読書感想「思考の整理学」
私は「整理」や「アイデア出し」といったことに興味がある。
そういったことに対してのプロフェッショナルたちがよく紹介している「思考の整理学」。
ずっと気になっていたので、読んでみた。
本の構成としては、たくさんの整理に対するテーマについて、短編集のように短い内容で作者の思考の整理に対する考えが書かれており、読みやすい構成になっている。
ロングセラーということで昔の言葉や漢字の言い回しがあり、理解に苦しむところも多々あったが、構成的には読みやすかった。
印象的だった部分の紹介
読んだ中で心に残った部分を紹介する。
●家の掃除と一緒で、脳みその中身も忘れることで整理することが大事:
私はとにかく知識を脳に詰め込んでたくさん吸収することが大事だと思っていたが、それは間違いだということに気がついた。
「忘れる」ということを通して脳みそに余白を作ることで余裕が生まれるし整理されるということで、掃除と例えた表現が大変印象的だった。
●紙に書くことで、忘れてもいいと思ってしまう:
私は人の話を聞くにもどんなことにたいしてもメモを取ることが多い。
いわゆるメモ魔のようなものだ。
ただこの本の中では、メモを取れば取るだけいいというわけではなさそうだということに気がついた。
メモを取って満足してしまう、忘れてもいいと思ってしまう、ということが起きるからだ。
メモを取らないという状況をつくることで、あえて脳に記憶することに注力することで人の話をより聞くようになる、ということだ。
全部が全部あてはまる話ではないと思うが、状況によってはメモを取ることに集中して大事なポイントを聞き逃すことのないように聞くこととメモることを使い分けていきたいと思った。
ただこの点に対して、メモの魔力さんはどう思っているのだろう?と気になるところだ。
●コンピュータが出てきた今、覚えることではなく創造することが大事:
本の中で学校教育は暗記力テストになってしまっているという指摘があった。
コンピュータが出てくる前はそれで良かったが、コンピュータが普及した今は暗記力はコンピュータに任せて、人間にしかできないことに注力すべきだということが書かれていた。
現在は学校教育でもアクティブ・ラーニングなどが始まっているようだが、確かに今はAIの技術も発達し、想像力すらも人間に取って代わる時代にもなっており、改めて人間にしかできないことを模索して、デザイナー・クリエイターとして頑張っていきたいと思った。
●読むだけでなく音読することが大事:
声に出して読むことで見落としなどにも気づくので、読むだけじゃなくて声に出すことも大切にしていきたい。
●ピグマリオン効果:
ピグマリオン効果とは、他者から期待されると成績が向上する現象のこと。
褒めることは相手の成長にもつながるということで、自分も人を褒めるように意識しようと思ったし、人を褒めることは大事なんだなと改めて感じた。
●スクラップブックは人間の贅肉と同じで、時々整理しないと結局重要なものがなんなのかわからなくなってしまう:
この言葉はハッとさせられた。
集めればいいってものじゃないんだと。
いままでスクラップブックをしたことは何回もあるが正直続かなかった。
なぜかわかった気がする。集めて満足みたいになっていたし、たまにみたときにこれなんだっけ?とかなんでこんなものに惹かれたんだっけ?みたいのが出てきても放置していた。
集めれば集める分だけ量が増えて太るだけで、重要なものがどんどんかすれてくるということだ。
今後は定期的に今の自分に取って大事なものは何なのかとアップデートを続けていき、今の自分に重要なものを取っておくというスタンスで太らないようにしていきたい。
●環境による影響は大きいということ:
環境を変えると自然と周りとの関係性が変わり、自分の役割も変わる。
だから卒業して大学デビューと言われる人がいたり、転地療法という病気を治す方法もあるのだとわかり、環境による影響って大きいものなのだなと感じた。
転職も同じで、環境を変えるという意味ではいいことなのかもしれないと思った。(もちろん悪化することもあるが)
たくさんのコンテンツが載っている本なので、整理について考えたり困ったりしている人は一度読んでみてもいい本だと思う。
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