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風景

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身の回りにある様々な風景を撮った写真は撮影者ではなく、見る人の心を映し出す鏡。
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2021年11月の記事一覧

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天空の森に朝陽が降り注ぐ

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秋麗

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中央公園土曜の昼下がり

大分から熊本へ①          原風景を想う

 大分から熊本へ車で向かう途中、くじゅう連山の山間部を貫く山道を抜け、細い林道に入り、やがて山の裾野に広がる牧草地の小道を走る。 所々目眩く広大な風景が次から次へと現れる。 ここは阿蘇くじゅう国立公園のエリアだ。  人影も車も民家もコンビニも高圧線も、人の気配というものが何もない。 聴こえてくるのは遠くに響く鳥の歌声。 風にそよぐ木の葉と足元の草。 時が止まるというよりも、ここでは時という概念そのものが消えてゆく。  太古の時代には原生林が果てしなくどこまでも続いていたの

大分から熊本へ② 森の水鏡

 熊本県阿蘇郡産山村の、牧草地の細く曲がりくねった道を抜け、谷間の原生林を進んでゆくと、やがて「山吹水源」と呼ばれる小さな池に辿り着く。 7万年前の九重火山群火砕流によって形成された台地に浸透した雨水が、何年もの時を経てやっと地表に湧き出た泉である。この清らかな水を神が産湯にしたという伝説がこの地に残っている。  辿り着くまでの道はカーナビで表示されなかったため、幾度となく迷うことになる。たまたますれ違った小型ダンプカーを運転していた中年男性に道を尋ねる。すると満面の笑みを

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山の小道