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マクアケ開発部門の新たなプロジェクト戦略と最高のチーム作り

創業から8年目を迎え、新たなプロジェクトと技術革新に挑戦するマクアケ。マクアケが思い描く未来への道筋と、それを支える“理想のチーム作り”について、オペレーション・エンジニアリングチーム(以下、OEチーム)を率いる渡久山とデザイナー牧野の2人が熱く語る。
※本記事は2022年3月時点の内容です

新たな技術にチャレンジし、時代の先端を取りに行く

―― 簡単に自己紹介をお願いします。

渡久山:OEチームのチームリーダーをしている渡久山です。入社して1年半が経過しました。最近は「MPMS」という独自のサービス開発に携わっています。

牧野 : UI/UXデザイナーの牧野です。2016年にマクアケに入社し、エンドユーザー向けのWebサイトやアプリのインターフェースデザインなどを担当してきました。最近はOEチームに所属し、マクアケのプロジェクト実行者や社員が利用する管理画面のデザインをしています。

―― MPMSについて教えていただけますか。

渡久山:「MPMS」とは、「Makuake Project Management System(マクアケ・プロジェクト・マネジメント・システム)」の略で、Makuakeのプロジェクトに関わる、さまざまな運用をサポートするサービス群の総称です。もともとその役目を持っている外部サービスは存在するのですが、サービス立ち上げ当初から積み上げていったシステムゆえの課題に悩まされる事が増えてきたため、「次の10年の運用を支えられるだけの土台を作ること」を目標に開発が始まりました。

「MPMS」開発で大事にしているのは、とにかく良いものを作るということです。スピードを重視するあまり、突貫工事でハリボテを作ってしまっては意味がありません。次の10年の長期的な運用を支えるために、正しい期間を、正しく使うという投資をしている重要なプロジェクトなので、期間的な問題で妥協しないようにしています。

アーキテクチャとしてはマイクロサービス 、マイクロフロントエンド構成を基本として実装しています。これらはアプリケーションの設計手法のことですが、既存のサービスは、すべての機能を1つのアプリケーションとして実装するモノリスな構成でした。開発の人数が増え、やりたいことが多様化してきた現在のフェーズでは、作業のバッティングや思わぬ影響によるエンバグなどに悩まされるケースが出始めたため、これを解消するための設計手法として取り入れています。

マイクロサービス、およびマイクロフロントエンドとモノリスの設計上の違いは、建築物をイメージするとわかりやすいと思います。マイクロサービスとは、あらかじめ整備した区画ごとに、建物(アプリケーション)を個別に建てていくイメージです。建物はそれぞれ道路で隔てられ、直接関わりのない状態になっているので、例えば「こんなデザインの建物を建てたい」とか「この建物だけを取り壊したい」という場合でも、個別に対応できるので作業がしやすくなります。

反対にモノリスの場合は、その言葉に「大きな岩」という意味がある通り、1つの大きな建物を建て、必要に応じて増築していくイメージになります。その建物の上に部屋を増やそうと思っても、小さな部屋であれば可能ですが、大きな部屋の場合は建物の上に乗せられません。モノリスが一概に避けるべき設計手法というわけではありませんが、マクアケの現在のフェーズを考えると、道路が整備されているマイクロサービスの方が今後の運用に合っていると考えました。

マイクロフロントエンドと呼ばれるアーキテクチャは、マイクロサービスに比べて一般的に採用されているケースがまだ多くありません。マイクロサービスのメリットをフロントエンド領域でも享受するために考案された手法ですが、枯れた概念ではないため、さまざまなツールや実装方法が試されているチャレンジングな領域です。しかし最近5年ほどの状況を見ると、この手法を試みるサービスや会社が出てきており、私たちもそこにチャレンジすることにしました。

―― マイクロサービスやマイクロフロントエンドといった設計手法を使うことで、ビジネス面ではどのようなメリットがあるのでしょうか。

渡久山:実装で得られるメリットと同様に、ビジネスにおいてもスモールスタートやスピード感を持った機能開発がしやすいという点が挙げられます。
また、小さなサービスをそれぞれのチームが責任を持って扱いやすくなることで、仕様調整にかかるコストの削減や障害発生時の影響範囲を狭める効果もあります。

