見出し画像

展望: 2024 J2 第11節 清水 vs 仙台

4/20(土)のホーム仙台戦についての展望を書きたいと思います。


これまでの仙台との対戦成績は?

仙台との通算成績は、清水の18勝7分10敗。直近の5試合は以下の通り、一度も負けていません。

過去5試合の対戦成績(SPAIAより抜粋)

昨季は、秋葉監督体制2試合目の第9節ホームは1-1の引き分け。

前半終了間際に白崎が先制も、後半に郷家に同点弾を決められて、両者決定機がないままに試合が終了しました。
一方で、第24節のアウェイ仙台戦は、3-0と快勝しました。

前半11分の早いタイミングでCKからカルリの先制点。すぐさま前半18分に北川が相手のパスミスを奪い、乾に繋げて追加点。さらに後半の9分にもカルリの突破から、乾に渡り、乾のクロスをカルリがボレーで合わせて3点目。早い時間でゴールを複数奪った清水が危なげない試合展開で勝利を収めました。
通算成績では有利に立ち清水ですが、今季の仙台はどういうチームでしょうか。

今季の仙台のこれまでの成績は?

仙台はここまで10試合で4勝5分1敗の勝ち点17位で5位とPO圏内の好位置につけています。まだ1敗(清水は2敗)しかしていないという安定ぶりです。
得点は1.0と全体の11位で決して高くないのですが、失点は0.6点とJ2の20チーム中1位という堅守を誇ります。これまで複数失点は先日の愛媛戦の1試合のみ。その他は1失点以内に押さえているという驚異的なスタッツです。
最近の5試合の戦績は以下の通りです。ちなみにルヴァンカップは1回戦で沼津に敗れて既に敗退が決定しています。

清水 vs 仙台 対戦成績と直近5試合の戦績

ホームで愛媛には負けてしまいましたが、前節は山形とのみちのくダービーを2-0で勝利、7節では横浜FCにアウェイで2-1で勝利と強いチーム相手に勝っているというのが怖いところです。

今季の仙台はどのようなチームか?

今季の仙台は、昨季J1昇格を目標に掲げながら、16位と低迷したチームの状況を変えるべく、U-17日本代表監督を務めた、ゴリさんこと森山佳郎監督に白羽の矢を立てて招聘。ゴールに向かう迫力ボールを狩りに行く迫力切り替えの速さなどを注力領域に掲げて、チームの改革を図っています。
選手としては、松崎快の清水移籍など、何名かの入れ替えはあったものの、主力の多くは残留。新たな監督の下で、J1への復帰を目指しています。
森山監督は、元日本代表のDFらしく、ディフェンスの強化を先に取り組んでいると思っており、その結果が1試合平均0.6という高い守備に繋がっているのだと思います。守備の仕方も、秋田のように引いてブロックを作って、堅守速攻という形ではなく、トランジション早く、前線からハイプレスをかけていくスタイルであり、これまでの対戦相手の中では、千葉に近い戦い方だと思います。
基本システムは4-4-2。試合の流れで3-5-2にも柔軟に変えてきます。メンバーは、前節の山形戦が主体になると思います。

仙台 vs 山形のスターティングメンバー

もう一つの山形の特徴は、ポゼッションにはこだわらず、攻め切るサッカーをしてくること。これは前節のいわきFCに似ています。特に中央攻撃の割合が高く、手数をかけずに前線にボールを運びシュートで終わるようなサッカーを展開してきます。

仙台の注目選手は?

前線の中島はどこからでもゴールが見えたら打つような、シュート数の多い選手。中山は昨季こそゴール数は2得点と振るいませんでしたが、その前のシーズンまでは3シーズン連続で二桁得点の実力はボックスストライカー。中盤の長澤は32歳とベテランの域に入ってきましたが、ドイツのケルンでキャリアを積んで、浦和などJ1クラブで主力を貼ってきた選手。右サイドの郷家は元U-20代表で、若いうちからJ1神戸で主力を張り、まだ24歳で地元の宮城に凱旋したきたバリバリの選手。さらに最終ラインは不動の4枚で、特に菅田は守備ポイントの高い選手で、これまでヘディングで2得点と得点力もあるCBです。小出も非常にデュエルの強い選手ですね。そしてGKには、元清水エスパルスのがゴールを守ります。

仙台の正GKで元清水の林選手。195cmの長身のGKです

ただその中で、最も怖いと思うのは、左サイドの21歳の相良選手。ここまでチームトップの4得点をあげる攻撃力のあるWGです。右利きで、ドリブルもシュートも得意な選手。前節の山形戦では、まさに真骨頂ともいえる、内側に切り込んでの右足一閃で貴重な先制点を挙げています。

清水はこの手のWGタイプの選手にやられてしまうことが多いため、相良のことは警戒しなければならないでしょう。

清水のスタメン・サブ予想は?

