見出し画像

L/R/M/B、W1/W2/W3… いろいろな太さ記号

フォントざっくり解説⑪

フォントに興味はあるけれど細かい事が不安で何となく購入に至ってない方、仕事で入手する必要ができてしまったけどイマイチ選び方に自信がない方のための、ざっくり解説。
厳密すぎる説明で途方に暮れてしまわないよう、選ぶ・買うのに必要な知識を、ほどほどに端折りながら解説します。
※2016年11月時点の情報です。


経験上すでに馴染みのある方も多いと思いますが、○○明朝B、○○ゴシックLなどフォント名の最後についた1~2文字の記号は、大抵の場合「ウェイト」つまり文字の太さを表しています。ここでは、最近よく使われるW~表記との関係など、ウェイト記号についてご紹介します。

まずは分かりやすいほうから、W1~W9について

市販されている書体の中には、基本的なデザイン骨格は同一でありながら「太さ違い」の概念を持つものも多く存在します。
フォント製品では、このようなシリーズの太さ違いをフォント名末尾の記号で表す習慣があり、主に最近のOpenType製品においては国内の多数のメーカーが「W1/W2/W3…/W9」の記号を用いるようになりました。
例えば、最近になってさらに細い「W0」ウェイトまで追加されたヒラギノフォントの角ゴシック体 W0~W9 を並べると以下のようになります。

太さ違いの例:ヒラギノ角ゴ W0~W9

上に挙げた角ゴシック体の他にも、明朝体丸ゴシック体など主に本文用途の書体において、このような太さ違いの製品が多く商品化されています。

なお、W1・W2…のWは、フォントの「太さ」に相当する用語「Weight:ウェイト (重さ)」の頭文字をとったものです。

かつてよく用いられた L・R・M…方式の太さ表記

前述のW1・W2…というWeight数字表記は、最近でこそ複数のメーカーで使用されるようになっていますが、もともとは Light (または1文字でL)・Bold (または1文字でB) というように、英単語やその頭文字による表記が一般的でした。現在もこの方式を用いているメーカーは多く残っています。
以下の表は、Weight数字と従来表記のおおよその対応を表したものです。

実は上記の表のうち、「Semi light」「Semi bold」という表記は、ISO表記にあるものの実際のフォント製品ではほとんど馴染みがありません。
それぞれ「Regular」や「Demi bold」という名称のほうがはるかに多く用いられています。

メーカーによっては、W1・W2…という表記と英字表現の対応が上記と異なる場合もありますし、上記以外に、一部メーカーでのみ使用されている太さ表記も存在します。

W0とかW12、WじゃなくてL2・B2なんてのもあるけど…?

これまで説明した太さ記号はあくまでメーカーの命名する書体名・製品名の一部であり、厳密な統一規格や基準がある訳ではありません。
例えば最初に例に挙げたヒラギノ角ゴシリーズには最近になってW0という超極細製品も登場しましたし、ダイナフォントでは太いほうのウェイト記号はW14まで存在しています。

なお、旧リョービのフォント (現在タイプバンクから販売) では、「Ro本明朝Std-B2」のように書体名の最後にL2・B2・M2・E2という記号がついているものがあります。これは、過去に販売されていた「本明朝Bの後継版」というような意味で2を付け足したものです。2という数字自体に太さの意味合いはありません。


【メイン画像使用フォント】
ロゴ:パンダベーカリーDSきりぎりす
タイトル:パンダベーカリーDSきりぎりすDSあかり


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?