきた荒れ狂う白龍を見るような思いがする。 龍神にまつわる伝説や信仰は日本各地に存在し、龍神を祀る神社も数多い。 荒れ狂う白波を見て、それを龍神の化身だとするような伝説にはお目にかかったことはないので、これはあくまで個人的な妄想の域を出ない話だ。 しかし中には「日本人は龍族宇宙人の末裔」だとする伝説もある。 この説が興味深い。

黄昏響灘

Keith Jarrett It’s All In The Game

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夏井が浜

Per te(For You)

中岡はじめさんが本日アップされたページです。偶然にもわずか2日違いで、美しい海の夕暮れを撮影しに出かけていたことになります。はじめさんは関西で、私は九州で。日本にもまだまだ素敵な景色がたくさんありますね!

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砂浜と波

北九州に移り住んで

 福岡県北九州市に移り住んで3か月。noteを始めてからもちょうど3カ月が経った。新しい生活と新しいチャレンジが平行して進んでいる。 当初の計画ではこの夏に滋賀での仕事を終えた後、東京の実家に戻る予定だった。ところが引っ越しの段取りを決めるタイミングに合わせて、いくつかの事情が一度に目の前に現れ、急遽正反対の九州へ転居することになった。 この歳にして見ず知らずの土地で新たなスタートを切ることになった。しかし出会うものすべてが新鮮。人生60歳から第二の青春と言うそうだが、もうす