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"土木・建設"とデザイン。

土木・建設会社も、社員たちを雇っていくだけの仕事量が必要です。地方の小さなゼネコンは小規模な入札公共事業が依然収益の柱。例えば中山間地域にある狭い集落には未だ下水管が通ってなく、浄化槽処理でまかなっている地域が多く残っています。

行政サービスは公平公正にすべての市民に対して浸透させていくという大義名分のもと、わずか1~2軒の民家の為に数十㎞の距離を掘り返し、土管を埋めて、橋を架け、道をつくっていきます。

また、ほとんど走る車もないような山間部に無音の道路。しかも途中は行き止まりで断絶されている。…予算を待っている悲惨な状態も多く存在します 。

できるだけ行政サービスを集約していこうかとコンパクトシティを創造している道筋とはほぼ逆行した思想です。“最適化されていかなければならない”土建国家日本の未だ大きな課題でしょう。

環境保全、低炭素社会、脱成長が謳われる未来の社会に、「体に悪い・かっこ悪い・ダサい」という後ろ髪をひかれるような古い価値観で仕事に向かう負のスパイラルがはじまってしまう前に、彼らにこの時代に沿った新しい仕事の開発が必要です。

既存事業を減らしていきながら、少しずつそちら側にシフトしていく、無理のない横移動が。

建設業界も各業種をサービサイズ化していけるといいなと思います。解体業者は壊し続けることでしか報酬を得られない、足場業者は建設現場が無ければ仕事がない、掘削業者は公共事業でしか力を発揮できない…

そんなビジネスモデルはこれからの社会に適合しないと思います。早くこの旧態依然の“つくり続ける”という体質をやめて、本当に必要なものを見極めて事業転換していってほしい。

つくるという作業を、物を作るというだけに留まらず、価値を作るという思考をプラスしてほしいと思います。未開発な過疎地に移住を促進し、未開の地をまた同じように開拓し続けるという予算の取り方を続けてほしくはありません。

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