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建築5つの原則

隈研吾展〜新しい公共性をつくるためのネコの5原則〜(@東京国立近代美術館)に行ってきた。

隈研吾さん(1954/8/8−)が生み出してきた建築物の中から“公共性の高いもの”をテーマに68件が紹介されている。
建築について造詣が深いわけではないが、4年ほど前、高知県梼原町に訪れた際に隈研吾が設計したという公共施設(「雲の上の図書館」「雲の上のホテル」など)に触れ、木のぬくもりを生かした”やわらかい”設計に感銘を受けた記憶があり、吸い寄せられるように本展へ足を運んだ。(国立近代美術館は最寄りの竹橋駅から徒歩3分ぐらいで到着するけど、とにかくめちゃくちゃ暑かった。どうでもいいけど。)

68件の建築物は「孔」「粒子」「ななめ」「やわらかい」「時間」という5原則に分類して展示されている。(5つ、それぞれの意味はぜひ会場で!)

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この5原則に思いを馳せながら展示物を見ていると「建築物と、建築物」「建築物と、建築物が存在するための環境」「建築物と、建築物と共に生きるもの」ということを考えたくなった。言ってしまえばそれぞれどうすれば共存し得るのかということなのだが、それはそれぞれが受け入れやすい状態になることで、互いに異質であるが異質であることを意識しないで済むことだろうと思う。

と…難しいことを格好つけて考えみたりしたが、結局は、そこで長い時間過ごしたいと思えて、どんな「人」も「もの」もすべてを自然に受け入れる建築物が、すなわち公共性が高いということではないかと思う。(結局ざっくりとしたまとめに…たぶん、隈さんが言っている5原則はこういう浅い話ではない。)
そういえば僕が通っていた大学は、コンクリート打ちっぱなしでおしゃれな外観だったが、住宅街と田んぼの中に突如出現した違和感たっぷりの建物で、夏は熱がこもるし冬は見た目も空気も寒く、何より個人的に参ったのは「今、自分がどのあたりにいるのか」という方向感覚のつかみにくい配置でしょっちゅう迷子になった。だからどうってことはないのだが、隈研吾作品とは全く違うタイプの、建築物そのものが強く主張するタイプだった。「孔」「粒子」「ななめ」「やわらかい」「時間」の観点であの建物たちを改めて考えてみるとおおよそその原則に当てはまらないわけで、あの頃感じていた違和感が何だったのか、ようやく理解した気がする。(フォローするわけではないけど、ソフト面ではパソコンその他設備がかなり整っていてすばらしいキャンパスだった。)

しかしこの5原則、人間関係や組織のあり方を考えるときにも応用できるのでは…。

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