清水のスタメン予想ですが、事前の報道では、いわきFC戦で大西選手に足を踏まれてしまった乾は別メニュー。また原因は不明ですがシラも別メニューとのこと。怪我明けで練習には復帰している原選手が戻れるかどうかですが、いきかりのスタメンはこれまでも避ける傾向にあるので、サブに入れる可能性が高いでしょうか。以下がスタメン予想になります。

清水 vs 仙台 清水のスタメン予想

前回終了間際に途中交代で出場した蓮川選手は先発復帰と予想します。また相手の相良選手対策に、吉田豊がスタメン復帰するのではないでしょうか。注目はトップ下ですが、報道にあった通り、古巣対決にもなる松崎選手が最有力でしょうか。乾選手とはスタイルが異なりますが、右サイドに流れてブラガとコンビネーションを見せたり、代わりにブラガが中央に入って相手を混乱させたりというプレーが期待できます。ただ松崎選手のことは仙台の選手はほぼ全員わかっているため、それが吉と出るか凶と出るか。
他の候補としては矢島選手と西澤選手。矢島選手にとっても短い期間でしたが仙台は古巣となります。矢島は甲府戦で前半途中から、途中トップ下を務めましたが、サイドよりも中央の方が持ち味が生きていました。また西澤選手はいわき戦に乾と交代して出ましたが、守備の意識含めて良いプレーをしていたと思います。
もうひとつの可能性(これをどこかでは試して欲しい)は、4-4-2にシステムを変えて、タンキ(千葉)と北川の2トップにすることです。でしは個人的にはこの形が乾が不在の場合の代替システムとしては最有力だと思っています。

乾不在時の清水の新システム候補 4-4-2

これであれば北川選手がセカンドストライカーとして、下がってゲームを組み立てるような形も作れますし、タンキの高さも活かすことができるので、山原・ブラガといった選手のクロスからのゴールも期待できます。
このシステム変更も含めて、サブは、沖・高橋・北爪(原)・矢島・西澤・西原・タンキを予想します。

清水はどう戦うか?

堅守の仙台ということもあり、試合は1-0のような緊迫したゲームになると思います。一つのミスが命取りになるような、スリリングな試合展開になるでしょう。その中で、どう仙台の堅守を崩すのか。特にこれまでの試合、その創造性の部分を乾に頼る傾向にありましたので、もし乾が欠場の場合はどういった仕掛けをするのか。これからの長いシーズンを占ううえでも大変大事な一戦だと思います。
清水にとっての攻略の鍵はやはりクロスによる攻撃になるでしょう。

仙台の得点・失点パターン

お互いに言えることではありますが、仙台は全6失点のうち、クロスからのものが4点と2/3を占めます。単純な高いクロスでは、中央の菅田など、ヘディングの強い選手が控えているため効果的ではありません。以下に相手の深い位置、つまりニアゾーン、PAのポケットまで運んで、そこからマイナスのグラウンダーのクロスなどで、崩すことができるか。このあたりに注目してみたいです。
守備については、相手の左サイドの相良選手。ここは吉田選手で受けたいところですが、中央に来た場合にはボランチとのマークの受け渡しなどが求められます。またこれまで課題となっているセットプレーの守備も修正が必要ですね。
サッカーは何が起こるかわからないスポーツ。1失点は事故的なものでも良く起こります。勝ち点3のためには、やはり複数得点を狙う必要がありますね。
その中で、矢島・西原・タンキといった交代カードをどう切っていくのか、このあたりの采配がゲームを分けるような気がします。
ルヴァンカップを含めて、これから清水は6連戦となります。その初戦となる仙台戦、ホームでもありますし、前回ホーム徳島戦の悪い流れを断ち切るためにも、絶対に勝利が必要な1戦です。
私も相方と一緒に現地観戦予定です。徳島戦の悔しさをここでしっかり晴らして、パルちゃんたちと勝ちロコをしたいですね。頑張りましょう。

そろそろ彼の爆発が見たい

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?