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3/4|OPEN LIVING LAB DAYS 2016 に参加しました

Open Living Lab Days の2日目の後半は、3つのプログラムの中からNetworking Sprintと呼ばれる3時間で3つのセッションを実践するプログラムに参加しました。

01. リビングラボのピッチとスピードデーティング

プログラムの始めは、様々なリビングラボが3〜5分程で理念や活動を紹介するピッチが行われました。トップバッターはフランスのuCIL Living Labと呼ばれる神経学と精神医学の領域に特化したヘルスケア系のリビングラボで、現在10のプロジェクトを進行しながら100人以上のユーザーを巻き込み、実践している非常に興味深いリビングラボでした。次に、スウェーデンのLinnaeus 大学の運営するSmåland Living Labは、メインカラーである黄色のドレスアップで会場を沸かせていました。このラボでは、まず第一に参加者のモチベーションが参加基準になっており、素早い共働を促進させることでプロジェクトを押し上げ、サステイナブルな関係性をつくることを思想としているそうです。モチベーションが重要な参加基準となっているというだけ、メンバーのスキルやプロジェクトに対しての意識が高くないと成り立たなそうな仕組みでしたが、その分リビングラボの思想を実現しようと高い理想を以って運営している姿勢は大変勉強になりました。そして、ギリシャのテサロニキにあるTHESS AHALL Living Labでは、テクノロジーなどを使い、シニアとの共創オープンイノベーションを目指していました。この他にも、開催地モントリオールのリビングラボやスキンケアの研究をしているリビングラボなど、さまざまなラボからピッチがありました。

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ギリシャのTHESS AHALL Living Labのピッチの様子

ピッチの後はスピードデーティングの時間が設けられ、5分区切りで参加者の誰かとペアになり、自己紹介をしながらお互いの興味分野について話すセッションがありました。実は、このセッションの前に5つのテーマの中から興味のある3つを選んで洋服などの見える場所に貼るという案内があったので、そこに共通点を見出したりしながら話すという仕掛けがありました。5つのテーマは、Urban & Smart City Living Labs・Regional/Territorial Living Labs・Living Lab services for SMEs・Research on Living Labs・Health Living Labsとあり、私はUrban & Smart City Living Labs(都会のスマートシティにおけるリビングラボ)”Living Lab services for SMEs”(スタートアップカンパニーのためのリビングラボサービス)”Research on Living Labs”(リビングラボのリサーチと未来)の3つでした。このセッション、合図があるとすぐに次のペアを見つけて話さなくてはいけなかったので、かなりクイックな会話の中でポイントを絞って話すのは大変でした。しかしここでのセッションが、こんなにたくさんの種類のリビングラボが世界中にあるんだ!と実感したとても濃い時間でした。(本当に少ししか話せなかったので、ここで話が合う人たちとは取り急ぎ名刺交換をして、また後で話そう〜、という感じでした。)

02.ツールやメソドロジーに関するピッチ

2つ目のセッションは、さらに2つのトピックに分かれており、私はツールやメソドロジーを紹介するグループに参加しました。

まず最初は、かなりプラクティカルなツールの紹介です。イギリス・ブリストルにあるKWMCはTips & Tricks for Living Labというトレーニングやワークショップなどに使うカードセットを紹介していました。カードには色々な言葉がイラストと共に書いてあり、ワークショップなどのアイデアトリガーや評価など、様々な使い方ができそうです。まだ開発段階のようですが、限定でテスト販売していたのでACTANTでも2種類購入してみました! これから試してみるのが楽しみです。

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KWMCが発表したTips & Tricks for Living Lab

次に、バルセロナのLibrary Living Labのピッチでは、デジタルツールを使って子供たちが色々なストーリーを作るワークショップの仕組みや方法などを紹介しました。また、メンバーのネットワークなども面白く個人的にはとても興味を惹かれる分野でした。

他にも、フランスからファブラボとリビングラボの機能を併せ持ったFab Living Labというラボの紹介やイスタンブールにあるBASAKSEHIR Living Labというインキュベーションセンターが運営しているリビングラボが開発したネットワーキングをするためのツール(カードなど)が紹介されました。

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ツールやメソッドを発表しているプレゼンターの様子

03. テーマディスカッションとリビングラボネットワーキングのためのピッチ

最後のLiving Labyrinthというセッションでは、先に挙げた、スピードデーティングの時の5つのテーマの中からさらに1つ興味のある分野を選び、テーブルごとに分かれ、そのテーマに関するグループディスカッションが行われました。私はResearch on Living Labsのグループに参加しました。そこでは、現状リビングラボでリサーチがどのように行われているのか、リサーチ結果をどのように活用しているか、などについて意見を共有し、今後の発展可能性などについてディスカッションをしました。

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Living Labyrinthを行っている様子

セッションの最後には、Network of Networksと題された最後のピッチセッションが行われました。ここでは、イギリス・コベントリー、オーストラリア・シドニー、オランダ・アムステルダム、アメリカ・テキサスなどから様々なトピックのリビングラボが参加し、自分たちのプロジェクトを紹介しながら、必要なスキルや人材、ネットワークなどをプロモーションする場として設けられていました。例えば、「こんな組織やリビングラボと提携したい」や、「今後こういう展開を考えているから興味があるラボは一緒にやりませんか?」などといった感じで、まさにリビングラボ同士のネットワーキングセッションとなっていました。

3つのセッションを終え、日本からインターネットで調べていたリビングラボの情報量を優に超えていました。まさに百聞は一見に如かず。実践している人たちと直接話す重要さを感じながら、次にカンファレンスに参加する時にはACTANTもピッチに出られたら良いなぁと思いながら聞いておりました。

このように内容盛りだくさんのNetworking Sprintのプログラムが終わり、最後のクロージングとして、同時刻に他のプログラムで行われていたワークショップの成果発表をしてカンファレンス2日目が終わりました。

カンファレンスの様子がこちらのビデオにまとめられていますので、今までのブログと合わせて見ていただくと、会場の雰囲気が伝わるかもしれません。

次回のブログでは、3&4日目に実施されたワークショップについてご紹介します。(木村恵美理)
(2017.3.9)