教室の安定には、リピーターこそ命と気づく

・あなたはどれだけのファンを持っていますか?

ときどき、「あの人は先生の追っかけですね!」と言われます。とてもありがたいことに、わざわざ電車に乗って何年もの間来てくれる生徒がいます。「追っかけ」というとなんとなく良いイメージがしません。しかし「ファン」というのも芸能人でもないのに、と気が引けます。でもここはあえて、「ファン」と表現したいと思います。

当然ですが、私も最初からファンがいたわけではありません。それどころか前の項でお話しした通り、リピーターはゼロでした。それなのに、なぜか私にはファンと呼べるような生徒がつくようになったのです。それはなぜか?私の教え方がうまいからでしょうか?ウチの教室が激安だからでしょうか?

いえいえ。それはきっと、私が作る教室の雰囲気に居心地の良さを感じてくれているからだと思います。もちろん、教え方や私に好意を持ってくれているとは思うのですが。

世の中には、ファンのいる先生とそうでない先生がいます。どちらの先生が教室を安定できると思いますか?当然、ファンを持っている先生です。ファンは、太極拳やスマホを私以外の人から習いたいとは思いません。これはすごいことです。「ファン」は何年も通ってくれます。「ファン」は口コミしてくれます。「ファン」は新しい生徒を紹介してくれます。優秀な営業マンは「売らずに売れていく」と言われますが、それは「ファン」が売ってくれるからに他なりません。


・リピーターからファンを作るために

先ほどのセールスファネルを思い出してください。第三段階、第四段階を経て、第五段階の生徒がいわゆる「ファン」と呼べる生徒です。ここで知っておかなければならないことがあります。第三段階、第四段階にいる生徒でも、場合によっては「ファン」とはいえない生徒が含まれている!ということです。

資格を取りたいと思う生徒って、既に何年も通っているわけだから、当然「ファン」ではないの?と思いますよね。もちろん、その先生から資格を取りたいと思うくらいですから、信頼してこそです。あなたの教室が、あちこちに似たような教室がある場合は、「ファン」と言えると思います。しかし、教室で教えている内容が、その教室でしか教えていない特殊な技術だった場合はどうでしょう?残念ながら、先生のファンとはいえない、資格取得が目的の生徒が存在します。

ある意味、他では取得できない特殊技術の教室であれば、ファンがいなくても教室は成り立ちます。もし、あなたの持つ技術が他では習えないものだとしたら、この先を読む必要はありません。どうぞ、本を閉じてください。しかし、そうじゃない方はぜひ読み進めてみてください。

私が教えている太極拳もスマホも、それこそあちこちにあってライバルが多い激戦区です。ということは、「ファン」を作らなければ生き残ることはできないのです。

そこで私がしたことは、実はとてもシンプルなことでした。

○生徒の名前を必ず覚え、○○さんと親しく呼ぶ

○雑談を大切にする

○先生であることを意識する

生徒が「今日来てよかった。また来たい」と思ってもらえるようにすること。いつ来ても、居心地が良くて、歓迎されている雰囲気作りを意識しています。そのために、生徒とはフレンドリーに初めて来た方にも「○○さん」と呼びかけます。また、その方の〝ひととなり〟を知るために、雑談を大切にしています。例えば、今度旅行に行く。ということがわかれば、次回いらしたときに「ご旅行はいかがでした?」と旅行のお話を伺ったりします。楽しい旅行であれば、色々なお話を聞けて、打ち解けた雰囲気になります。しかし、どんなに打ち解けたとしても、教室内では先生と生徒です。先生として認識してもらえるように、立ち居振る舞い、話し方などを意識しています。

面白いことに、ウチの教室には、太極拳はほとんどやらずに、お茶と足湯だけに来る生徒がいます。あっ、ウチの太極拳教室では、生徒同士が仲良くなれるように「ティータイム」があったり、リラックスしてもらうために「足湯」に入ってもらったりしてるんです。

そんなわけで、他にはない雰囲気の教室ができ、その雰囲気を気に入った生徒が「ファン」になってくれたのだと思います。


もしかしたら、感の良い方はお気づきだと思いますが、フリーランスのデザイナーやライターにも「ファン」の存在は重要です。

ここであなたに問題です。フリーランスの仕事を安定させるためには何が必要でしょうか?

正解は、定期案件をどれだけ持っているかですよね。では、定期案件をくれるクライアントは、なぜ?あなたに仕事をくれるのでしょうか?あなたのデザインや文章を気に入っているから。もちろんそうでしょう。でもそれだけではありません。あなたの仕事への姿勢を信頼し、長く付き合いたい相手と思っているからです。つまりそれは、「ファン」だからなのです。

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