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ベトナムで「写真のマニュアルを作った」仕事の話(後編)

前回、3月終わりにベトナムに行って、写真のマニュアルを作ったお話をまとめましたが、今回は一旦プロジェクト完了ということで、約1ヶ月の取り組みが終わりましたので、そちらのまとめです。自分なりに良い気づきがいくつかあったので、備忘録的に残しておきます。

前編はこちら⇩

帰国後、取り組んだこと

評価を定量化する

ほわっとした「なんとなくできた」、「なんとなくダメだ」は排除したい方向性でできる限り客観的に評価が行えるように評価シートを作成しました。

目的は、
①プロジェクト完了の評価を行うためには「なんとなくできた」は十分ではないため。
②撮影者自身も成長実感を感じながら撮影に臨めるように、客観的な指標が欲しかった。

の2点です。

実際のフィードバックシート

撮影・編集が完了する都度、1枚ずつの写真を丁寧にフィードバックをし、点数化していきました。

私お気に入りの「合計ポイント基準」の一覧

明るく前向きなコミュニケーション

現地のスタッフの方とは訪問の間、1日だけしか直接お会いできませんでした。

どうしてもチャットでのコミュニケーションだけでは意図が伝わらないことや、感情の詮索(相手がこう感じているのではないか)がベースにあるミスコミュニケーションが起こりやすい、と思っていました。

コミュニケーションを取るイシューも「プロジェクト完了までの期間にコミットできるよう、信頼して動いてもらう」「1ヶ月という短い期間で成果を出すための最善の協働」であって、決して「できていないことを叱責すること」でも無ければ、「自分が気に食わないことを恐怖で動かす」訳でもないのです。

なんか前向きなコミュニケーション感を出していこうとする人

相手が信頼感や安心感を持って、次の撮影・編集に行きたくなるような明るく、前向きなコミュニケーションを心がけました。

コンスタントに撮影に行ってもらう

撮影は回を重ねるほど、フィードバックの頻度が高いほど、上手く撮れるようになるのは確信を持っていましたので、積極的に撮影に行っていただきました。

撮影が終わる都度、次の撮影の日程設定の依頼を欠かさず行い、良いループが途切れてしまわないようコミュニケーションしました。

フィードバックは指摘のみではなく、できている点も同様に評価していく

つい期限が決まっている仕事だと余裕が無くなってしまい、早く課題解決したい気持ちから、問題箇所の改善を急いでしまいます。

ですが、逆の立場だったとして、それでモチベーション高く、次の挑戦をできるかと思うと違うよなと私はとても感じます。

💯を乱用しているフィードバック

なので、出来ている点、良くなっている点も改善箇所と同様に丁寧にフィードバックを行い、相手のやる気の灯火が消えないように細かく行っていきました。

依頼者と握った「イシュー」を忘れない

プロジェクトを依頼いただいた際に本件で達成すべき目標を常に意識しながら一つひとつの行動を決めてきました。

イシューを握っている瞬間(そゆこと)

ということで、最初に「現地で教えたスタッフの方が撮れるようになればいい」というのがゴールではなく「(誰でも)マニュアル通りに撮れば良い物件写真が撮れる」ということなので、最初に撮影したスタッフの方+新しく担当された方で最後は撮影に行っていただきました。

イシューずれを確認中

色々考えてると、目的を見失いがちなので本当に大事なことだなぁと思いました。

成果

写真を載せておくのが一番の成果だと思いますので、載せておきます。
最終的に1ヶ月撮影に行ってくださったスタッフの方が、最後の総仕上げで別のスタッフの方(物件撮影未経験)が撮影してくださった写真です。

Louis 302号室 リビング
Louis 302号室 リビング正面
Louis 302号室 キッチン
Louis 302号室 ベッド+収納
Louis 302号室 浴室(白飛びごめんなさい)
Louis バルコニー

最後の撮影前にブラッシュアップしたマニュアルを持参いただき、撮影していただきました。

(「最初からここまで撮れるか・・・」と自分でも驚きました。)

撮影後も忘れずに丁寧にフィードバックを行いました。

フィードバックシートの一部(全写真するのに3時間くらいかかりましたアワワ)

学びと感想

今回のプロジェクト、すっごーく楽しかったです!

というのも、人材育成の達成実感を感じながら仕事ができたことが一番の理由です。

多分、「(プロジェクトとして)成果を出すこと」にフォーカスしつつも「撮影してくださるご本人が、今までできなかったことができるようになる」という、楽しさ?エンパワーメント感だと思います。

また、教えるという行為は「自分が理解、実践できないとできない」ということが自分のスキルアップを後押ししてくれたなと痛感しました。

このプロジェクト以前は物件撮影は数件程度しかしていなかったので、「カメラはやっていました」が「物件撮影の要諦」的なところはやりながら学んでいく必要がありました。

教えていくと「あれ?ここなんでだろ?」とかしょっちゅう出てきます。
自分でその都度調べて、実際に次の撮影に活かせる形にブレイクダウンして先方に伝え、を1ヶ月間繰り返していきました。

お陰様で一通り撮れるようになったと思います(案件待っています笑)

実はプロジェクト完了して、一つだけ悲しいことがあります。
それはベトナムに行く理由が無くなってしまったことです笑。また何か案件があることを楽しみにしています。

あーーー楽しかった!!以上振り返りでした。


知らんオッサンのフェイントに騙されて意味なく1時間以上並んだ行列
(チェックイン済みだったので実は並ばなくと良かったというオチ)


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