もちろんマイクロサービス、マイクロフロントエンド特有の苦労もありますが、より事業や組織が拡大するフェーズにおいては、得られるメリットが大きいと考えています。

牧野:デザインの面では、管理画面のUIをフルリニューアルし業務上の困りごとを解決することでビジネスメリットを作ろうとしています。マクアケも創業8年目に突入しているのですが、昔から使われている独自の管理画面には「見た目が複雑」「使いづらい」「現状の業務オペレーションと合っていない」など、現状の成長フェーズにおいては特に改善すべき課題ポイントがたくさん存在している状況です。マイクロサービス化を進めるのと同時にそれらの課題を解決し、少しでも業務やプロジェクトの実施をしやすくすることを目指しています。

―― マイクロサービス、マイクロフロントエンド特有の苦労とはどのような点でしょうか。

渡久山:マイクロサービスとマイクロフロントエンドという構成を採用する場合、先ほどの例でいう「整備された道路」を作ること自体にパワーが必要です。道路を敷設するということは、土地を整備して人が住める状態にしなければなりません。その上で、信号をどこに置くか、行き止まりになっていないかを考えながら道を作ります。そういう意味で、一番ベースの部分である技術基盤を作っていくことに時間を割く必要があります。一般的に言われているように、モノリスよりもマイクロサービスな構成で開発をする方が考え事が多いので、それだけ高い技術が要求されます。

また、マイクロサービス・マイクロフロントエンドというアーキテクチャは複数の小さなサービスでできており、それらが相互に通信し合うことで1つのアプリケーションのように見せています。それらがどのように通信するのか、あるいは、どういったまとまりに分ければ適切なのか、さらに、無駄な通信が発生しないためにどのような処理フローにするべきなのかを適切に整備していく必要があります。サービスを分割する上で、取り扱うドメイン領域を正しく分析し、適切なドメインモデルを作り洗練させ続けることも重要だと感じています。

―― 前例がないことを行うというのは、どのようにチャレンジするのでしょうか。

渡久山:開発する際には問題が生じることもあります。前例があるものについてはきちんと踏襲しますが、前例がないものに関しては、机上の空論にならないように、とにかくたくさん検証しました。開発する上で意識していたのは、前例がない新しい道を作る以上、何らかの問題が生じることを前提として計画を立てていました。

「MPMS」開発では、メンバー同士で「こんなサービスを作りたいよね」という共通認識を持つことができていたので、ブレずに突き進むことができたという点も大きいです。

牧野:デザイン面でのチャレンジは、複雑な大量の情報を整理整頓しわかりやすくしなければいけないことです。サイト上に掲載するプロジェクトページを作るための編集画面や作られたページが法務の観点で問題ないかチェックするためのページなど対応しなければいけない画面数がとにかく多いことに加えて、各画面では無数のテキストやボタンなどの機能や要素で溢れかえっています。それらの情報をわかりやすくまとめることは難易度が高いですが、複雑な状態のままにしていると社内で使う人たちの作業時間を圧迫してしまいまいます。そうならないためにも情報に優先度をつけて取捨選択をして整えるようにしています。

世間一般的に「デザイン」という言葉を聞くと、形や色などの「見た目」を連想する人が多いと思います。もちろんそれらもデザインを構成する要素の一部ですが、同時に私が意識しているのは「情報の構造部分を適切に整理してあげること」です。そこさえしっかりと設計されていれば、数年経った後でも大きな変更はせずに多少の変更で済むので、可能な限り将来でも通用するような普遍的な部分を見据えながら情報設計をしています。

