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Design Scramble Cast #8 市川渚さん

Design Scramble Cast」はデザインプロジェクト『Design Scramble』が運営する、参加型の音声番組です。
毎回様々な分野の第一線でご活躍されているクリエイターさんと、そのクリエイターさんと「お話がしたい」と応募してくださった若手クリエイターさんをお迎えして, 対談の様子をお送りしています。
こちらのマガジンでは、対談いただいた内容を一部抜選してご紹介します。全ての内容を知りたい方は、音声番組「Design Scramble Cast」をぜひご視聴ください。

今回ご出演いただいたのは、市川渚さん(クリエイティブ・コンサルタント)と、有清さん(学生)です。

市川 渚 さん
ファッションデザインを学んだのち、海外ラグジュアリーブランドのPRなどを経て、2013年に独立。クリエイティブ・コンサルタントとして国内外の企業、ブランドのコミュニケーション施策やプロモーションの企画、制作、ディレクションに関わる。

また自身でのクリエイティブ制作にも注力しており、フォトグラファー、動画クリエイター、コラムニスト、モデルとしての一面も合わせ持つ。強い服と少し先の未来を垣間見れるデジタルプロダクトが好き。

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1. ファッションデザインの世界から、デジタルクリエイティブへの転換

市川:市川渚です。フリーランスのクリエイティブ・コンサルタントとして活動しています。主な仕事は二つあって、一つがクライアントワーク。色々なブランドさんのイベントや広告クリエイティブ、ブランド自体の企画やクリエイティブディレクションをお手伝いさせていただいています。二つ目に、自分自身の視点から情報を発信しています。趣味が派生したようなものですが、写真撮影、動画制作、記事執筆などをしています。

有清:大学がオンライン授業の方針をとっているため、現在は東京を拠点に、デザイン会社でインターンとして働きながら、Webサイト・アプリ制作に携わっています。市川さんはもともとファッションデザインに注力されていたと思うのですが、現在のキャリアに変えられたきっかけはなんだったのでしょうか?

市川:十代の頃は「絶対ファッションデザイナーになる」って思い込んで、学生時代もその勉強をしていました。でも私、卒業半年前に学校を辞めているんです。ファッションデザインにおいてなにがすごいのか、わからなくなってしまったんですね。学校の成績は良くても、人をわっと言わせるようなものをつくっていたわけではなくて。そこからまた自分にできることを探した結果、PRのお仕事を見つけました。ブランドやプロダクトとの出会いをつくるお仕事ですよね。自分でブランドをやっている友人も多かったので、サポート側にまわろうと思ったんです。そうやってデザイナーから、コンサルタントやPRのキャリアにがらっと変更しました。20歳くらいのときです。第一の大きなターニングポイントでしたね。

有清:素敵です。私は大学1年生の頃、ITやマーケティングの会社でビジネス職のインターン業務の一環としてデザインに携わっていましたが、今はデザイナーを目指しています。でも大学でデザイン学科を専攻していたり、デザインに長く触れてきた方々との間に壁を感じ、悩むことが多々あります。市川さんがデザイナーからビジネス職へ転換された際に悩まれたこと、そしてどのように乗り越えたのか教えていただきたいです。

市川:先ほども述べたように今は二つの軸でお仕事をしているんですけど、クライアントワークのときは、あえてクリエイターとしては関わらないようにしています。あくまでもディレクター/プロデューサーに徹して、私が信頼する第一線のクリエイターの方々に思う存分やってもらう。それでいいものをつくって、クライアントの効果を最大化することを目的としています。ひたすら旗を振るようなお仕事ですよね。一方で、私の視点から何かを発信する場合は、自分で制作をします。ひとりよがりのものづくりにならないようにと思って、その線引きはあえてはっきりとしています。

有清:ありがとうございます。今、自分の中に市川さんの言葉を染み込ませています......!

2. プロダクトの美しさを体験する

有清:以前、市川さんがApple Watchのフォルムについて話されていた記事を拝読しました。「プロダクトの美しさはそのフォルムだけでなく、使用する人の所作にも現れる」とおっしゃっていた部分にすごく感動しました。市川さんはプロダクトに対する美しさの軸を、どのようにアップデートされているのかお伺いしたいです。感性で選ぶのか、それとも自分自身の法則が何かあるのですか?

市川:割と直感タイプの人間なので、直感に任せて選ぶこともあります。でもやっぱり、色んなプロダクトに実際に触れてみることですよね。たとえばApple Watchだと、つけているときに手を返したときの動き。それを見ている人の仕草。全てを含めてプロダクトデザインされているかって、使っているとわかるし、使っている人を見たらわかりますよね。なのでプロダクトをみつけたときはなるべく自分で使ってみたり、使っている人の様子を見ています。そういう実体験はとても大事にしています。


3. 好きなことをとことん突きつめて

有清:私は現在、デザイン会社でインターンをしています。最近はクライアントによってプロダクトデザインやWebデザインに関する考え方が異なると感じていて、そのなかでデザイナーとして果たすべきミッションについて考えています。市川さんはクライアントワークを、どんな基準で受けているのですか?

市川:依頼してくださる方や企業さんが信頼できる方なのか、そしてそのブランドや商品が共感できるものであるかですね。それら全てに共通するものとして、「最終的にそれを手にするお客様のことを考えて設計しているのか」があると思います。エンドユーザーをちゃんと見ている方とのお仕事は面白いし、マインドの共有もしやすいです。

有清:自分の考えを基にお仕事をされている印象を受けました。、好きなことを確立しながら自分の可能性を広げるにはどうしたらいいと思いますか?

市川:私が今やっていることって、好きで興味が湧いてきて、それを気が済むまで突きつめ続けることをしているだけなんです。その積み重ねなのかな……とは思います。突きつめることに対してのこだわりもすごくあります。しつこい人間なので(笑)。自分が納得できるところまで一回やってみようと、いつも思っています。

有清:妥協しないということですよね。すごいです......!市川さんは、ファッションとデジタルの分野を掛け合わせてお仕事をされていると思うのですが、私もその領域にとても興味があります。二つの架け橋のような人材になるために、何が必要だと思いますか?

市川:どちらもフィールドが大きいので、目的を明確にするのは大事だと思います。なぜファッションとデジタルを融合させる必要があるのか。何のために自分がそれをやりたいのか。そこから逆算すると、具体的なことが見えてくるかもしれないですよね。たとえば生産の過程にもテクノロジーはたくさん使われているし、一方で販売の部分もデジタル化が進んでいます。自分は何に興味があるのか、どの部分に関わることで、ものごとをよりよくしていけるのか。いろいろなものを見て、聞いて、考えることで見えてくるかもしれないと思います。

有清:やはり身を以て現場を経験することは、すごく重要なんだと再認識しました。これから就職活動もあるので、キャリアを考えるこの時期にお話できてよかったです。本当に嬉しくて、忘れられない時間になりました。ありがとうございました!

市川:楽しく、自分がやりたいことを全力でやってみてください!応援しています!

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市川さん、有清さんありがとうございました!

📮 Design Scramble Castへの参加者を募集しています

Design Scramble Cast」では毎月1つ、対談を配信予定です。
また、憧れのクリエイターさんと「お話ししてみたい」「相談してみたいことがある」という若手クリエイターの方も募集しています!
参加希望の方は、Googleフォームからぜひエントリーしてください。

それではまた、お会いしましょう👋🌷

Design Scramble Cast 公式サイト:https://designscramblecast.jp/

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