ホン雑記 Vol.463「今後より一層詐欺増えると予想」
いやぁ、いきなりグチっぽいけどさ。
「何々ができないのは意志の弱さのせいじゃない」っていう切り口がすんげー嫌いなんだよ最近。これって、俯瞰して見ればハメ込みなんじゃないかと思う。
ハメ込みってのは投資用語で簡単に言えば詐欺、それも情報のない者に向けられるタイプの詐欺だ。ま、だいたい詐欺に掛かるほうは情報が少ないか。
最近よく見るこの宣伝文句って、もう便利と偽りの万能感に染まり切った下の下の人間ども(オマエもな)が増え過ぎて、そいつらを引っかけるためのやり口だよなぁって思う。「努力が伴います」なんて口が裂けても言えないんだろな。
たとえば、ダイエット関連の本でも通販でもいい。商品を購入してビフォア&アフターを見せるんだけど、その過程はサラーッと流すんだよね。そこ一番キモなんだけど、商品がいかにすごいかの説明ばかり。ま、実際にはたいした商品でもないってのは見てりゃわかるんだけどさ。
で、結論、何かができないのは意志の弱さのせいです。
終了。
たいっっっがいオレも半端野郎で、何もできないままここまできた。けど、卒煙と卒酒はなんっっっとかやれた。
それに比べてダイエットや筋トレはなかなか意志が続かない。燃えた時だけ。
この差ってもう意志の強弱でしかないんだよ。
あと1本タバコ吸ったら確実に死ぬってわかってたら誰だって吸わない。
『金持ち父さん 貧乏父さん』の著者であるロバート・キヨサキ氏が言ってることだけど、強固な意志には「何々したい」ではなく「絶対に何々したくない」が必ずその裏側にある。上のタバコの例なら「絶対に死にたくない」だ。
『お金の大学』の著者であるリベ大の両学長も、お金が欲しいというよりは、どうしても自由でいたかったからと言うけど、本当の願望は「絶対に満員電車に揺られる毎日を送りたくなかった」と言っていた。これは別にサラリーマンをディスってるわけではなくて、自分だけがそれに異様に耐えられないということだろう。これはなんとなくわかる気がする。
オレの卒酒の原因も、浴びるほど飲んだキャバクラでのクソ寒い体たらくを翌日断片的に思い出して、あまりの情けなさに涙したからだ。
それは調子こいて過ぎたオイタをしたり(なにゆうてんのワシこんなとこで)、思い出しても音程ハズしまくりだったカラオケを聴かせといて、女の子たちに「どや? どや?」と言い回っていた記憶がよみがえって「こんなオレ像は絶対にあってはならない」と猛省したからだった。
もちろん、客観的に見たらたいしたオレ像ではないんだけど、そんなイキリオッサン像はオレの中での「死んでもこうはなりたくない」っていう主たるダメ人間像だったんだな。
それで固く誓ったし、瞬時に悟れたのだ。あぁ、オレは飲んでいいタイプの人間ではないのだと。飲むんだけど次からはイキらないようにする、という希望的観測は絶対に叶うことはないのだと。
あれ、なんかまた長くなってしもた。
なんだろ、まぁとにかく「そんなラクに人間変われんよ」と安い宣伝文句にイラついてしもたんで書いてしもた。
『ビリーズブートキャンプ』が同じような商品の中でバカ売れしたのは、本当のことを言ったからだろう。どう見てもキツい運動だということはわかる。
客は商品に対して半信半疑ではなく、自分がやれるかどうかにかかっているのだと一念発起して購入を決めたに違いない。
オレもデッカい二つ(人から見たら些事でもさ)を禁じたことでハッキリわかるけど、やめるのにつらい思いを要したことほど、リバウンドから明らかに遠のく。