マクアケ好調の秘密は、柔軟な組織づくりと円滑なコミュニケーションにあり

―― チームやメンバーの紹介をお願いします。

渡久山:OEチームはエンジニアが5名、デザイナーが1名、品質担当のQA(Quality Assurance)1名の計7名で構成されています。1チームの人数が多すぎると返って動きが鈍くなったり、統制が取りづらくなってしまうので、ちょうど良い規模感かなと思っています。チーム内の職種比率には差がありますが、マクアケの開発組織としては4〜7名程度をひとつのチームとして扱うことがほとんどです。

マクアケではCTOを含めた開発組織全体での議論が活発に行われており、より良いチーム構成はなんなのか、ミッションに寄り添うためにはどうすればいいのか、適切な動き方はどうかということについて常に模索できる良い会社だと思います。エンジニアの中にもそういった点に関心のある人が多いので、より意思を持ってチーム作りに取り組めているという印象があります。

牧野:チーム作りや組織のあり方に対して、興味関心やモチベーションの高い人を採用している側面があると思います。同時に、マクアケはビジョンやカルチャーを大切にする会社なので、入社後に周りの影響を受けてチームや組織づくりに興味を持つ人もいると思います。

―― そのような人が集まってチームになることで、何が生まれるのでしょうか。

渡久山:職種の境界を作らない人が多いので、例えば「自分はエンジニアだから、デザインに意見はありません」というケースはほとんど無く、「一緒に考えよう」という動きになりやすいです。仕様を考える際にも、OEチームではデザイナーやプランナーだけが考えるということはしていません。一緒に良いものを作っていきたいという人が集まっているので、職種を問わず活発に意見を出し合っています。

同席している牧野さんも、デザイン作業の一貫として担当者にヒアリングをしたり、作業者の横で操作画面を見ながら課題を分析するなど、ただ画面デザインをおこすだけではない取り組み方をしてくれています。そこから生まれた疑問や課題についても、チームで垣根のない議論ができているので、とても良い関係性だと感じています。

牧野:私は他社でもエンジニアと仕事をした経験がありますが、その会社はいわゆるウォーターフォールというやり方で、マネージャーやディレクターが決めた要件をそのまま下に流すというものでした。それと比較すると、マクアケは「こういったものを作ろう」という仕様や要件が完全に決まっていない段階で、エンジニアやQAの方が視点を入れてくれます。特に「MPMS」のプロジェクトではスピードよりもクオリティを重視しているのでじっくりと時間をかけて議論することができ、考慮漏れが減ったりメンバーの多様な意見を取り入れられるので、結果として出来上がるもののクオリティは高くなっていると感じています。


ーー ところで、マクアケのSlackではたくさんの絵文字が使われているそうですね。

牧野:Slackに登録しているカスタム絵文字が約3,500件あるのですが、その内の半分以上をうちのチームで作っているようです。楽しいカルチャーを作ろうという気持ちが強いのかもしれません。そこにもマクアケらしさが表れていると思います。

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―― Slackの絵文字が多いというのはコミュニケーションが取れているからだと思いますが、実際にどのようなコミュニケーションの取り方をしているのでしょうか。

渡久山:OEチームは基本的にフルリモートで仕事をしているので、リアルの場でコミュニケーションできる機会は多くありません。フルリモートにも良いところがありますが、意識しないとコミュニケーション量が減ってしまうため、やりとりの質を上げる工夫が必要だと感じています。

OEチームではスクラム開発を採用しているため、スクラムイベントとして朝会を開いたり、定時前には「帰りの会」という名前の夕会を毎日行っています。30分程度の帰りの会では何を話しても良いことになっていて、仕事の相談や好きなゲームの話、引っ越しの相談など、とりとめのない話をすることもあります。仕事上だけの関係というよりは、個人的な部分も共有することで、仕事の方法を考えたり、コミュニケーションを取りやすくできる雰囲気になりやすい場を作るように心がけています。

牧野:今日はおよそ半年ぶりに出社してチームの皆がオフラインで顔を合わせましたが、半年間会わなくても、毎日オフィスで顔を合わせているような感覚があります。それだけ朝会や帰りの会には、コミュニケーションを感じる効果があるのだと改めて思いました。

