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ダウン症児中絶①NIPT診断編

私は幼い頃から早く子供は産んだ方が楽よ、と母に言われて育ちました。
30を超えて出産することは今では当たり前ですが、田舎の出である両親にとっては遅いほうだと(言いはしませんが)思っているのだと思います。
そういう価値観で生きてきました。
結婚(入籍)したのは2023年29歳になった翌日。結婚式をその歳のうちに挙げて、新婚旅行にも行き、あとは早く子供を…と思っていました。
結婚や出産を焦っているのが夫にも伝わるのか、いろんなことが詰まった一年だと言われたことも度々ありました。

2023/12月下旬
妊娠検査薬陽性。受診についての日記を書いています。


結婚するより以前から30を超えて出産するなら出生前診断をしよう。そう漠然と考えていました。
このころは29歳だからまだセーフなのかな、やらなくていいかなとも思っていました。(3月生まれなので)
出生前診断にはNIPT以外にもエコー検査だったりいろんな種類がある中で、どれも金銭面的にも負担が大きいと感じていました。

2024/2/25 日曜日(13週2日/4ヶ月)
このころ同僚が同じ時期に出産になることが判明して、出生前の検査についてLINEで情報交換していました。
同僚が検査をするとのことだったので、やらなくてもいいかな〜と思っていたNIPT検査を受けることに決めました。
この時は、性別わかったら準備もしやすくなるしいいなと思って気軽な気持ちでプレママクリニック(表参道院)に決めました。

そのときのLINE

2024/2/27 火曜日(13週4日/4ヶ月)
NIPT検査を受けた日。
説明の動画を見てから採血するという流れ作業のようなクリニックに多少驚きながら、動画の内容を書き留めていました。

13トリソミー:パトウ症候群 多く流産or死産。1年生存率10% 高齢であるほど出生率が高い
18トリソミー:エドワーズ症候群 1年生存率10% 女児に多い。
21トリソミー:ダウン症 多くが成人まで成長。

性染色体異常
ターナー症候群:日常生活に問題はない
クラインフェルター:精神遅滞学習障害
トリプルエックス症候群:日常生活に問題はない
ヤコブ症候群:学習障害

採血に不慣れそうな若い医師を煽りながら(当職看護師)採血を終えて、結果が出るのは7〜10日後との案内を受けます。
検査機関がアメリカなので、アメリカへの輸送トラブルなどで再検査になる可能性などを入念に再三再四説明されました。
ついでに、NIPT検査でもし陽性が出た時のために8000円課金すれば羊水検査の料金を保証しますという保険を紹介されました。
このとき私は陽性なんて出ないよ〜と思い、保険には入りませんでした。

2024/3/3 日曜日(14週2日/4ヶ月)
NIPT診断の結果が表示できるようになりました、とメールが届きました。
性別がどちらになるのか楽しみだなと思いながら夫と2人でデータファイルを開けました。

「男の子だって!」
私は無邪気に夫にそう言ったあと、赤文字に気がつきました。
そこに21トリソミーが検出されたことが書いてあり、私は最初なにが起きたのか、全く分かりませんでした。

(なにこれ?なんだ?21ってなんだっけ?)

受け止められないとかではなく、パニックでもなく、単純に理解できておらず焦りもなにも感じていませんでした。
「21ってダウン症だよね」
夫の言葉でようやくなにが起きたのかを理解しました。

そのあと、夫と2人で話し合いました。
2人とも染色体異常があるなら中絶、と決めていたことを再確認しました。
「陽性的中率が約50%の確率なら偽陽性の確率も高いだろう」「なんなら女児かもしれない」
夫はそんなことを言っていました。

2024/3/4 月曜日(14週3日/4ヶ月)
妊婦健診に通っている産婦人科へ羊水検査の希望と予約を伝えるために電話をかけました。
今日午後なら診察できるとの話だったので、上司に半休申請しました。

すると産婦人科から電話がかかってきて「今日は無理なので今度受診して」と看護師が言い始めました。
(ふざけるな。こっちはもう休みとったんだよ。謝りもしないで…ふざけるなよ…)
今思えば、焦りとパニックで頭がいっぱいになっていました。

「無理です、仕事があるのでその日行けません。」と駄々をこねたりなどして看護師を困らせたりしながらも5日後の9日に受診と決まりました。

またその日に休みを取らなくては行けないので、上司に一旦PHSで休むことを報告しました。
「どうしたの?大丈夫?」
上司の言葉に説明がうまく出来ず「ちょっと…いろいろあって…」と事情を話そうとしたら涙が滲んで、言葉に詰まってしまいました。
「ちょっと説明させてもらうのに、お時間いただいて良いですか」
忙しい上司を捕まえて、空いている部屋を借りて20分くらいかけて泣きながら説明しました。
声に出して説明すると、現実を受け止めなければならないからか涙が止まらなくなりました。
上司は事実だけを繰り返して、そうなんだ、50%か、と言いました。確定診断ではないから、結果はまだ分からないよ、身体を大事にしてね。とも言ってくれました。

もともと今日受診と言われて早退させてもらうことは決まっていたので、気持ちが落ち着かない中帰宅させてもらいました。
この日はたまたま夫が休みだったので一緒で過ごせて良かったです。やはり最大の理解者であり、支えてくれるパートナーです。
1人だったらダメになっていたと思う、と当時の日記にも書いてありました。

▶︎次 ②羊水検査編

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