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ハードル

「ゼミによってはAdobeを学生に買ってくれるゼミもある。でも私のゼミは自費だ。」

そんな話を聞きました。

そう言った本人も、それが嫌だと思っていない事はわかっているので私もここに平気で書けますが、

今回も、三年生にコートハンガーをプロダクトの課題にしました。

「学生にこれを自費でやらせてるの?」
なんて声も聞こえて来ます。冗談🤭なのか?

でも、そんな課題をやらなかった先輩達は、自分達はお金がかからずにラッキーだったなんて1ミリも思ってはおらず、自分達もやりたかったと、思っています。

「後輩はすごい。こんな代表作品になるような大きな課題が出来て羨ましい」

そう思っている訳です。

私はいつも言いますが、

「身を食う芸が、身を助く」

これは本当です。

自分のお金を使うから、いかにお金を使わずに良いものを作れるかを考え、工程を減らし最高の効率を考える。これが量産品を作るデザイナーのすべき事であり、自分が一生懸命手作業で作る事が美徳でもないと私は考えます。

そして、学生達も自分のお金を使うから絶対に失敗出来ないと緊張感が出ます。そして、頭をフル回転させて、安くて良いものにしようと努力するし、方法を考える。

今の経済資本主義活動の根本はそれです。

それが全てだとは思いませんが、学生自身の成長になるなら私はその事実を使います。

学生にお金を使わせるのも、大切な事だと私は思います。

私もそうでしたから。

学生当時30万のパソコンと高額なソフトが必要でした。
でも、それによって手に入れた気合いは、
今から思えば安いものだったのです。

ハードルは高い方が良い。

ハードルを下げるなんて、
優しいようで逆に厳しい事です。

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