流行りに乗って~鬼滅の刃を読んでみる~予備知識編「鬼」ってなに?

「鬼」ってなんだ?

「鬼」を想像してみると…


赤くて(もしくは青くて)…悪い奴で…怖くて…金棒持ってて…虎のパンツで…角があって…

多分、こんなイメージ?

これも国語的に読み解くと…はい、そうですよ日本国語大辞典のお出まし!
①「隠」が変化したもので隠れて人の目に見えないものの意。死者の霊魂。精霊。

②人にたたりをすると信じられていた無形の幽魂など。もののけ。幽魂。

③想像上の怪物。仏教の羅列と混同され餓鬼、地獄の青鬼、赤鬼などになり、また、美男、美女となって人間世界に現れたりする。また、陰陽道の影響で、人間の姿をとり、口は耳まで裂け、鋭い牙をもち、頭に牛の角があり、裸に虎の皮の褌をしめ、怪力をもち、性質が荒々しいものとされた。夜叉。羅刹。

…と、あるわけでございます。
どうですか~そのままのイメージもあれば、意外なのもあったでしょ~?
①のところにある「精霊」なんて、あまりイメージになかったんじゃないですか?
なぁ~んか、精霊なんて言われちゃうとかわいく思えてきちゃうような(笑)
チラッと本文を見てみると、きっと③が当てはまるのかな?なんていう風に思いますが、どうなんでしょ??
ま、読まないことには始まらないが、「鬼」ってこんな定義なんですね。

そんな「鬼」いつから登場したのでしょう?

鬼の登場


文学として、「鬼」が登場するのは上代(飛鳥538~奈良794)からだと言われています。
今が2020年だから、もう1500年以上前から「鬼」は存在するんですね~!
はじめは「害をなすもの」としての認識が強かったみたいです。

それが、中古の時代(平安794~1183)になると、少し様子が変わってきます。

特徴的なエピソードが『伊勢物語』にある「芥川」の章段。

はい、なんか国語の先生っぽくなってきました(笑)

…あるとき、恋愛真っ最中の男女がおりました。しかし、そこには問題が。
 女性の方が男性よりも身分が高かった(泣)
 それでは、結婚を許してもらえない!…よし、逃げよう!二人でどこかへ行こう!
そう決意して、夜逃げを致します。しかし、そのうち雨がポツリ。雷がゴロゴロ!!!
もう、逃げている場合ではございません。
川辺を行くと、ちょっとボロな蔵があるじゃありませんか。これはいい、一晩やり過ごそう。
でも、誰かが来ると大変…男は蔵の外で女のことを守るために見張ります。
朝が来て、一安心。
蔵の中を見ると…アレッ!? 女がいないではありませんか。
そう、「鬼」に喰われてしまったのです…地団駄を踏み、泣きわめき、和歌を詠む男…。
えたいの知れない者に女を奪われてしまったのです。原因不明!「鬼」のせい!
実は、彼女の御兄さん方が裏口から連れて帰ったのですが、男からしたらなんのこっちゃ。
訳が分からないから、「鬼」に喰われたと思ったわけです。

…と、いうことは、「よくわからないもの」「理解ができないもの」の象徴としても「鬼」が使われていたことがわかります。
科学技術などが進歩した今。わからない?じゃあ、グーグル先生に。というように、「わからない」ことが減ってきています。そう、「鬼」が減少しているともいえるでしょう。
そんな中、未知のものが世界を圧倒したわけです!!なにか?コロナでしょう!?
正体もわからないし、倒す方法も見つからず、「鬼」に感染することを毎日恐れているじゃあありませんか。「あそこの誰それが感染したってよ。」「あそこに行くと感染しやすいぞ」とか、ほぉら、まさに「鬼」のでる森を避ける様。そして、何か効果の有りそうなものを見つけたら、まさに、「鬼の首を取ったよう」に、大げさに先走って発表するでしょう?
いま、イソジン買いに走っている人います? 
ねぇ~なんかヒットの理由、わかってきた気がしませんか?

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