皮膚科専門医試験に合格したからなんなのさ
デルマ侍です。皮膚科専門医の医師です。先日専門医試験に合格したのですが、もう少し効率よく最短コースで試験に臨めたらよかったな、と思いました。
自分は、 試験までの道のり、勉強のコツ、過去問の研究結果 などと、
自分が日々感じたこと、学んだことについて、shareできたら嬉しいなと思い、このnoteをはじめました。
✨一番伝えたいこと✨
専門医試験勉強にはコツがある
闇雲に勉強を開始する前に、専門医試験についてターゲットを絞りながら効率よく勉強を進めるべきです。そのテクをうまく抽出して、この場で表現できたらいいな、と思っています。
✌️皮膚科の専門医試験にまずは受かったよ!✌️
先日、皮膚科専門医試験に無事合格しました!
国家試験の合格率は9割くらいですよね。皮膚科専門医試験の合格率、ご存知ですか?皮膚科の合格率は7-8割です!(支部により差があります)
高いと思いましたか?思っていたより低かったでしょうか?
正直なところ、皮膚科専門医試験によりももっと合格率が低い専門医試験もあります。(例えば内科、内分泌、がん治療、糖尿病の専門医は6割~7割前後。ちなみに各学会の合格率というものは公表されています。)
研究中心の人、両方行っている人、臨床中心の人、いろんな受験を控えている方がいると思います。
正直なところ、超短期間の付け焼き刃の勉強では、一般的な人は太刀打ちができない試験です。
直前にまとまって時間が取れることが確実な人以外は、中期〜長期的に計画を積んで勉強することをお勧めします。
合格した周りの知り合い先輩・同僚・後輩を総じてみると、
おおよその勉強期間は3ヶ月〜半年程度が大体数で、
受験の書類を提出したあとから試験に向けて勉強を始める方が多いです。
医局の先輩で試験対策自体は1ヶ月のみで、見事合格した強者もいますが、元々のベースが高い方で詰め込み方もすごかったとのことでしたので、多くの方はそれ以上のスパンを見込んで、計画的に勉強した方がいいと思います。
実際に臨床だけをやっていれば特別な勉強をしなくても受かる試験であればよかったのですが・・・残念ながらそう話はうまくできていません。
また、効率よく試験に合格するためには、効率のよい勉強法のコツがあります。
本格的な試験勉強を始める前に、試験に出やすい傾向にある疾患、分野などを押さえておくことで、日々の日常診療を行っている間での気づき、自然なインプット、知識吸収に役立ちます。それだけでも全然違います。
このnoteではノウハウをお教えできればと思います。
合格して専門医になっても日常はなにも変わらない
実際に合格する前とあとで変わったこと、特にないです。誇らしい気持ちがすこし芽生えること(笑)、病院やクリニックのホームページなどの資格の欄に専門医とかけることくらいでしょうか(笑)
病院の勤務では基本的に専門医になることで給料アップは多くない気がします。聞いたことありません。単発のスポットバイトでは非専門医と専門医で時給が+2000円upしている案件も見かけます。また、多くはないと感じていますが、【専門医希望】の案件もありますよね。一般の皮膚科診療ができれば可、の文言もよく見ます。
正直給与的にはあまり関係がなさそうです。
専門医資格を維持するために
専門医に合格したあとも、次は資格を維持していかなくてはなりません。
産休・育休・留学などの事情がない限りは5年おきの更新となり、5年間のうち、2.5年働いていれば更新できます!
常勤であればもちろんのこと、非常勤でも週に12時間以上の勤務であればokとなっています。1コマ3-4時間とすると、3-4コマ働いていれば大丈夫そうです。
勤務に加えて、学会参加での単位取得、初回更新時には10症例分の症例報告の提示が必要です。
症例報告の提示は、受験申請時ほど大変ではないですし、あまり労力を必要としなさそうです。
学会参加の単位もコツコツ貯めていけば十分とれるものになっています。
受験するまでにあたっては、医局に入っていないと皮膚科の現状はなかなか受験するまでに至ることが難しいと感じていますが、合格後の維持に関しては開業の先生もさっくり維持しやすい仕組みになっています。
ちなみに、学会制度から機構認定制度になった際に、資格更新時に、過去の専門医試験からのプール問題でe-learningが実施されることが発表されています。
こちらの記事も書いています。
医師はlifetime learnerですので、勉強しつづけないといけないですね。
専門医資格って必要なの?
こちらのページの医師の専門医いらなくない?という方々のコメントの数々・・・結構辛辣です。
個人的には、専門医試験は一つの通過点であって、goalではありませんでした。別に受かるために勉強や仕事をしていたわけでもありませんし、合格したから終了でもない、何か変わるわけでもない。専門医をとったからといって、周囲の後輩からは多少「あの先生も専門医とれたんだ〜」くらいで、患者さんや他のコメディカルスタッフからの見る目が変わるほどでもありません。
そもそも、勉強は医師にとって、ずっと、一生、仕事をし続ける限り、継続して必要なことです。
その勉強している中では、時々中間試験のように、チェック機構がある方が、自分は頑張れます。自分が頑張ってきたこと勉強してきたことの確認というか。大丈夫だよ、という印のような安心の別の形ともいうでしょうか。
正直取らなければいけないものでもないですし、とったからといって、えらいわけではありません。ただ、自分は通過点として絶対に合格したかったし、合格したからには今後も資格は維持しつづけたいです。
このnoteでは、皮膚科専門医試験に合格したいあなたの助けに少しでもなればいいな、と思っています。応援します。
おわり
いかがでしたか?
またお読みいただければ幸いです。デルマ侍
試験対策についてマガジンにまとめています。
2020年令和2年の皮膚科専門医試験解答、解説についてはこちら
2021年令和3年度の皮膚科専門医試験のスケジュールについて
過去問まとめシリーズ
皮膚科専門医試験の合格率の推移についてはこちら。
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