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実践なき理論は役に立つのか?(実践と理論の融合)

大学院で学ぶ「学習のデザイン」。前回は実践について書いたので、今回は理論側について書きます。

授業で学んだことをそのまま書いてみたら、難しい内容で自分でもよくわからなくなったので、概念的なことにはあまり深掘りせず、「理論ってなんの役に立つの?」に注力してまとめてみます。


理論=予測できる

まず理論の定義から。このように書かれています。

一定の原理によって説明し体系化した知識と、理論的に構成された研究方法などの全体をいう語

三省堂「大辞林」より

うーん、よりわからないような。(理論を説明するのに「理論的に〜」という言葉を使うのは辞書としてどうなんだろう?)もう少し、ブレイクダウンして考えてみます。

原理とは、世の中の事象や認識などを成り立たせるための根本のしくみ、のことです。なので、「一定の原理によって説明し体系化した知識」とは、しくみが明らかになっている知識を意味します。例えば、雨が降るしくみなどがわかると原理になります。

理論とはざっくりいうと原理に関する知識です。じゃあ、原理を知るとどんなよいことがあるのか?それは予測できることです。

雨雲が近づいてきたら雨が降る可能性が高いといったように、理論を知っていれば、結果が予測できるので、よりよい対策を取ることができます。これが理論の役立つ理由の1つめです。

理論=みんなが使える

理論には主観が入りません。

天気予報で週末は晴れてほしい、でも予報は雨…いや、きっと晴れるに違いない。みたいな想いを混ぜてしまうと、結果的に予測の確率を下げてしまうことになり、天気予報の理論が成立しなくなります。

主観が入らないとは、属人化しないことを意味します。誰にでも使える状態になっているものが理論であり、暗黙知は理論ではありません。

みんなが使えるから、理論を積み上げることができて、今日まで人類史が発展してきました。共有できることが理論が役立つ2点めです。

ちなみに、理論には時代や地域に左右されるものも含まれるけれど、天気予報のように普遍的なものほど理論が役立つ機会は多くなります。昭和の日本に通用していた理論、みたいな限定的な理論は本当に理論といえるのか、どうなんでしょう?

理論=活用範囲が広がる

単体の知識は理論とはいえません。例えば「失業率が高い」というデータ自体は、情報であって理論ではありません。

でも「失業率と犯罪発生率が連動している」という関係からは、何かしらの理論がありそうです。

関係について考えてみます。すると、収入確保のために違法なビジネスに手を染めたりヤケになる人が増えるのは、失業が引き起こしている要因が見つかります。このように現象が生まれるしくみの説明までできると、理論が成り立ちます。

失業率がおよぼす理論が明らかになると、経済学などで用いられ、教育や政策など広い分野で活用されていきます。なぜなら、この理論を使えばビジネスや社会秩序がよくなるからです。

知識と知識が組み合わさり、相関関係から新しい知識が生まれることで理論つくられます。関係性を見つけて応用範囲が広がっていくことも、理論が役立つ3点目の理由です。

学んだこと

実践を主として活動していると、「理論を知っていてもあまり役に立たないよね」みたいに思うことがあります。

今回、学習してわかったことは、理論そのものが万能であるという過剰な期待を取り除いて、こんなところに役立てられるんだ、という範囲を理解できたことです。逆に理論なしの実践だけをやってしまうと、その場限りや属人的で発展性がないということもよくわかりました。

理論が持つ「予測できること」「みんなが使えること」「活用範囲が広がること」を知ったうえで、実践と理論をうまく組み合わせていくことを意識したいと思うようになりました。

と、キレイにまとめるような書き方になってしまいましたが、この授業はまだ進捗半分くらいなので、これからも書いていきます。

今日はここまでです。

デザインとビジネスをつなぐストラテジーをお絵描きしながら楽しく勉強していきたいと思っています。興味もっていただいてとても嬉しく思っています。