WEB畑出身のデザイナーが印刷工場の見学に行ってきた話し
こんにちは、あるいはこんばんは。
今回の記事の主旨は印刷への距離を縮めた私の体験をお伝えすることです。自分の頭の整理も踏まえてこの記事を書いてみようかと思い立ちました。
また、写真撮影はもしかしたらOKだったのかもしれないですが、今回は撮っていません。
できるだけ、図や代わりの画像などで工場の様子が伝わるようにしてみようかと思います。
なぜ印刷工場に見学させてもらう運びになったのか
前述の通り私はもともとデザイナーになる際に、WEB制作から入りました。
中にはWEBデザインに特化される方も多いでしょうけれど、私の場合はロゴを軸としたブランディングに興味があったので、最終的にはWEB周りだけでなく、ロゴ・パンフレット・WEBサイト・名刺や封筒などのツール周りetc…など、抱き合わせで提案していくことを目標としています。
最近ではWEBサイトのデザインを行った後、、
おかわりをいただいて、紙のデザインを担当させていただいたりしており、まだまだではありますが、少しずつ軸足を増やしていけているような感覚です。
そんな中、やっぱり印刷物においてつまずくのが「入稿に適したデータの作り方」「印刷屋さんとの気の利いたやり取り」です。
入稿後、どんなふうに印刷物が出来上がっていくのかが想像できないので、どんな部分に配慮すればいいのかが分かりませんでした。
私と同じようにWEB畑の方は理解できる感覚だと思うのですが、印刷物における印刷屋さんは、WEBでいうエンジニアさんです。私はWEBではエンジニアさんと距離近く仕事してきた(むしろコーディングしていた時期がある)ので、その経験から比較的エンジニアさんとのやり取りには自信があります。
それならば…!
印刷でもそれと同じことをやれば良い=印刷屋さんの仕事を理解すれば紙物制作に対するハードルを下げることができるのでは?と考え、高知県のいくつかの印刷会社さんに連絡させていただきました。
そして、快く承諾してくださった弘文印刷さんへお邪魔してきました!
弘文印刷さんはとても気の良いメンバーの集まりだった
弘文印刷さんは、神木隆之介さんが演じた牧野富太郎さんの絵本「まきのまきのレター」など、高知を代表するような制作物を日頃から担当されている高知市内にある印刷会社さんです。
お邪魔させていただいてみて分かったのですが、皆さんすごく意欲の高い方ばかりで、何より会社の雰囲気がとても良かった。
今回見学の日程調整からやりとりしてくださった取締役の楠さまはもちろん、全フローのスタッフさんがとても親切で、作業道具などを持ってきてくださったり案内してくださり、手取り足取りお仕事のことを教えてくださいました。皆様のご対応が素晴らしすぎて、お話しさせていただいたメンバー全員の顔を覚えています。
このご恩を返すべく、今後高知でもお仕事をとって、依頼させていただきたいです…!頑張る💪
印刷屋さんの業務フロー
今回、見学をさせていただいたり、皆さまから説明をいただいて、印刷屋さんの主な業務フローはこんな感じだと理解しました。
1.入稿
入稿はデザイナーさんならご存知と思うのですが、印刷屋さんにデザインデータを渡すことを言いますよね。
2.制作部がデータチェック
ここで、入稿したデータを印刷屋さんの制作部が見てくれます。不備があると依頼主に差し戻しがあったりします。
3.制作部が画像補正
入稿されたデータを印刷に適した色になるように補正をしてくれています。
デザイナーやカメラマンさんによって色の好みが違ったりするので、その要望に合わせて補正しているそうです。
例えば食べ物を美味しそうに見せたり、一部合成したり、人の細かい髪の毛を含む切り抜きをしたり…デザイナーの味方です…!ありがたや🙏
↓作業イメージ
4.色校正
デザイナーやクラアントに営業さんが持っていって、出来上がった印刷物の色合いが、イメージ通りに再現できているかを本番印刷前に確認します。
5.画像修正①
色校正から修正が入ったらその対応をする。
6.印刷部が本機校正
修正指示通りになっているか、デザイナー・クライアントが印刷現場で立ち合い。
ここはおそらく印刷に馴染みがない方からしたらめちゃくちゃ驚きの多い工程なので少しじっくり話したい。後に詳しく書きます。
7.画像修正②
本機校正を経てデザイナー・クライアントから再修正指示があれば対応。
8.印刷
修正指示通りになっているか、デザイナー・クライアントが印刷現場で再度立ち合い。
9.仕上げ
折ったり、貼ったり、裁断したり。依頼された完成状態に持っていく作業。
ここも色々と面白かったので、後に詳しく書きます。
10.納品👏
納品先へ配送して、やっと納品です!
印刷屋さん、いつもありがとうございます・・!
特に勉強になったこと。余談もあり。
本機校正。知らないことばかりだった。
印刷部のメンバーが印刷中の制作物を↓みたいなルーペで見ていました。
私も見せてもらったのですが、のぞいてびっくり…!
綺麗な写真もよくみたら、ぜんぶ点でできていました。
網点(あみてん)というんですね。ちょい昔の漫画で見るやつや・・・!
あと、皆さんこれ知ってました?
「C」「M」「Y」「K」一色ずつに一台印刷機があって、「K」「C」「M」「Y」の順で刷られていくことを・・・!
先輩方からしたら知ってて当たり前なんでしょうけどね!
私からしたら眼から鱗でしたよ!楽しかった!笑
↑この記事がわかりやすいです。
仕上げも大切なお仕事(あたりまえだけどね)
仕上げもすごかったです。
折る機械と裁断する機械がありました。
すごかったです!!(語彙力)
巨匠、梅原真さんの話し
梅原さんもよく利用されるようで、少しお話しを聞きました。
高知といえばカツオが有名ですが、カツオの写真も、おいしく見えるようにが優先だとのこと。
「実際の色と近づけなくて良い。嘘ついてええねん。」というのが梅原さんの考え方とのこと。
でも確かに高知のカツオって実際はちょっと黒いんです(高知限定ではなくカツオはちょっと黒いのかな)。
で、これをこう
私は補正のプロではないので、精度は置いといて、
確かに美味しそうに見える。
巨匠たちは日々こうやって、手に取った人にどう伝えたいかを
考えているのだな〜と感じることができました。
まとめというより感想
印刷のことを肌感で理解出来ている部分が少なかったので、印刷屋さんのお仕事を横で見ることができて、印刷との距離が少し縮まったような気がします。
そして「印刷(知らないから)怖い」というイメージは随分なくなりました。
きっと恐れていたほど印刷は難しい世界ではなく、あくまでも印刷のクオリティーを上げることも、デザイナーと印刷屋さんのコミュニケーションの中で生まれることなんだと感じました。
印刷のことが分からなくて、なかなか一歩踏み出せない方がいらしたらぜひ工場へ見学へ行ってみてください。
これからのデザイン人生を豊かにしてくれる時間になることは間違えないと思います。少なくとも私はそう感じました。
長くなりましたがご清聴ありがとうございました。
次回は何を書こうかな〜
ではでは!
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