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【登場人物】
冒険小説
恋愛小説
推理小説

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冒険小説 鬱蒼とした林を抜けると視界一面に海が拓けた
恋愛小説 鬱々とした顔の少女が、公園のベンチで蹲っていた
推理小説 撃ったのは被害者自身だと、硝煙反応が告げていた

冒険小説 宝が眠る洞窟への入り口は、この崖の壁面に空いているらしい
恋愛小説 宝物のように彼女が握りしめていたのは、ぼろぼろのカセットだ
推理小説 宝塚のスターだったという被害者には、怨みを持つ人間が大勢いた

冒険小説 ロープを垂らしてゆっくりと降下する
恋愛小説 テープに残っているのは、少女たちが仲良しだった頃の歌声
推理小説 ソープに勤めていたというネタを、掴んだブン屋がいるらしい

冒険小説 洞窟に入った。眩い輝きに目を覆う
恋愛小説 いじめがあった。捲った袖から見える痣に目を覆う
推理小説 記者は何も答えない。口と耳を塞ぎ、目を覆う

冒険小説 宝箱の鍵をなんなく開けて、金銀財宝に手を伸ばした
恋愛小説 少女の涙を指で掬って、そのまま、頬に手を伸ばした
推理小説 見破った真相を伝えると、相手は口元に手を伸ばした

冒険小説 罠だ
恋愛小説 罠だ
推理小説 罠だ

冒険小説 洞窟中から毒弓か何かが飛んでくるはず。これ以上は危険だ
恋愛小説 相手は年端もいかない子どもじゃないか。これ以上は危険だ
推理小説 被害者が銃を突きつけ、ブン屋に言った。これ以上は危険だ

冒険小説 男は箱から溢れた硬貨一枚だけを抜き取る
恋愛小説 ハンカチを取り出し、少女の涙を拭き取る
推理小説 揉み合いの中で自滅させ、生存を勝ち取る

冒険小説 そのまま海に出て、ぐるりと回って街へ帰った。収穫はほとんどない。今回は全く割に合わない冒険だった
恋愛小説 彼女とはそのまま別れた。名前も顔もほとんど判らない一夜の出会い。もう出会うこともないはずだった
推理小説 そういうシナリオに見せかけたかったんだろう。正当防衛にしたかったのだ。探偵にはお見通しだった

冒険小説 やれやれ。トレジャーハントも楽じゃない
恋愛小説 だが、二人は再会する
推理小説 犯人はお前だ

終わり

「……で、この三つから僕がパクった、って話でしたっけ?」
「だから機械は嫌なんだ。あのですね、こんなジャンルも全然違う三作品から、一つの作品をツギハギできるわけないでしょう?」
「確かに表現として似てるところはありましたけど、そんなの偶然の範疇です。勘弁してください。あんたらの手口は分かってるんですよ」

「自動生成の駄文で著作権を主張する、いい商売だ。でもね。面白さは、量産できないんですよ」

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はい。今度は1時間かかりました。
ダメだ、落とし方わかんね〜!!
精進します、はい。

常に前よりダサい語りを心がけます。