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合格祈願えんぴつ

勤務する予備校のレギュラー授業もあと1講座。そこで例年最後の授業で受講生に贈り物としているのがこの「合格祈願えんぴつ」です。
「どうぞ合格へお導きください」と心の中で唱えつつ、1本いっぽんナイフで削ります(読点以下だけ読むとちょっと怖い)

私自身が受験した時、受験に対する心理的負荷はそんなにはなかったです。共通テストはもちろんセンター試験もなく「共通一次」という名称で何だか一斉に受験する試験が登場するらしい…
という時代の(もう古すぎてわけわかんないよね)受験生だったのです💦

ですから、というのも言い訳めきますが大学受験は「落ちて当たり前」の時代です(それをいいことに全く勉強せずにそして落ちた)倍率も5倍10倍は割と普通でした。予備校も浪人生で溢れていましたから「浪人」も進路としてはごく普通…だったわけです。

そこへ行くと俄然今日の受験生は事情が異なりますよね。

選ばなければ大学全入のご時世、世の中歴史的不景気の真っ只中で大学に行くさえお金の負担がやりきれないという時に先の見えない「浪人」生活に投資する(親の気持ちも含んで)のはそれなりに悩ましい選択だったことでしょう。

まして予備校や塾の選択となると更に悩ましい。
大手で資本のあるところは宣伝力にモノを言わせて少ない浪人生を掻き集めます。中小の個人塾は人脈や必然的地域限定でどうにか凌ぎつつ生き残りをかけているのが現状でしょう。
今やサテライト(有名講師の授業を配信で受講する形式)にYouTube動画(幾んどあらゆる科目・あらゆる単元に対応したフリーの動画がネット上には溢れています)という選択肢だってある中で敢えて対面授業形式の(私が勤務する)予備校をチョイスしてくれたわけですからもう感謝以外の気持ちはありません(これ、本当です)

授業は精一杯やります。嘘と出鱈目だけは避けてきたつもりですがそれでも落ちや漏れは逃れがたくあることでしょう。
この色々な面でストレス、困難を感じる時代に雨風を厭わず通い続け勉強し続けた浪人生に、私からのささやかなエールです。

どうぞ合格へお導きくださいませ🌸