レモネードのまゆこさん、アイスコーヒーのひろしさん
まゆこ:名古屋に住んでいる明るい女性。
ひろし:田舎から出てきた男性。
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まゆこ:彼、「ひろし」とは友達の紹介で知り合った。
まゆこ:「ひろし」は田舎から都会に出て来たばかりで、
まゆこ:まだこちらの地域のことはあまり知らない。
まゆこ:だから今日は一日、ひろしを町に連れ出して歩き回った。
まゆこ:いろんな所を二人で見て、歩き疲れたので喫茶店で休憩することにした。
まゆこ:「ねぇ、ひろし、喫茶店入ろう?」
ひろし:「あぁ。」
(SE:ドアベルの音と店員の挨拶)
(SE:椅子に座る音)
まゆこ:「ひろし、何飲む?」
ひろし:「俺はアイスコーヒーだ。まゆこ、お前は?」
まゆこ:「私、レモネード!あと、洋ナシのパフェ!」
ひろし:「ん、注文決まったな。」
まゆこ:「すいませーん!オーダー良いですか?
まゆこ:アイスコーヒーとレモネードと洋ナシのパフェ下さい!」
(SE:店員の確認の声)
まゆこ:「あー、疲れた!足が棒だわ。」
ひろし:「俺は田舎に無いものを見れて良かったぞ。」
まゆこ:「ひろしが満足したなら、この疲れもありかぁ。」
まゆこ:私はそう言いながら身体を伸ばす。
まゆこ:ひろしは足を組み替え、背凭れに堂々と寄りかかった。
ひろし:「まっ、こっちも良いもんだな。」
まゆこ:「でしょ?」
ひろし:「ふっ……。今日は楽しかった。」
まゆこ:「本当?」
ひろし:「だって、ゲームセンターなんて……俺の田舎には無いぞ。」
まゆこ:「楽しかったね!UFOキャッチャーで盛り上がってさ!」
(SE:店員の「お待たせしました」の声)
まゆこ:「あ、レモネード美味しそう!あと洋ナシのパフェも綺麗~!!」
ひろし:「さて……俺のアイスコーヒーも来たし……飲むか。」
まゆこ:「頂きます!」
ひろし:(SE:ストローの音)……冷たくて美味いな。」
まゆこ:「(SE:ストローの音)……うん、レモネードも美味しい!」
まゆこ:二人して夢中になってレモネードとアイスコーヒーを飲み進めた。
まゆこ:ひんやりとしたグラスに空気が触れて水滴となって垂れて来る。
まゆこ:一口、一口と飲み進める度に、口の中を爽やかな檸檬の味が駆け抜けていく。
まゆこ:洋ナシのパフェも中々に大きく、食べ応え満載だ。
まゆこ:「洋ナシ甘ーい!」
ひろし:「それは良かったな。」
まゆこ:「レモネードも美味しいし……やっぱ喫茶店、最高!
まゆこ:今度はモーニング食べに行こまい!」
ひろし:「あぁ。」
まゆこ:「名古屋のモーニングは凄いから、楽しみにしときゃあね?」
まゆこ:私はレモネードとパフェを完食し、ひろしに笑いかけた。
まゆこ:ひろしも飲み終えたアイスコーヒーをテーブルの端に置き、私の目を真っ直ぐ見た。
ひろし:「……なぁ。」
まゆこ:「ん?何?」
ひろし:「まゆこ、一緒に暮らそうか。」
まゆこ:ひろしが穏やかなトーンでそう私に言う。
まゆこ:「ここでプロポーズ?ひろしったら……。」
ひろし:「嫌なら別に断ってくれればいい。」
まゆこ:「嫌なわけないがね!返事は勿論、はい、だわ!」
まゆこ:飲み終えたはずのレモネードがまだ口の中を駆ける。
まゆこ:でもそこに酸っぱさは無く、蜂蜜の甘さだけ。
ひろし:「まゆこ、幸せにするでな。」
まゆこ:甘いひろしの言葉に、私はお酒を飲んでいないのに少し酔った気がした。
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