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ターゲットと利用者の違い・考え方

以前別のアカウントでこの記事を掲載しておりましたが、改めてこの考え方を共有したく、新しいアカウントに再掲載します。

前置き


日頃お客様と打ち合わせをする際に、私自身区別して考えているターゲットと利用者。そもそも利用者という言葉で表現し考える方法はあまり知られていないかもしれません。

私自身ユニバーサルデザインを学びに通っていた時に、この利用者という考え方に出会い、なるほど。と府に落ちました。それ以降、マーケティング視点のターゲティングと、全体を考える上で必要だと思っている利用者を使い分けて発言しておりますが、そもそもきちんと説明していなかったな、と思いましてnoteに書きだしてみました。

ちなみに、ユニバーサルデザインについて誤解されていることがあったり、正しく理解されていない場合もあるみたいなのですが、ユニバーサルデザインは「より多くの利用者が、使いやすい、わかりやすいデザイン」をさします。より多くのとなると、世界中、ありとあらゆる全人類を想定しなくては!と受け止められるかもしれませんが、提供する商品やサービスの中で実際に利用される(であろう想定の)利用者で考えます。

ユニバーサルデザインについては、また機会があれば別の記事でまとめたいと思います。今回はターゲットと利用者の違いについてご紹介します。


ターゲットとは?

ターゲットとは、商品やサービスなどを訴求する際に購入してほしい顧客層のことをターゲットといいます。これはマーケティングの観点からいえばスタンダードな考え方です。

ターゲットは誰ですか?とお聞きするとたまに「20代〜60代の女性」とばっくりとご説明いただくケースがありますが、これをご自身の結婚相手はどんな人がいいですか?とお聞きした場合「20代〜60代の女性(または男性)で誰でもOK!」とは言わないはず。でもビジネスの場合は、やたらターゲットを決めたり絞ったりするのを嫌がられる方がいます。絞る=顧客の数が減るというイメージをお持ちなのかもしれません。


利用者とは?

それに対して利用者とは、ユニバーサルデザインの観点から捉える考え方で、商品やサービスなどを販売(または提供)する場合に、実際に利用される層のことをいいます。

ターゲットは購入して欲しい「顧客層」であるのに対して、利用者は実際に「利用される層」を考えます。商品やサービスを購入されるメインターゲットの他に購入しうる可能性のある層、その商品を実際に利用する人、また販売などに関わる従業員なども利用者に含まれます。


例)ベビーカーの場合

仮にベビーカーについてターゲットを「初めて赤ちゃんができた新米ママ。少し生活にゆとりがありどうせ買うなら評価のよいベビーカーを買いたいと思っている女性」にします。
購入する際に比較検討されるのが、仮にこの新米ママだったとして、購入して実際にベビーカーを利用する人は、新米ママ 、赤ちゃん、お父さん、おじいちゃん、おばあちゃんなどになります。

今回は新米ママがターゲットですが、将来二人目、三人目を授かられた場合、利用者に追加されるのが兄弟になります。

ターゲットだけの声を聞いて商品開発をした場合、もしかしたら兄弟がベビーカーを押すことを想定しておらず、指が挟まったりするかもしれません。利用者に赤ちゃんの兄弟や他の利用者を加えて想定することで、予期せぬ事故、トラブルを事前に想定内で考えるきっかけを持つことができます。


例)コンビニの場合

次にコンビニの場合、メインターゲットを誰にするか絞るのはセンスが求められますよね。既にさまざまな立場の方が利用されているので、従来のマーケティングのターゲティングで考えてしまうとどうしてもそれ以外の顧客層が離れてしまう可能性が高くなります。

先ほどの利用者のところで表示していた図をご確認いただくと、様々な立場の方を記載しています(一例であり実際はもっと複雑で多いです)。

実際には性別関係なく、またエリアを越えても利用されますし、外国人の方(観光、在住どちらも)も含まれますし、さまざまな障がいをお持ちの方も利用されるかと思います。視力の弱い方もいれば、色弱の方もいらっしゃるかもしれません。お客様の層でも様々な立場の方が利用されますし、お店を運営する際には店頭スタッフも当然利用者に含まれます。

高校卒業後、コンビニでバイトしていた事があり、商品を陳列したり商品を見比べる事をしていましたが、間違って陳列したりレジを打ってしまう可能性があるので、店員さんにとっても商品のわかりやすさは重要です。なので、利用者に店頭スタッフを入れていた場合、商品パッケージには識別性がデザインのガイドラインには盛り込まれると思います(店員に限らずお客様にとっても選択疲れをさせないために識別しやすさは必要ですが…)


まとめ

従来のマーケティングでいくと、購入する人だけに意識がいきがちですが、実際に利用される方にも配慮する考え方があるのとないのでは、商品開発で考えるべき点も、デザインする際の方向性も大きく異なってきます。

ファッション性の高い商品やサービスなど、特定の層にアプローチできれば良い場合は思いっきりターゲットを絞ってターゲットが「いい!」と思うような表現やデザインをすれば良いのですが、公共施設や不特定多数の方が利用されるような場合は、メインターゲットの他に利用される方にとっても使いやすい、わかりやすいデザインが求められます。

後々そんなつもりはなかった。。想定外だったとならないためには、利用者の洗い出しがとても大事だということをお伝えしたく、noteに簡単にまとめてみました。

掻い摘まんでの説明なので分かりにくい点がありましたらすみません。参考になれば幸いです。



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