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職業としてパン職人を選んだ理由

副業の話を書くつもりでしたが
ちょっとそのまえに若い頃の自分の葛藤について記録します。


▶︎大学時のシューカツ

最初に選んだアルバイトもパン屋さん。
気づけば小さな頃からパン屋さんになりたいと思っていました。
でもそれは小さい頃の夢、という類の憧れで
現実には法学部へ進み、パンとは別の軸で法律や政治などを学んでおりました。

大学3.4年次の就職活動時には本当に悩みましたが、
海外赴任に興味があったので海運会社や商社などへの就職を目指していました。

でもふと就職活動中に立ち止まります。
海外に行けるかどうかを会社に決めてもらうことは自分の性に合ってるのだろうか…

▶︎職人になりたい

自分に技術があって、一人でも勝負できるようなスキルさえあれば、いつでもどこでも好きな場所に行ける…
そうすると結構古典的なお仕事がやはり強いなぁ
職人と呼ばれるお仕事だ

そうすると4年間飽きずにずっと続けているパンのお仕事はどうだろうか
という流れで、初めてパン職人になることを意識するようになります。

考えれば考えるほど、パン職人という選択肢は魅力的に思えてきました。

▶︎人に喜んでもらいたい

まず最初に、パン作りがともかく面白い。
アルバイトの4年間でわたしは、パンの発酵という微生物のもたらす美味しい変化の虜になっていました。

次に、海外に行きたいなら世界中どこでもパン屋さんはあるし、いつも人は足りない
パンが嫌いな人はあまりいないし、むしろ老若男女問わず好きな人は多い
わたしもパンが大好きな人間で、パン屋さんを歩くときはいつもキラキラした気分になる
美味しいパンは間違いなく人を幸せにする!
そういう小さな幸せを与える側になれたらどんなに素晴らしいことだろう
よし、パン屋になるしかないっ!

▶︎本当にパン屋になっちゃった

本当に単細胞だなぁと思われそうですが
こんな感じの思考回路だったと思います…あはは。
とは言いつつも、この時期というのは人生で一番悩んだ時期だったとは思います。良い悩み方ですけどね。

そのまますぐに、大学1年生からお世話になっていたとある製パン会社(全国に店舗がある有名な会社です)の新卒採用の申し込みをし
次の春にはその会社に就職しておりました。

その会社での日々というのは非常に素晴らしいものでした。
かけがえのない仲間と製パン技術を手に入れましたし
今の自分はここでの技術がなければ成り立っていないと思います。
アルバイトの4年間も含めて10年近くお世話になりました。退職時28歳。30代が近づいておりました。

▶︎現在

今のお仕事でもパンを作っています。
パンに関連する食品会社で働いており、自社製品の機能試験や企業様向けのレシピ提案などがメインの業務です。

今の会社に就職したのが2013年なので、今年で8年目になります。
とても恵まれた環境で、週末は休みで、いわゆるカレンダー通りの休みです。現在のように、きちんと産休育休も後ろめたさなく取得できます。

また、今は育児のために離れていますが
数年前まではこの会社の海外事業に携わっており
かつての望み通りに海外漬けの日々を送っておりました。
月の半分以上を海外で過ごし、現地のベーカリーさんへ技術共有や講習会などを担当しておりました。

海外事業は自分から希望したことでもなかったのですが
本当に不思議な縁だと思います。
やはり手に職をつける選択肢は自分には向いていたのだと思うし、学生時代に直感で選んだ道の筋は良かったのかなと思ってます。
もちろんそうでない方の道を選んでも、それはそれで楽しくやってただろうな。

海外での経験も本当に貴重で、いつかこの話も書きたいのですが
あまりにも長いので今回はここまでで。

副業パン屋さんのInstagram↓

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