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年末年始に実家で「家族」について否応なく考え込んでしまう映画3選

01 息もできない

『あゝ、荒野』で菅田将暉と共演するなど、日本でも役者として知られているヤン・イクチュンが製作・脚本・編集・主演を務めた韓国インディーズ映画の金字塔。

暴力的な取り立て屋のサンフンと、認知症の父と暴力弟を持つ女子高生ヨニのふとした出会いをきっかけに、二人が共に抱える家族への渇望と家族からの逃避が綯い交ぜになり、関わる様々な人物に時間を超えた家族の「影」を見出し「光」に変えてゆく。

カメラワークも編集の生々しさも相まって、痛く切ない。市場でほんものの「家族」のように散策するときに流れるBGMも素晴らしい。


02 Mommy

 カナダの若き天才(たくさん映画撮っててまだ三十三歳!)グザヴィエ・ドランが描く、2014年カンヌ国際映画祭審査員特別賞受賞作。入居している施設で放火騒ぎを起こし退所させられたADHDの息子スティーヴを持つ母ダイアンが新たに始める生活奮闘記。

スティーヴはまぁ全力で色々やらかすわけだが、隣人のカイラの協力もあり3人の「家族」が思わぬ形で互いを「ケア」し合う希望の形に!そんな矢先に、この国独自の新たな「法律」によって家族の人生が思わぬ展開へ。

後味は悪いけど、不思議な爽快感があるこの映画。
画面アスペクト比にも注目。途中でびっくりしますから。


03 星の子

『MOTHER』や『タロウのバカ』など他にも「家族」を描いてきた大森監督作のなかでも、今年は旧統一教会問題で「宗教2世」の存在がクローズアップされたこともあり、この映画は是非とも観て欲しい。

あるカルト宗教を信仰する家族のもとに生まれた中学生ちひろ(芦田愛菜)の「(家族と言えども)同じ世界に入れない、でも入らないといけない、でも入りたくない、でも……」という揺らぎがとても丁寧に描かれ、それらをアナロジカルに描くシーンが絶妙です。

芦田愛菜はじめ、お姉さん役の蒔田彩珠の演技がすごく良い。あなたも一緒に「流れ星」を見つけてください。


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