渡久山:「直接会うのは久しぶり」というコミュニケーションの取り方はしますが、たまに会うだけの知らない人という距離感にはなっていません。くだけたコミュニケーションを取る時にSlackの絵文字を使い合うような文化があるのですが、スタンプで意思表示をされると、より柔らかい表現ができて会話がとてもラフなものになります。実際に出社をしたときに話すような雑談が、チャットでも生まれやすくなっていると感じています。

―― 制度もそうですが、一人一人が繋がっていこうという意思があるから成立するものだと思います。それはみなさんがコミュニケーションが大事だという意識があるからでしょうか。

渡久山:多くのマクアケ社員は、意識せず自然にできているんじゃないでしょうか。無理をして「一人一人が繋がっていこう」としているのではなく、社員自らが自発的に人と関わろうとするからこそ、繋がりが強くなるのだと思っています。マクアケにはそういうキャラクターの人が集まっていると感じています。

しかしこうしたあり方は、これからメンバーが増えて行くにつれて変わっていくかもしれません。OEチームのエンジニアはもともと3名でしたが、それが5名に増えた際もコミュニケーションのとり方には様々な変化がありました。もちろん課題なども生まれたのですが、改善のサイクルを回した結果良い意味での変化となりました。今後メンバーが増えても、同じようにポジティブな変化になると思います。

牧野:人が増えてもマクアケのカルチャーは変わっていません。それは、社員を採用する人事の力だといつも感じています。マクアケのカルチャーや価値観にフィットする人を採用してくれているおかげですね。

Makuakeの、その先へ。仕事で得た喜びを社会へ還元していきたい

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―― 今後についてお聞かせ下さい。

牧野:インターフェイスのデザインをしていると、実際に使う人たちに画面を確認してもらう機会があります。その際に「この画面は使いやすそうだから早く使いたい」と喜んでもらえる場面がたくさんあります。今後も、使う人たちに喜んでもらう場面を増やしたいと思っていますし、それだけにとどまらず、ビジネスをやっている以上は事業的な成果にも結びつけていく必要があります。システムを改善することで社内の作業効率が上がり、それによって生まれた時間をよりクリエイティブで重要な部分に使ってもらえることで、マクアケのビジネスをより良くできると思っています。それができればデザイナーとして、さらにはチーム全体としてもとても嬉しいことですのでぜひ頑張っていきたいところです。

渡久山:「MPMS」でやっていることはスタートです。マクアケとして何かをやりたいと思ったときに、それができる環境づくりを「MPMS」というプロダクトは担っています。私たちの戦いはまだまだこれからです。

今後は、ビジネス的に効果的な実装、いわゆる建物を建てていくことに対してスピーディーに取り組むことが求められるので、しっかりとそこに目標を据えて頑張りたいと思っています。

―― 最後にこの会社で働くことの面白さや魅力を教えてください。

渡久山:私は「愛がある」という表現をしています。「Makuake」というサービスに対して職種を問わず愛を持っている人がいますし、仕事に対しても、苦痛を感じながら日々働いているわけではなく、「こうしたい!」とポジティブな気持ちで仕事をしている雰囲気を強く感じています。それはどんな会社でも出来ることではありません。もちろん仕事をする上で大変なことや課題は山のようにありますが、そういった壁に対して、エンジニアに限らずどんな職種でもやりがいを持って取り組めていることが魅力だと思います。

牧野:マクアケでは仕事をしていると世の中の役に立っていると実感できる機会が多くあり、そこが魅力に感じています。「Makuake」で新しい商品がデビューすると、それを買った人は、面白いものが手に入って喜ぶでしょうし、販売する側もビジネスとして成功できるので嬉しいはずです。購入する側・販売する側の両方が喜ぶ顔を見ると、プラットフォームを提供していて良かったなという気持ちになります。登場人物のみんながwinwinの世界を常に見ながらシステムを作れるのはとても魅力的ですし、そういうことが好きな人に是非来ていただきたいと思っています。

―― ありがとうございました。

(取材、文=伊藤秋廣(エーアイプロダクション))
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